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ロスジェネ世代サバイバーの矜持【2022.08.19】

「この業界は持ってあと10年。俺たちは、最後の逃げ切り世代だろうな。年下の君たちはかわいそうだけど」

先日、職場の先輩がおもむろに話しかけてきた。その男性は50代半ば、バブル世代の大量入社の一人である。

自分は安全圏にいると信じ、その圏外にいる人間に対し、憐れみをかける。その心根が私には分からない。

優越感? 安心感? 言葉を投げ掛けられた側の気持ちなんて、これっぽちも考えていないのだろう。

自己保身だけが先に立って、迫り来る老年をただ待ち、愚痴を吐くだけ。悪い人ではないが、とにかくネガティブ思考。少し話すだけでドッと疲れる。

私は団塊ジュニア世代で、出生者数も多く、大学受験は狭き門だった。就職活動の時期を迎えたら、超氷河期に突入。数年上の先輩たちが左うちわで内定をもらい、他社へ行かないよう囲い込みをするために、豪華な拘束旅行まで行っていたというのに。自分の番になったら大違い。その上、女性だったから、激しい男女差別を受けた。

教育現場では男女平等と習ってきたのに、社会のドアを開けたとたん、シビアな現実の洗礼という冷水をいきなり頭から浴びせられた。超男性優位の会社では、セクハラもパワハラも受けた。

あれから何年が経っただろう。社会にも会社にも、元々期待をしていないから失望もしない。自分の身を守るのは自分しかないと腹をくくっているので、非才と知りつつも、生き抜くための道を若い頃から探ってきたつもりだ。

多かれ少なかれ、同じ辛酸をなめてきたと思うので、同世代を見ると誰彼となくエールを送りたくなってしまう。

そして、冒頭の先輩に言いたい。

ロスジェネ世代サバイバーをなめるなよ!



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