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カンブリア宮殿の振り返り「スナックミーはサービスを作り込まない。徹底的に、改善していく」

9月1日のカンブリア宮殿で、スナックミーを取り上げていただきました。ご覧いただいた皆様、ありがとうございました。

このような機会をいただけたのも、これまでスナックミーを支えていただいた、お客様、社内メンバー、お取引先様、株主の皆様のおかげです。本当にありがとうございます。



「カンブリア宮殿の取材決まりそうです〜」

というSlackを広報担当のメンバーから受け取ったときにとっさに返したSlackは「えっ? いやいやいや」だった。

数週間くらい、広報メンバーがカンブリア宮殿の取材についての対応をしていたのは知っていたけど、まさか決まるとは思ってなかった。ちなみに、一人しかいない広報メンバーがその日に産休に入ることが決まっていた。

そもそも取材を受けるのが苦手だ。自分ではゆっくり話しているつもりだけど、めちゃくちゃ早口になるらしい。
サービス開始当初、某有名番組から取材オファーがあったのだけど、その時は「まだ早いです」とお断りした。プロダクトがまだまだだと思っていて、まだそれほど注目を集めたくなかった。 PRに詳しい方からは、スタートアップが断るなんてありえないと言われた。

今回も「なんでうちなの?」という気持ちもありつつ、たぶんここでやらなかったら二度とこんな機会はないだろうなと思ってカンブリア宮殿のご取材をお受けすることにした。あと、広報メンバーがせっかく決めた大きな仕事をしっかり形にしたいという思いもあった。

「やるしかないよね。。」とSlackを返しつつ"覚悟はいいか?オレは出来てる"という言葉を自分に言い聞かせた。



取材をしていただいたり、スタジオでMCのお二方から質問を受ける中で、それまで自分でも言語化出来ていなかったことが、整理出来た気がするのでこれを機に振り返ってみようと思う。

生産者様との取り組み

今回の放送では、生産者様にフォーカスを当てていただいた。(取材にご協力頂いた生産者様ありがとうございました。)
スナックミーがお客様に美味しいおやつを提供できているのも全国の生産者様の存在があってこそだ。今回の取材をきっかけに地域分布を調べたところ、42都道府県の生産者様と取引があることがわかった。(鳥取、徳島、和歌山、三重、福井での取引がまだなかったので是非!)
スナックミーは今でこそオリジナルのおやつが大半だけど、創業当初はマルシェに行って商品を集めてきて、販売をしていた。なので、ドライフルーツは自社のパッケージでお届けしつつ、いろいろな生産者様のパッケージと組み合わせをBOXに詰めていた。

創業当初お届けしていたBOX

マルシェ的な体験をECで、とういうコンセプトだったこともあり、サービス開始当初はオリジナル商品を作りたい、という意識はそれほど高くなかったのだけど、お客様から「もっとこうゆう商品が欲しい。」「こうゆう商品を増やして」という声が集まってきた。探しても、お客様のご要望の商品を見つけるのが難しかったので、(半ば、仕方なく)自社でオリジナル商品を開発することになった。

そこから少しずつオリジナルの商品が増え、今ではほとんどがオリジナル商品になった。お客様に毎回「マルシェや蚤の市に行ったときのような、新しいおやつとの出会いを楽しんでいただく」ことを実現するために、様々なおやつを全国の生産者様と一緒に開発している。

最近、注力して取り組んでいるアップサイクル商品についても、取引先様から「規格外品がたくさん出てしまったのだけどなんとかならないか?」という打診がきっかけだった。2020年から始めたアップサイクル商品も、すでに10商品を超えた。

これからも既に蓄積された3,000万件を超えるデータも活用しつつ、足を使って泥臭く商品を開発していきたい。
お客様からいただく「こんな商品スナックミーではないんですか?」と言うお声は大歓迎。商品開発チームは、おやつ評価のコメントやLINE、SNS上でのコメントをみながら、生産者様だけではなく、お客様とも一緒に商品を開発している。

