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絶食後、たった一口のチャレンジ ~介護と癒し~

新しい施設での内科の往診。

月曜日の午後のため、仕事を優先するつもりでしたが、週末の状況を鑑み、パソコン持参で施設を訪問。

前日、母に「食べたいなら、先生に”食べたい”って言うてね~」とお願いするも、その日の到着時は傾眠状態。

「先生に、”食べたいです”」と伝えるのは無理か・・(泣)と思っていたら、妹が到着。

妹は、顔マッサージやら、まゆげのカットやら。

私は、パソコンの前とを行き来しながら、保湿を担当。

寝たきりとはいえ、ケアをすると、顔は私より”ぴかーっ”としているし、拘縮もゆるまってくるので、体を触ったり動かしたりする効果を感じます。

母にほっぺをくっつけたりすると、「いや!やめてっていうてるやん(怒)」。

母がしゃべる時に、私の耳を口元に近づけると、「くさっ!(怒)」。

看護師さんが「娘さんが来てくれていいですね」には、母「無言」。

ツンデレですが、全部OK◎。なんでもOK◎。(笑)

往診時、母の”不思議”

先生の話では、誤嚥をするたびに体が弱ってしまうので、「おなかがすいた」と本人が言っても、ちょっと口腔内をしめらすだけでも空腹は満たせますよと。

私「そんなんでは、食べた気ににならないですよね(若干(怒))」妹から「怒ってたよね?」と後から言われる始末(笑)。

点滴を継続しつつ、本人が覚醒していて、食べたいという意欲がある時には、経口補水ゼリー一口とか・・食べてもOKという了解を得ました。

私「食べたいですか~?」
母「らーめん」
私「ら、らーめん??」

私(先生に)「”らーめん”と言ってます」
先生「無言」

私「食べたいですか~?」
母、とびっきりの笑顔!

私は「何の笑顔だろう?」と不思議に感じました。

エアーで食事

先生が部屋を出られてからの母の様子は、とても興味深く、近頃腕を上げることも少なくなっているのに、手を数回口元に近づけて、何かを食べている・・・??

私が口腔ケアスポンジを口の中に入れると、それに強い力で吸い付いている・・。(いつもはそんなことしないのに)

私「それは食べられへんよ~。はなして~」
母「食べたい」
妹「ほら、食べたいんやん!」

後からそうかもしれないと分かったのは、母は、傾眠状態でも、先生から「食べてもよい」とお墨付きをもらったと感じ、とびきりの笑顔だったのだと。

一口のチャレンジ

看護師さんにヘルプを要請し、前日に続いての経口補水ゼリーひと口。前日は二口の後むせがあったので、私も若干緊張気味・・。

一口の介助後、
母「お茶」
私「お茶のみたいの?」
母、目で合図。

しかし、とろみがついたお茶でも、ゼリーよりはリスクが高いということで、ゼリーひと口でその日は様子を見ることになりました。

その日、気づいたのは、食事をする時の頭の位置。

昨日より、低い位置でチャレンジしたのがよかったのでは?と思ったので、写真をとってもらい、看護師さんたちにご共有いただきました。

ささやかなチャレンジは続きます。

#介護 #介助 #家族 #感情 #コミュニケーション #母 






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