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感想『月に吠えたンねえ』(清家雪子)58話詩歌句街文学散歩

日比野は困り果てた。ホラー映画を観てから風呂に入れなくなったのだ。鏡も排水溝も換気扇も……怖い。彼は仕方なく、あらゆる所にガムテープで目貼りをした。 3日後、浴室はカビで充満し、床には流されなかった髪の毛。湿度でテープは無様に剥がれ、鏡にはいよいよおぞましい何かが映るようだった。

「電車ごっこ」 木村研