カンブリア宮殿でご紹介頂いたおやつをメンバーが爆速でまとめてくれました。こちらもぜひご覧ください。


サブスク

なんでサブスクなんですか?ということも最近はサブスクが増えたこともあってあまり聞かれなくなった。今回の取材では「そもそもなんでサブスクを始めたのか」ということまで深堀りして頂いた。

サービスを始めた2016年当初は、サブスクという言葉自体も今ほど一般的ではなかったため、なかなか理解されないこともあった。

「事業者的にサブスクの方が収益が安定しますよね?」とか「事業者側が好きなように送る事ができるので在庫が余らなくて良いですよね?」とか言われることが多かったのだけど、サービス開始当初から「お客様にどのような価値を提供できるのか?」(自分だったらどんなサービスだったら嬉しいのか)ということを考えた結果、サブスクになった。

スナックミーの場合、もともと「マルシェ的な体験(=毎回何か新しい発見があり、それが楽しい)」を提供することができる、というのが理由でサブスクリプションの仕組みを取り入れた。
また、できるだけ添加物を使わずに素材の味を活かす、という考えから保存料なども極力使わずに商品を作っているが、当然、保存料などを使わないと賞味期限が短くなる。
サブスクの仕組みであれば、来月どのくらいのお客様に商品をお届けするべきかがわかるので、必要な量だけ仕入れることができ、賞味期限が短い商品も取り扱うことができる。
これは、サブスクだから在庫がすぐ捌ける、ということではなく、「サブスクの仕組みを使うことで通常では提供出来ないような商品もお届けできるようになる」。事業者側の視点ではなく、お客様側の価値を考えることが起点だ。

村上龍さんの「サブスクの鑑」という言葉はめちゃくちゃ嬉しかった。まだまだ良いサービスにすべくがんばります。

サブスクの価値については、大昔に考えをまとめていたので、興味のある方はこちらもお読みください。

高い壁

壁にぶち当たりそれをなんとか乗り越えてというストーリーとして、素敵な劇画タッチの漫画と共に初期の生産者様探しを取り上げていただいた。実際に多くの苦労があったのだけど(初期はかなり舐められたり、相手にされなかったりもした)、最も辛かったのはいつですか?と聞かれたら、snaq.meのサービスを開始する直前の半年だ。
まだ何のサービスをやるかも決まっておらず、サービスを企画しては潰しまた企画する、というのを繰り返していた。会社のお金も自分の貯金も減っていく中で、なんとかゼロイチでサービス立ち上げて軌道にのせないといけないプレッシャーはものすごかった。

自分自身がコンサル出身ということもあり、いわゆるコンサル的に、マクロ環境を分析し、強みや弱みがなんちゃらで、こうやってやれば競合に勝てる!みたいな分厚い企画書を作るのは得意だったのだけど、まったく上手く行かなった。そんなとき、DeNAの南場さんの「不格好経営」に書いてあった、コンサルのアンラーニングの章を読み直し、マクロ(市場分析)ではなくミクロ(自分ごと)で考えることにした。

きっかけは“おやつを心から楽しめていない“というちょっとした(でもおやつ好きにとっては大きな)課題でした。

創業メンバーは大のおやつ好き。でも、コンビニにおやつを買いに行っても、変わり映えしないラインナップ、裏面に表示されたできれば食べたくない原材料。

素焼きナッツをカリカリ食べながら、もっと美味しく楽しいおやつが手軽に手に入れば、と思う日々でした。3歳の娘におやつをねだられても、気持ちよくあげられないのも悩みでした。

スナックミーコーポレートサイト

そんなこんなでsnaq.meが生まれた。ペルソナを作ってサービスを企画するという考え方もあるけど、ペルソナは想像であり実際には存在しない。実際には存在しない人を対象にして企画するより、自分自身という実際に存在する人間に向けてサービスを作るほうが理にかなっていると思う。本当に1人だけニーズがあるということは絶対にありえなくて、他にも同じような方がいる。でも、ネットで広告を出してみて、最初のお客様が購入してくれたときは飛び上がるほど嬉しかった。

