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限界消費性向と需要の所得弾力性

中小企業診断士一次試験令和3年の経済学・経済政策の第4問は、次のような問題です。

コロナ禍で落ち込んだ経済を支えるための対策のひとつに、個人や世帯に対する一時金の給付がある。この一時金の経済効果に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

中小企業診断士一次試験令和3年経済学・経済政策の第4問

そして、その選択肢のcでは…

c 低所得者ほど限界消費性向が高い傾向にあるとすれば、一時金の給付対象に所得制限を設けることは、より効果的に消費を支えると考えられる。

中小企業診断士一次試験令和3年経済学・経済政策の第4問 選択肢c

よく、国の政策として「補助金や給付金として国民への支給」という手立てが講じられます。その際、所得制限が設けられ、一定の年収までとかの制限が設定されます。
「低所得者にこそ支援が必要」っていうのは、納得できるところです。
まさに、この選択肢に書かれているようなところですね。

でも、これは、経済学で言うところの「限界消費性向」によって説明できるんですね。

限界消費性向とは、所得が1単位増えたときに増加する消費の量のことです。例えば、所得が100万円増えたときに60万円を消費に回す場合は、限界消費性向は0.6となります。「限界消費性向が高い」ということは、所得から消費に回す割合が多いことを意味します。よって、一時金の給付対象に所得制限を設け、限界消費性向の高い者だけに給付すると、より効果的に消費を支えることができると考えられます。

スタディング 中小企業診断士一次試験令和3年経済学・経済政策の第4問の解説より 

すごく納得できました。
…所得制限付きの補助金や給付金って、自分が恵まれているのかもしれませんが、当たらないんだけど、それでも納得できました。

この問題の選択肢dでは、需要の所得弾力性について述べられてます。
そのことについての解説が…

需要の所得弾力性とは、所得を1%上昇させた時に需要量が何%変化するかを表すものです。需要の所得弾力性が高い財は、所得が増えたときに大きく消費が伸びる財です。よって、一時金の給付が消費を増やす効果は、不要不急の消費(需要の所得弾力性が高い財)ほど大きくなると考えられます。

スタディング 中小企業診断士一次試験令和3年経済学・経済政策の第4問の解説より

選択肢cについて至極納得できたことに対し、dについては「不要不急の消費ほど大きくなる」って、それは一時金の趣旨に叶わないのでは…って思いました。
でも、確かに、この理論でいくとそうなりますね。

そして、一律支給された給付金で、iPad Airを買っちゃったな…って思い出しました。
確かに当時、「給付金を充てられるし」って思って買った記憶があります。

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