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人生が暇つぶしなのだとしたら

敬愛してやまない、大滝詠一さんが生前に言ったことのひとつに「人生は暇つぶし」という言葉があります。
仕事をしてお金を稼いだり、衣食住にともなうあれこれをこなしたりするだけで、人生は意外と忙しいように思っていた私にとって、暇つぶしと思えるほど時間は長くないぞ、とも思ったりしたのですが、仕事や生活も暇つぶしのひとつなのではないかと、この年になって感じるようになってきました。
これまで趣味を仕事にしてきた側面が大きく、また、食にまつわることが仕事でもあるので、生活と趣味が密着しすぎている感じがして、どうも居心地が悪いと思っていました。
これまで、休日の過ごし方としては、昼間からお酒を飲む、みたいなことがとても多かったかもしれません。
取り寄せたものが届いて、それをおつまみにしながら飲むとか、スーパーや近所の八百屋さんに買い物に行って、季節の食材やら、揚げたてのお惣菜を買って、ウキウキしながら帰ってきて飲むとか、常にそんな感じ。
ある時、お酒は飲まずにゆっくりと音楽を聞きながらコーヒーを飲んだら、真人間になったような気がしたので、自家焙煎珈琲のお店のお兄さんにそれを話したら、「ヤンキーが更生したみたいなこと言うのやめてください」と笑われたりとかしました。
年齢的に健康にも気を遣わないといけないしと思いながら、お酒が好きすぎて仕事にしたことを、因果なことだなと思ったりもしていました。

お酒を飲まなくても人生は楽しい

お酒が本当に好きなんですが、昼間から飲んでしまうと、1日がそれで終わってしまうことが不満の種というか、昼に飲んで食って昼寝して、みたいな感じで、時間が無駄になっている気がして仕方がなかったのです。
コロナ禍になって、おうち時間が長くなる中、そう年がら年中お酒を飲んでいるわけにもいかないなと思うわけです。
この間も、取り寄せてあった飲茶のセットを卓上で蒸しながら中国茶を飲み、のんびりと過ごしてみたら、なんだか有意義に思えたりなんかして、ほら、お酒を飲まなくても楽しいじゃない、これ良くない?なんて思ったりしました。
そこで、ふと思い出したのが、昨日書いたガーデニングと、熱帯魚を育てるというものでした。
実はこの趣味、20代の前半にあれこれと育てていた経緯があり、最初の結婚を往なしたのをきっかけに、ほぼ手を付けなくなっていたものでもありました。

私の熱帯魚遍歴

熱帯魚は子どもの頃から飼いたいと思い続けてきて、ひとり暮らしをしていた頃に、オールインワンの小さな水槽を購入して、グッピーなんかを飼い始めたのが最初だったと思います。
最初の結婚をした時に住んでいた部屋では、90センチの水槽をどーんと置いて、グッピーやプラティ、エンゼルフィッシュなんかを飼っていました。
そのうちだんだんとそれでは飽き足らなくなって、ベタをシンプルなガラスの大きな花瓶で飼い始め、それを水槽に移してペアリングに成功して稚魚が育ったりしていましたが、当然たくさんの稚魚を飼いきれるわけもないので、近所の熱帯魚屋さんに引き取ってもらったりしていました。
ニフティサーブの熱帯魚コミュニティで仲良くなった方から、アフリカンシクリッドを分けてもらったりして、プレコと一緒に飼ったり、熱帯魚の本で見てずっと憧れていたチョコレートグラミーが近所の熱帯魚屋さんに入荷したのを見て、45センチの小さな水槽で単独飼育してみたりとか、今思うと簡単なものから難しいものまでいろいろ飼っていたなと思います。
難しいものといっても、ディスカスとかは通ってこなかったのですが、子供の頃水族館で見たような、カラフルで楽しい南国の魚たちの水槽に憧れ、それを実現したかったのかも知れません。
次の結婚をした時には水槽を置くスペースもなかったし、好きな人と暮らせればそんなことはどうでもよかった部分があり、すっかり過去のものになっていたなあと思います。

趣味があるって楽しい

観葉植物を育てたり、熱帯魚を飼ったりという、仕事とは全く関係のないことを始めた時に感じたのは、趣味があるって楽しいし素晴らしいな、ということでした。
これまで、お酒が趣味だと思っていたけれど、お酒は殿堂入りさせることとして、もう趣味はこのふたつでいいじゃん!と思いました。
これまでの趣味が、仕事や生活に密着しすぎていて、シンプルに楽しめなくなっているのがその大きな理由だと思います。
よく「趣味を仕事にするのは苦しい」って言いますが、本当にそうで、その苦しい時間も楽しめて、仕事が一段落した時に「やっぱり楽しいわー!」と思える人だけがそこを乗り越えられるのだと思うし、好きなことと仕事にすることって違いますしね。
そんなわけで、新たに自分の趣味として始めた2つのことが、自分を癒やし、楽しませてくれているものになっています。

趣味を楽しむためのおうち時間

おうち時間と言われると、フリーライターをしている自分にとっては、仕事をしている時間もそれ以外の時間もすべておうち時間の中にいるので、常に工夫をして楽しく過ごせるようにしているのもあり、参考になるものがあるかどうかはよくわかりません。
人によっては仕事場を別に持たないと、気持ちの切り替えが効かない場合もあると思いますが、私は割と平気な方で、家でひとりで仕事をするのも全然問題がないタイプです。
2度の結婚を経て思うのは、結婚していても自分の部屋はちゃんと持っている方がいい、ということかなあと思います。
自分にとってのプライベートスペースが保持されないと、本当の意味で心を開放することが出来なかったりもすると思うのです。
自分の趣味や好きなものだけを揃えて過ごせる、緊張せずにいられる場所を確保することってすごく大事だと思います。
そんなこともあり、私も今住んでいる部屋を模様替えの最中です。
気持ちよく過ごすためのインテリアを整えたり、手頃な価格で揃うAV機器を揃えたりする中に、使いやすくて仕事のしやすいワークスペースを作ったり。
仕事をしていて息が詰まるようなことがあっても、気分転換できる要素が身近にあれば、しんどくなることなく仕事が出来るなと思います。
今飼っているのは小さなキューブ水槽にショーベタを1匹と、45センチの水槽にチョコレートグラミーやラミーノーズテトラなどを。
仕事が終わってから、観葉植物の手入れをしたり、チョコグラの水槽の前に置いてあるスツールに座って、お茶を飲みながら熱帯魚の様子を見るのが楽しみになっています。

どうせ暇をつぶすなら、好きなことを

お酒を飲まなくても人生は楽しいかも知れないけれど、やっぱり美味しいお酒は楽しいし、それが人生を豊かにしてくれるとも思います。
たまたま私の場合は、おうちで楽しめる趣味があるから、その分おうち時間が楽しいというだけなのかも知れないし、私がもっとアクティブでスポーツが好きとかだったら、家にこもっていなければいけないのは辛いと思ったかも知れません。
それでも、家でテレビを見たり、ゲームをしたりするだけではない趣味がなにかひとつあると、気分が変わるかなあと思います。
人生が暇つぶしなのだとしたら、その暇をいかにつぶすか考えないとと思うし、どうせ暇をつぶすなら、自分の好きなことでつぶしたいですよね。
自分の「好き」と向き合う時間として、おうち時間を過ごすのもいいかな、と思います。


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