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子どもとのへんてこりんな会話が老後の幸福につながるかも 

ハトコです。

読書後の所感メモです。

以前から気になっていたこちらの本。
小学生の子どもと書店に行った際に思い切って購入しました。

どっしりとしていて「読み応えありそうだな」って感じ。
ですが意外と読みやすい印象。わかりやすい表現、なにより引き込まれる内容で一気に読み進んでしまいます。

お金を貯めこみすぎず、思い出を作ることが人生を豊かにする


ビルさんが「死ぬまでにお金を使いきるのが最も合理的」という考えを、様々な根拠で説明してくれます。

・お金を残してなくなれば、自由に使えた若い時期の数年を無為に労働に費やしてしまう
・同じ経験でもタイミングによって意味が変わってしまう
・傷病や死亡時ではなく長寿保険(長生きした場合に受け取れる保険)を利用できる

などなど…。


ぼんやり感じていたことが言語化されとる


転職準備中の私ですが、お金に対する不安は付きまとっていました。

老後に2000万円必要というし、子どもの教育費も心配。
高配当株で不労所得とかあこがれる。FIREってやつ最高じゃん。
早くお金貯めたい。できるだけ、たくさん。

半面、こんなふうにも思っています。
余裕がなくて子どもとの時間を失ってしまうのではないか。
子育てがひと段落してから、稼いでもいいんじゃないかな。

アリとキリギリスのちょうどいいラインを取っていこうっていう序盤で、すでに激しく共感!
確かにな~。なにごとも中庸。


たくさんの人生最終盤をみて


私はケアマネジャーという仕事についています。介護保険のガイド役です。
これまでたくさんの高齢の方の生活をつぶさに見せていただいてきました。
介護を受ける時期というのは、どんなふうに働き、家族と向き合い、生きてきたのか総決算の時期です。

なかには節約が長年の習慣となり、使うことができない方もいます。
ケアマネからすると「ここで使わずにどうする!」「いまさら取っておいて何になるの?」とのけぞりそうになることも。
今の高齢者の方の生きてきた時代を考えれば、無理からぬことではありますが。

ビルさんの持論には、本当に同意でめちゃめちゃ納得です。

特に家族との関係は長い歴史の積み重ね。
にわかに作り上げることはできません。

60代、70代となったご家族(子ども)が幼少期の親(高齢の方)との関係性について話してくれることがあります。
「〇〇してくれなかった」「〇〇された」といったネガティブなことは強烈に体験として残っているように感じられます。

親から見てみても、子どもが子どもでいてくれるのはほんの一瞬。
手足がむちむちとしてよちよちと歩いていたころの娘を、私はもう抱っこすることはできません。

今この瞬間に子どもと過ごすことが、長い長い人生において重要な意味をもつことを実感できます。

自分とっても子どもにとっても、取り返せない時間なんだなぁ。
当たり前のことではありますが、お金の観点で改めて整理して考えてみることができた気がします。

「思い出の配当」


ビルさんは、大切な経験によって何度でもいつでも幸せな気持ちを受け取り続けられることを「思い出の配当」と表現しています。

子どもとのへんてこりんな会話、孫とのかくれんぼ、夫婦での旅の出来事。
何度も何度も、嬉しそうに話している人たちにたくさん会ってきました。
(そういった思い出の触れることは、私の小さな楽しみです)
和やかな思い出を話せる人たちは周囲への感謝があるような気がします。

子どもが「じゃがいも」を「がじゃいも」と言っていたのを思い出すと、私はいつも愉快な気持ちになれます。
これが「思い出の配当」を受け取るということなのかな。

老後の貯金も大切で、キリギリスのように無策でいていいわけではないのは分っています。
でも、年老いてからではお金で贖えないものがあるのも確か。
若く動けるときの思い出、子どもの成長とともに過ごした思い出。
それが、ベッドの上から動けなくなった時にも人生への満足感をもたらしてくれるのでしょう。


今、仕事より子どもを優先しようと思う、自分の決意が勇気づけられる本でした。
ビルさんは超富裕層。自分持ちで親族・友人を海外に招待して1週間パーティしたりするようなハチャメチャな思い出作りを実践しています。まねできないことも多いですが、アイデアはとても参考になりました。

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