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琥珀集38.

五十代に入ってから
日々青春が死につつある
生まれた年 月 あの時そのものが
私の名のない双子の兄弟だったようだ
自然のすべて 時間のすべてが枯れ果てて
私とともに収縮してゆく
しかし私はいたずらの天才だった
日々私の中で 永遠の少年が育ちつつある
表面的に老い落魄しつつ
死神を驚倒させるべく
私の内なる天然の赤子は成長し
この世のすべてに逆行する力を
精霊達とともに暁闇を出発する時まで
密かに集め続ける
天地の真ん中でユーモアをふりまく狂気の道化こそがその割れ目 谷底を飛び越える
研ぎ澄まされた眼差しで
常緑の枝を振りかざしながら
とこしえに若者たる世界へは
死と絶望を越えてゆく



■画像はヤフー、琥珀画像より。

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