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【第3章】平和主義(世界平和は日本人の使命) 〜『大國民讀本』を読む〜(11)

「立ち位置を日本に定めて生きる」ことが大日本主義です。

日本人であることに誇りを持ち、自分に与えられた使命を果たしていくのが大日本主義の生き方なのです。

その第一に心得えて欲しいのが「平和主義」です。日本のことをよく知らない外国人ならしかたありませんが、日本人でありながら「平和を愛する国民性」を分かっていない人がいます。

尚武と闘争は、同じではない。

日本は昔から【尚武(しょうぶ)の国】だから、好戦的な国であると誤解しているのです。これは大変な間違いです。

世の人々は、尚武と闘争を混同(こんどう)しています。尚武は”武をたっとぶこと”であるものの、乱暴とは全然違います。

その勇ましさは、気は優しくて力持ちという、正義の心が基本となっています。武には、しっかりしていて物事に動じない人格の高さがあります。

自分の事は後回しにしてでも、みんなのために役立とうとする奉仕(ほうし、見返りを求めないで他のために尽くすこと)の心が伴っているのです。

【尚武】と、やたらに戦う【闘争や好戦】との違いが分かっていただけたと思います。



生物はそれぞれ生まれながら特徴を持っている。

  • 馬に生まれたら足が速くなります。

  • 牛に生まれたら角(つの)が生(は)えます。

  • 薔薇(ばら)などの荊(いばら)なら棘(とげ)が出ます。

  • 桜なら花が咲き乱れます。

それと似たことが、国民性(その国民が持っている性質)にも起こります。諸外国には、その国民性に闘争性や侵略性が見られる場合が少なくありません。いくら正義や人道(じんどう)に基づくスローガンを掲げてみても、あれこれ組織や制度を変えてみても、なかなかうまくいきません。


我が国は、日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦の3回の戦争を経(へ)ました。

しかし、いまだ一回たりとも、ケンカを仕掛(しか)けたことも、侵略を目論(もくろ)んだこともありません。

私たち日本人は、そのことを明瞭(めいりょう)に知っているはずです。

<林英臣の補足>
「武」は「戈」と「止」が組み合わさった漢字で、戈はブという読み(発音、カ→ブ)を、止はもともと「歩」で、大股(おおまた)に勇ましく進んでいく様子を表しています。

明治時代の日本が、外交上一番心配していたのは、ロシアの南下でした。ロシアは不凍港(凍ることがなく一年中使える港)を求めて南下し、東アジアの支配を広げようとしていました。

清朝(シナ)や李氏朝鮮の政治がしっかりしていれば、ロシアの南下を食い止められたのですが、どちらも社会秩序(社会体制)の末期であったため、ロシアに対抗する力が不十分でした。

詳しい歴史はここでは述べませんが、満州や朝鮮半島を侵略しようとしたロシアの野望を阻(はば)むために、明治時代の日本が日清戦争と日露戦争を戦ったということを忘れてはなりません。

そうしなければ日本も危なかった
のです。歴史には、当時の人たちの気持ちになって考えてみなければ分からないことがあるものです。

第一次世界大戦ですが、これへの参戦は、当時の国際条約に基(もと)づいたものでした。日英同盟・日仏協約・日露協約がそれで、日英同盟の約束によって日本はドイツに宣戦布告し、ドイツの植民地である山東半島の青島を攻略し、ドイツが支配していた太平洋上の赤道以北の島々を占領しました。

イギリスは、東アジアにおけるドイツ艦隊の動きを心配しており、日本の参戦を必要としたのです。

やがてドイツの潜水艦が、ヨーロッパの地中海で、敵側の商船を警告もなく無制限に攻撃します。この暴挙にアメリカが参戦すると、日本も駆逐艦を地中海に派遣。ある駆逐艦は、ドイツの魚雷攻撃の盾となって船舶を守り、その責務を果たしました。

では次に、日本の平和主義を3項目に分けて説明しましょう。

〜『大國民讀本』を読む〜(12)につづく



上記は、昭和2年(1927年)1月25日に出版された、文部省認定・林平馬著『大國民讀本』の内容を、林英臣が、こども向けに“翻訳”したものです。

「戦前は立派だった」いや「戦前はひどかった」、「戦後、日本は良くなった」いや「戦後、日本はダメになった」などと、大東亜戦争(第二次世界大戦)で歴史を前後に区切ることが一般的です。

ところが、『大國民讀本』を読むと、日本は明治から既におかしくなっていたことが分かります。90年以上前の本とは思えない内容が本書に記されているのです。これから取り戻すべき日本の原点が、余すところなく示されていることに読者は気付くはずです。

戦前の日本の実態をよく知り、これから祖国再生を進める上で、心得とすべきことが沢山出てまいります。

昭和に入ってから出版された本ですが、90年以上前の内容ですから古典の意訳に近い作業が必要でした。そこで、子供から大人まで世代を超えて読んでいただけるよう、できる限り分かりやすく書きました。

親子一緒に学んでいただいていただいても、楽しい本になったと自負しています。また、明治以降の日本史を正しく学べる本として、読者のご研究の参考になれば幸いです。

意訳者 林英臣

『大國民読本』を読む〜はじめに〜より(一部追記)

昭和2年に出版された著書ながら、今読んでも新しく、胸に突き刺さる指摘ばかりです。新しいがゆえに、我が国の抱える病巣や問題の根が深いことが良くわかります。

戦前の日本が良くわかる本『大國民讀本』

林英臣の元氣メール(メルマガ)」で、こども向けに優しく噛み砕いて連載していた内容を、〜『大國民讀本』を読む〜として刊行しています。
これからnoteで、逐次紹介して参りますが、下記からお求めいただき、共に「日本の原点」を取り戻すべく、ご家族ご友人と学んでくだされば幸いです。
https://hayashi-hideomi.com/books


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