見出し画像

そこにコーヒーがあった【2】

「叔母と私とインスタントコーヒー」


私には、叔父・叔母が9人いました。
父は10人兄弟姉妹だったんですよ。

そしてRおばちゃんは、実家である私の家の2階に住むことになりました。
私が10歳ぐらいの時からでした。

私はRおばちゃんに、とってもかわいがられたんです。

まだおばちゃんがアパートに住んでいた頃、
小さい私を泊めてくれて、
デパートにスーパーカーのカードを買いに連れて行ってくれたり、
何かあるとお小遣いや、お年玉をくれたり・・・。
私も第2のお母さんとして、懐いていました。


そして、大人になっても
身近にいてくれたRおばちゃんに会いにいくと、
必ずコーヒーを出してくれるんですね。
今は実家の近所に家を建てて
一人で住んでいるんですが、
会いにいくと必ず
コーヒーを出してくれます。


おばちゃんのコーヒーは
インスタントコーヒー。
ネ○カフェバリ○タを
何年か前に送ったのですが、
使ってくれていないようです。
(まぁ、それはいいんですが、)


やかんでお湯を沸かして、
熱湯で粉を溶かすと、
とにかく真っ黒です。
そして白い泡が薄ーく立つんですね。
混ぜると丸〜く渦を描いている・・・。
そんな、ちょっと酸っぱいコーヒーを啜りながら、

「どうね?山梨は・・・。家族はみんな元気ね?」
「うん。元気よ。・・・。」

なんて、ぶっきらぼうに話す私と
ぽつりぽつりと会話が進んでいきます。


私はおしゃべりではないんです。
自他共に認める口ベタってやつです。
人見知りですし。
でも会いにいきたい、会いにいく、
ちょっとだけしゃべる。

そんなとき、おばちゃんが淹れてくれる
インスタントコーヒーが、美味しいんですよ。

もし、これがないってことになると・・・
なんか手持ち無沙汰というか、
落ちつかないというか・・・。


父も母も、親戚が来ておしゃべりをする、
そんなときインスタントコーヒーには
たっぷりの砂糖を入れて飲んでいたんですね。

甘〜い、後味がなにか酸っぱい、
黒くて苦い!
そんなコーヒーを飲んでいました。

誰かが来て、わいわいガヤガヤと
おしゃべりしながら飲むコーヒー。

懐かしい柄です・・・

そんなとき、「インスタントコーヒー」
が欠かせなかったんです。
懐かしい柄のカップに白い砂糖。
甘くて、酸っぱくて、苦いコーヒー!

懐かしいな・・・。


この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?