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栄養学シリーズ~閑話:栄養素の代謝編2~

このシリーズは体内でエネルギーが作られるまでを解説していますが、ビタミンはとても重要だと知ってもらいたいので難しいですが最後までお付き合いください。

前回までの復習として、ご飯などの糖質は唾液や消化管で分解されてから吸収されます。つまりデンプンからグルコースという糖まで分解されます。
その後にエネルギーを作るための経路に入っていきます。
1番目の解答系はグルコースを他の経路でも使える形であるピルビン酸に変える経路でした。
ここからはそのピルビン酸がどうやってエネルギーに変わっていくかを見ていきましょう。

TCAサイクル

TCAサイクルは、ピルビン酸をさらに分解してエネルギーを得る過程です。
筋肉は、酸素が十分に供給されると、ピルビン酸をミトコンドリアという細胞内の発電所に送ります。

ちなみにミトコンドリアという細胞は2重の膜に覆われていて内側を内膜、外側を外膜と言います。この内膜は最後のエネルギーを作る経路で登場します。

そこでピルビン酸はアセチルCoAという物質に変わり、TCAサイクルという回路に入ります。
この回路では、アセチルCoAがクエン酸やコハク酸などに変化しながら回っていきます。
その過程でCO2が発生し、ATPが2つ分ずつ作られます。また、NADHやFADH2(以下
この2つ)
という物質も作られます。

このサイクルは1つの大きな円になっているので、ピルビン酸から作られたアセチルCoAが入って来る限り回り続けます。

TCAサイクルには、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、マグネシウム、鉄などが必要です。

この経路で作られたこの2つは最後の電子伝達系へと運ばれます。

電子伝達系

電子伝達系は、前の経路で作られたこの2つからミトコンドリアの内側の膜にある電子伝達系に送ることで、電子を取り出してエネルギーを得る過程です。

この2つから電子が取り出され、4つのステップを経た後に酸素と結合して水になります。
その際に水素イオンが発生し、それが一気に流れ出します。その勢いでタービンのようなものが回ってATPが34つ分ずつ作られます。
このATPは細胞の活動に使われるのです。
電子伝達系には、コエンザイムQ10や鉄などが必要です。

まとめ

これら3つの段階を通して、糖質1つから最大38つのATPが作られます。これらのATPは、私たちの生命活動に必要なエネルギーとなります。

そのためには、ビタミンB群やマグネシウム、鉄、コエンザイムQ10などの栄養素が不可欠です。これらが不足していると、エネルギー産生が低下し、疲労や不調を引き起こす可能性があります。
だからこそバランスの良い食事を心がけていきましょう。

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