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レモン市場を意識している事業者を選ぶ


弊害しかないPPAPがなぜ残っているのか?

久しぶりに届いたメールに添付ファイルが入ってて、それと同じタイミングで”パスワード”と件名に入ったメールが届いた。


いわゆる、PPAPというやつ。大昔、セキュリティベンダーと言われる事業者が添付ファイルがある場合、自動的にパスワードをかけ、そのパスワードを別メールで送信する仕組み。
公的機関ではおそらく、”止めよう”と堂々と声を上げる人がいないからか、まだ残っているみたい。

こういうソフトウェアがまだ動いているんですね(泣)。

僕達のようなIT技術を活かす事を生業としている者に取っては何の意味もなく、弊害しか生まない仕組み。なのに、誰も止められない。
ソフトウェアを使っている以上、利用料金はちゃんと請求されているでしょう。

IT技術に対する情報の非対称性

レモン市場という言葉があります。

セキュリティ対策に対する決定権者がIT技術に関して十分な知見を持っていない場合、セキュリティ技術やシステム開発に関して、ほぼIT事業者の言いなりになってしまうことが少なくありません。

IT事業者が情報の非対称性をしっかり認識し、顧客との間の情報格差を埋める努力をしてくれる良質な事業者ならいいんですが、そうじゃない事業者がいるからこうしたPPAPのような仕組みがはびこっているのではないかな。
もしくは、使っている側が止めるのが怖いとか。。。。

どちらか一方が悪いってことはあまりないんですよね。双方にきっと、マズい点がある。

市場に価値を生まないこうしたお金や情報の流れは勿体ないし、弊害でしかありません。

レモン市場を意識している事業者と付き合おう

顧客と自分達のIT技術情報に関する非対称性をしっかり認識し、顧客の認識する情報量を高める努力をしている事業者をできるだけ選ぶ事で、こうしたレモン市場に苦しむ事は減って行くはず。いや、減って欲しい。

IT技術・サービスは市場に喜びや驚きを生む存在

大昔の話ですが、僕が初めて関わったシステム開発プロジェクト。大手酒造メーカーの営業支援システムを作りました。それまでは月に1回印刷された販売実績を見るしかなかった営業担当者にほぼリアルタイムで販売実績を提供できるようになるというもの。

開発・納品の際に営業担当者向けに行った利用説明会。

「さあ、これから俺たちはこのシステムを使い倒してやる!」という気概に満ちた人達が僕の目の前に陣取り、データの意味や取り出し方、不明な点への質問など、非常に熱い時間を双方で共有した事が今でも鮮明に思い出されます。 

本来、IT技術やサービスは新たな喜びや驚きを生んでくれる素晴らしい役割を果たすことができるはず。そうでないと感じているなら、きっとどこかにレモン市場が隠れているに違いありません。

今はIT技術に関しては特定の人達だけのものでは無くなりました。誰もが使いこなすことができるはず。 IT技術者を選ぶ時もぜひこのレモン市場の事を思い出してください。 いま、自分達がやっていることがこのレモン市場の落とし穴に落ちていないか? IT技術に自信が無い会社・担当者はぜひ頭の片隅に置いておいてください。 

「わからないことは分からないと堂々と言う」

これがレモン市場に陥らないための一言。わかるまで説明してもらって大丈夫。それがIT技術者を育てることにも繋がります。


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