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【エッセイ】好きと嫌いと幸せと

 人は生まれたからには生きなければならない。せっかく生きるのだから、充実して生き生きとした生活を送りたい。自分は何に喜びを感じるのか。それをどう生活に生かすのか。

 やりたいことが出来れば良いのだが、それが定まっていないことがある。趣味と仕事を分けて考えることはよくある。仕事と趣味が同じなのが理想ではある。だが、趣味を仕事にすると、楽しめなくなることもある。喜んでいたことを仕事にすると、それが苦痛に変わることがある。そうなると、別の趣味を見つけることになる。こんなことを言っていた人がいた。

 「得意と好きを分けて考える。そして、得意に好きを加えること」

 得意だからやっていたが、別に好きという訳でもなかった。それが心掛け次第で、得意だったことが好きになるようにすることもできると。
 そうなると、好きという感情は何だろうか。
 変化するものだろうか。時間とともに好きになったり、嫌いになったり、そしてまた好きになったり。嫌な面を知ってても、それでも大局的に見ると好きだな、というのが長続きするのかもしれない。それが仕事であれ、趣味であれ。
 目的を持って、それを達成するために行うことがある。そうなると、好きも嫌いも関係ない。そういう目的を持った行動でも、どうせやるなら楽しんでやりたい。嫌がってやると、時間が長く感じる。楽しんで行うと、充実感が得られる。同じ厳しさなら、楽しんで乗り越えたい。かと言って自分に嘘をついてまで楽しもうとすると、かえってストレスになる。
 自分に嘘なく、いかに楽しむか。
 自分の現状を的確に把握することがまず最初にすることだろう。それが出来れば、かなり見通しが立つ。その上でやらなければいけないことをやるのだが、どうせやるなら上機嫌にやりたい。最初はそれがストレスに感じるかもしれない。それでも、いつも上機嫌を心掛けることで、本当にそれが楽しくなるのではないか。もちろん、つらいときもある。つらいからといってその感情のままに流されてしまうと、ますますつらくなる。そんなときでも、できることなら、上機嫌を目指したい。「嘘から出た誠」と言うではないか。また、つらいときは、人のためになることをすれば良いと思う。人間は社会的な動物だから。人から感謝されると、自分も元氣が出る。そして、自分も、人に、自然に、感謝する。それが幸せの入り口だと私は思う。
 最後に、仕事が人のためになるならば、このように言う人の言葉で締めたい。

 「本当に辛いときは音楽も本も効かない。仕事と家庭のそれまでの生活をいつも通りにこなすことが一番効く」

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