見出し画像

ケンブリッジ大学院 英語力がやや足らない向きへの救済策

2024年2月時点の情報である。鵜呑みにせず、大学から来る連絡やウェブサイトの情報をしっかり確認しよう。

英国の大学は、英語を母語としない留学生には英語要件を課している。多くの場合、IELTSやTOEFL iBTいずれかの点数として要件が規定されており、失効前のスコア証明書類のオンライン提出で英語力を証明することができる。

この英語要件は、出願前にどうしても突破しなければならないものではない。出願後でも、適宜よりよいスコアに差し替えることができるし、スコアが足りなくても(コース開始前までの英語要件突破という)条件付き合格が出る。また、英語要件がどうしても満たせない場合は、プレセッション・インセッションの大学による英語コースの受講を条件として本コースへの無条件合格が出る場合もある。要は、大学としてはコースについていくのに十分な英語を身につけてくれればなんでもよいという仕組みなのである。

私の場合はケンブリッジ大学院を受験し、無事条件付き合格を貰えたものの、writingがコース最低基準の7に0.5ポイント届かずにどの方向性で対策を行うかを考えなければならなくなった。

なんどもIELTSを受け直すのは嫌だ

なに当たり前のことを言ってるのかと思われるのかもしれないが、受検界隈ではスコアの上振れに期待して5回以上もIELTSを受け直し、そのたびに数万円の受験料と丸一日を費やすのが普通なのだ。私はその道は取りたくなかった(総受験数2回、これを生涯最後にしたいものである)。当然ながらお金がもったいないし、それに、テストの点が足りないのが悪名高いwritingだったのである。
IELTSのwritingは評価基準が独特かつ厳しく、また、一般的なコースワークで求められるアカデミックライティングというよりは、「流暢な」英語を、既定の様式を守って書くことが求められる。求められている英語力の方向性と水準が、私の目的(大学院教育を恙なくこなす)と合致しないのである。
また、0.5ポイントくらいのwriting力は、大学院教育を一年受けたら十分以上に身につくものであるため、IELTSが勉強をするための最善の機会というわけでもない。
大学の英語力の水準を満たす、たったそれだけのために、IELTSの癖強めな評価基準に過剰適応した作文の書き方を覚えることも不毛に感じられたので、別の方策があるか情報を探してみることにした。そしてケンブリッジ限定で
はあるが、良い方法があることを知った。

ケンブリッジ語学センターのサイトの情報

ケンブリッジ大学語学センターサイトの
https://www.langcen.cam.ac.uk/adtis/graduate-applicants.html.

第4項目、LC Assessmentを読んでみよう。

One of the entry conditions for postgraduate study at the University of Cambridge for applicants whose first language is not English is that you pass an English language proficiency test to show that you have the necessary command of the language in order to get the most out of your course.

If you narrowly miss the required minimum level you may be referred by the Postgraduate Admissions Office to the Language Centre for a further assessment to be carried out. Please note that this only occurs in cases where the minimum level has only been missed by a narrow margin.

If you have a language condition and have been referred to the Language Centre for an additional assessment, then you will have been notified of this through your online Self-Service account on CAMSIS. In such cases, please e-mail adtis@langcen.cam.ac.uk with the following information:

First Name:
Family Name:
USN Number:
Details of any English test(s) taken in the last three years:

https://www.langcen.cam.ac.uk/adtis/graduate-applicants.html#top-4

そうなのである、つまりほんのちょっと足りないくらいなら、条件付き合格の通知後に救済措置について連絡するからね、と書いてあるのである。ほんのちょっとの幅は明示されていない。(この記述を見てケンブリッジにいる大学の先輩に相談し、事前にIELTS各項目のどれか1-2つが0.5足りないのは、「ほんのちょっと」圏内であると教えてもらった。)

この続きにはさらに評価基準の詳細と、その結果区分が書かれている。評価に使われる問題には、やはりRWLとSの四項目の分野があり、要件を満たさないのがどの領域で合ってもRWLは受けることになる。Speakingについては、RWLの三項目の結果に応じて面接が要請される場合がある。
結果区分何種類かあり、英語要件そのままパスとなる場合、プレセッション・インセッションの受講やIELTS等外部の英語試験の再試験が求められる場合がある。そして、無料ではあるが受けられるのは一回のみである。

私の場合は条件付き合格が出てから、送られてきたSelf Serviceのためのウェブサイトにアクセスし、そちらで無尽の事務書類の中から英語の救済措置の受け方に関する記載を探し出して、無事に評価を受けることができた。



どんな問題なのかは、書いてないけれど、何となく想像してみてほしい。試験者はケンブリッジ英検の主催機関である。また、世界トップクラスの大学が、うっとこの大学院生候補に対して実施する試験である。IELTSとは求められる理解力・思考力の水準が隔絶している一方で、がんじがらめの一律の評価基準が公表されているわけではなく、ある意味自由度が高い。どんな問題なのかは書かないけど、個人的には良問だったと思う。大学院を受験する人なら知ってると役に立つ内容の、しかもけっこう面白い題材がえらばれていて、頭の体操としても楽しかったし、勉強にもなっている気がした。少なくともIELTSに慣れる・順応するための英語の勉強よりはずっと良かったし、目的に向かって真っすぐに進んでいる感じがした。でも、これだけ褒めた評価の結果で「やっぱりIELTSを受け直して」って言われたらお笑いだな。

IELTSはネイティブなら7は固いけど、こちらの試験はおそらく基礎的な学力水準によってはなかなか苦戦するのではないのだろうか。
あなたがアカデミックライティングをそれなりにこなしていて、論文執筆などの経験があったらこちらの評価を受けるほうが有意義なのだろうけど、反面特定の試験に特化した英語力しかない場合はおそらく苦しむかもしれない。

結果の連絡は所定の行動をとったのちから、5-10日後ということである。受かっているといいけど、この試験を作るとこが主催するならプレセッションを受けてみたい気持ちもあるな!


2/19追記:無事に合格となった旨、所定の手続きを踏んでから1日でSelf Serviceアカウントに連絡があった。確定前に学部と所属予定の学寮にも連絡が行ったようなので、どちらかで物言いがつけばもう少し時間がかかったのかもしれない。

16/02/2024 NZ: On the recommendation of the Language Centre and after consultation with your Department and College, I am pleased to inform you that your language condition has been met.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?