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マイノリティカードとハラスメントカード切られたらどんな奴も死ぬ

2カ月ほど前に所用があって久しぶりに出社したところ、何やら同僚にハラスメントで訴えられてるんですという悩み相談のようなものを受けてました。曰く、仕事ができない同僚にその人なりに対応していたら、同僚からハラスメントを受けていると訴えられたそうです。その後人事やらからヒアリングがあったとか。一月後に会った時には誓約書のようなものにサインさせられ、さらに2週間後には今日が最終出社日という連絡が。なかなかのスピード感ですがいわゆるコンプライアンスで揉めたらそんなものなのかもしれません。流れをまとめると下記のような感じなのでしょうか。

  1. 普段から同僚と仕事についてバトル(本人視点では無能ちゃん)

  2. (性格が悪い無能ちゃんに)ハラスメントで訴えられる

  3. 人事や上司が介入してくる

  4. (このケースでは)上司や人事は無能ちゃんの味方をする

  5. 退職

こんな感じなんでしょうか。2の段階ではまだ弁明の余地はあるとは思いますが、普通にその会社のキャリアではバツ印がついてしまうので、どのみち異動や退職は避けられなかったのでしょうね。
その後、話を聞く感じでは組合か弁護士を通じて交渉して何かしら金銭的な取引があって退職したようです。ちなみに転職先などは決まってないみたいでしたが。

こういう話は本来は両者(辞めた人と無能ちゃん)の言い分を聞かないとわからないのですが、辞めた人の言い分にも一定の真実があると思っています。最近の流れとして、仕事ができない人に対する接し方がポリコレやらのせいで難しく、本人の能力不足に起因する対人トラブルも上手く周囲にフィードバックしないと刺されますし、ハラスメントなどを通報する仕組みを悪用する人はそれなりにいるように思います。

個人的にはセクハラのようなものはともかく、仕事ができないならばその人の問題だと思いますが、指導のされかたが気に入らない、十分な引継ぎが無かったというようなプロなら自分で何とかしろよって思うものも人によってはアウトっぽいです。厄介なのはその辺の許容度がやる気が無かったり能力が低い人ほど低い。まあ他責思考な人にありがちだと思います。
一昔前ならば、仕事ができない人にはプレッシャーを掛けるのも通常の対応だと思いますが、これも今の時代では割とリスキーかもしれません。

そうなってくると、管理職としてはいかに仕事ができない人を上手く扱うのか、周囲を巻き込んで組織としてコンセンサスを作って合理的に排除するということを自衛のためにも考えないといけません。
こういう話はどうしても弱い者の味方という側面があり、パワーバランスとしては管理職>>部下なのでコンプライアンス問題になった時点で被害者が強いですね。

最も、本当にその人が組織に取って必要であれば、一方的なコンプライアンス通報があったくらいでは何も変わりません。せいぜい上司か人事経由でそれとなく素行や言動に問題があったことをフィードバックされて反省して終わりだと思うので、前述の事例はやはり辞めた人にそれなりの問題があったようには思います。結局のところ自分を守れるのは組織に対する貢献度だけなんじゃないかと。

これは特に転職する人は気を付けないといけないのですが、社員の質が担保されないと、自分がいた会社ではセーフだったフィードバックも普通にハラスメントになります。いわゆるTierが下がってポジションが上がるような転職の落とし穴かもしれません。例えば以前いた会社では周りが優秀で仕事に対する向上心も高い社員が多かった人が、言われた仕事しかしないような人が多い組織に来た時にそのギャップとフィードバックに苦しむケースはそれなりにあると思います。

管理職研修でも教わるのですが、社員の業績を評価するパフォーマンスレヴューでは無能ちゃんの機嫌を取ったり辞められたら困るみたいな感じで甘い評価をつけるのは厳禁です。仕事が自分の基準に達してない人には事実を元に記録に残し、本人にもフィードバックをしたという事実を残しておくことも自分自身を守るという意味で大事です。

まあ、人事権がある側に対して持たざる者が使える武器がコンプライアンスやハラスメントの通報だったりするのですが、運用の大前提は仕事に対してプロ意識があり、モチベーションが高く成果と出そうとする組織での話であり、勘違いした自称弱者に振り回させるのは大変危険だと思います。誤解を恐れずに言えば組織における弱者の存在自体がリスクくらいに思っております。

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