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スーパー<個人商店

近所に昔ながらの個人商店がある。

屋号は恐らく店主の名字。
一階が店舗、二階が住居タイプで、それなりに歴史を感じさせる佇まい。
レジにちょっとだけ煙草が置いてあって、入り口の冷凍ケースでアイスを売っていて、店の奥の五十センチ四方くらいの冷蔵ケースでジュースを売っていて、店内常温の棚はお菓子。
時々玩具。ボールとか、シャボン玉とかね。

公園も近いから、土日はもちろん平日の夕方に通ると、大体子供達が溜まってる。
アイスとか、ポテトチップスとか食べてる。

そのお店、老夫婦二人でやってるの。
主にレジに旦那さんが座ってて、いないときは奥さんがいる。
店内で喧嘩をし出したりもする。
「ばあさん、両替のお金、あるかい?」
「急に言われたってそんなもんないよ!」
みたいな。

少しお耳が遠いのか、地声が大きい感じ。
何故私がそれを知っているかというと、前を通ると、店内の声が筒抜けだから。

学校がない、もしくは終わっている時間帯だと、「車に気を付けろよー」とお客さんである小学生集団を見送っているし、お客さんがいない時間帯には店内にラジオが流れてる。爆音で。
普通にお客さんがいる時間帯は流れていないこのラジオ、店内で聞いていたら耳が痛くなるくらいの音量。
店先を通るだけで内容はばっちり聞き取れるし、なんならちょっとうるさい。

利用したことはないけど、よく通る道だから、自然と詳しくなってしまう。

このお店、私が見る限り結構盛況だが、外からちらっと見た感じ、値段はさほど安くない。
しかも徒歩五分もしない距離に、スーパーマーケットがある。
そっちの方が断然安いし、品ぞろえも当然段違いなんだよね。

でも、子供たちはスーパーじゃなくてそのお店を選ぶ。

その気持ち、なんとなく分かる。

子供の頃って、お店やさん怖かったよね。
というより、知らない大人が今よりもっと怖かった。

だから、スーパーで色んな知らない大人に囲まれるより、店員が二択(旦那さんか奥さん)の馴染の個人商店の方が安心して買い物が出来るんだよね。
きっと。

と、私は先日、店先でブタメン(懐かしすぎる……)を食べる小学生男子の集団を見て思いました。

大人になると忘れちゃう感覚とか感情って多いよなあとしみじみ感じた。
そういう気持ちを思い出すために、今後も(不審がられない程度に)、そのお店とお店のお客さんを観察し続けたいと思う。

今のご時世、そういうお店自体が貴重。
是非末永く繁盛して欲しいなと密かに願っている。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
次回以降もお付き合いいただけると嬉しいです。
それではー。

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