ちなみに、ご取材を受ける中で苦労したのが過去の写真探しだ。特にコンサル時代の写真が皆無で、久しぶりにいろんな方にご連絡をしてみたのだけど結局一枚も発掘出来なかった。(番組中の写真はイメージで、DeNA時代のもの)なぜ見つからないかを考えてみたのだけど、そもそもコンサル時代の記憶がほとんどなかった。。食事を食べる時間もなく、お菓子(せんべい)を食事代わりにしていたのだから仕方ない。でもコンサル時代に習慣となった間食がsnaq.meのきっかけになっているので、コンサルやっててよかったのだと思う。(違

おやつと、世界を面白く

番組では、これまでの事業の変遷についてがメインだったので、今後のスナックミーについても少し触れておこうと思う。

昨年(2021年)のおやつの日である8月2日に、スナックミーのIDEAL(理念)を作った。

スナックミーのIDEAL

IDEALは「達成する価値のある、とても良いアイデアや基準」で、要は会社として何を達成するのか?ということ。最近良く聞くパーパスに近い概念かもしれない。

これまで、スナックミーはサブスクサービスである「snaq.me」を中心に事業を行ってきたのだけど、IDEALである「おやつと、世界を面白く。」を実現するにはサブスクサービスだけだと不十分だということに、(今更ながら)気がついた。

番組内では数千億の企業を目指すの?と聞かれたのだけど、個人的には規模はそれほど重要だとは考えていなくて、スナックミーならではの「おやつ体験」を、サブスク以外も含めたいろいろな方法でデザインし、それらが積み重なって世界にもインパクトを与えらるようになるのが理想に近い。(結果として事業規模が大きくなっているかもしれない)
なので、今後はサブスクにとらわれずに、新しい「おやつ体験」創りをしていきたい。サブスクを軸に番組に取り上げていただいたのだけど、今後のテーマは「脱サブスク」、いや「サブスクを超えて」になるかもしれない。


ご取材やスタジオでの撮影を終えてみて、実際にカンブリア宮殿の放送を見ながらこれまでのスナックミーを振り返りつつ、感じたことは、ただただ

"もっと良いプロダクト/サービスにしなくては。"

という焦りだった。もともと自己肯定感が高くない方なので、常に物足りなさがあり、今回のご取材に関しても、途中まで「なんでスナックミーなんだろう、これドッキリでは?」と話していたりした。
現状のスナックミーは「おやつと、世界を面白く。」というIDEALの実現に向けては程遠く、まだまだ実現できていないことが多すぎる。番組では比較的うまくいっているところを中心にまとめていただているけれど、実際のところは課題やチャレンジが山積みだ。

今後、よりお客様や取引先の生産者の皆様にも喜んでいただけるプロダクト作りにより集中していかないと、と強く思った。

村上さんの編集後記の言葉「スナックミーは単なるD2Cではない。サービスを作り込まない。徹底的に、改善していく。」というのは、まさにスナックミーを言い表してくださっていて、これからも作り込まずに、徹底的に、改善していきたいと思っている。

最後に宣伝を。今回のカンブリア宮殿の放送を見て、スナックミーのサービスや取り組みに興味を持っていただいた、
転職を(ちょっとでも)考えている方 →採用サイト
全国の生産者様 →パートナー様募集
小売事業者様など →お問い合わせ(mail: info@snaq.me)
是非、ご連絡ください。一緒に「おやつと、世界を面白く」しましょう。ぜひ力を貸してください。

サービスに興味お持ちいただいたけど、まだ利用したことがない方はこちらから是非!


あと、最後の最後に、、
スナックミーはカンブリア宮殿の放送があった9月1日に第8期目に入りました。丸7年間会社を続ける事ができて、お客様にサービスを提供できているのも社内のメンバーのみんなのおかげです。不慣れな取材対応や無茶振りにも快く協力していただきありがとうございました。。本当に助かりました。
今後も一緒に、番組の内容に負けないような、良い会社/サービスにしていきましょう!これからもどうぞよろしくおねがいします!



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見逃した方は、有料ですがテレ東BIZでカンブリア宮殿をいつでも視聴出来ます。




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