「意味ないことができない病」とは

ここでいう意味とはあくまで「自分にとって」の意味だ。

たとえば一般的には、学校や勉強や会社や労働や恋愛や結婚は「意味あること」の中に含まれることだろう。その「意味あること」とは、人生の主要素＝レール（現代日本においての）と言ってもいいかもしれない。

しかし個人単位でそれらが重要＝「意味あること」であるとは限らない。勉強なんてつまらなかったり、働くことに興味がなかったり、恋愛や結婚をする気が起きなかったりすることもあろう。そういう人らにとってそれらは意味のないことになる。

とはいえ、意味がないからといって全くしないかというと、そういうことでもないだろう。テストで良い点を取るデメリットはないし、仕事をがんばれば稼げるし、結婚をすれば社会的評価にも繋がる（あるいはモテレースから降りられる）。
つまりある程度の報酬があるならワークすることは厭わないわけだ。普通は。

しかし「意味ないことができない病」に罹ると、そういったある程度報酬があることでもしたくなくなり（報酬が魅力的でなくなり）、できなくなってしまう。
これが「意味ないことができない病」の症状だ。

症例

かくいう僕も「意味ないことができない病」の罹患者だと思う。

まず「意味ないもの」を所有することができない（できればしたくない）。
たとえばApple Watchって面白そうだしかっこいいなと思って買ってみたものの、特に使い道がなかったことから売ってしまったことがあった。
そういったことはよくあって、使わないものを持っているとひどく無駄に思えてしまうのだ（それを自覚して以降はそもそもあまり物を買わなくなった）。
これには持ち物が減るので所有や管理の手間が少なくなるメリットはあるが、反面興味を持ったものでも使い道がないと買えないので、新しい発見ができなくなりがちというデメリットもある。

また労働（＝ここでいう労働は生活費を稼ぐもの、いわゆるライスワークの意味。特に他人の資産に寄与する労働）にもあまり意味を感じない。
なぜなら労働とは基本的にはお金を稼ぐものだが、自分の趣味嗜好上そもそもそんなにお金がいらないからだ。
基本的には本を読んで書ければいいから、それにお金は大してかからない。
またバイクがあれば移動も趣味も足りる。小型のバイクなんて長期間使えば安いものだ。
衣食住もむしろ過剰が苦手だから最低限でいい。
このように、お金があっても使うものがないから、労働（ライスワーク）に勤しむ意味も価値も見出せないわけだ（自分のための労働＝ライフワークなら別だが）。
これは低コストのため生活が楽になるという面もあるが、働く必要がないためにニート気質を誘発する要因にもなりうるのが厄介なところだ。

対策

このように、「意味ないことができない病」に罹ると、主に自分にとっては無駄なことができなくなるので、精神的にも物理的にも幅が狭くなってしまうおそれが出てくる。
ではそれを避けるにはどうすればいいのか。方法としては2つ考えられる。

①少しだけ"遊び"を許容する
メインの活動はこれまで通り意味のないことをしないようにしていいが、サブとして「自分には意味のないように感じることでも、メリットがあったり、気になること」を意識して行うようにしてみる。

たとえば無駄遣いができないタチなら、少額だけチャレンジ枠として使ってみるなど。
長時間の労働はする気が起きないなら、暇な時に短時間だけ稼働してみたり（今は副業サービスが多々あるので可能なはずだ）。

そうすればいろいろチャレンジすることができ、試行回数が増えれば成功＝良かったと思えることが増えるだろう。仮に結果的に無駄に終わったとしても失うお金や時間は少なくて済む。

②きっぱり諦める

どうしても意味のないことができない、しているとストレスが溜まるというのなら仕方がない。完全に諦めるしかない。

その代わり、できること、したいことに大いに励めばいい。どうせ他のことができないのなら、それだけ時間は余るはずだ。その時間を有効活用すればいい。
たとえば趣味ならできるなら、それをマネタイズするなどして。そうすれば収入も社会的評価も得られて、それだけで暮らせる（あるいはできる限り他のことをせずに済む）ようになる可能性も出てくる。

もちろん自分の好きなこと、めんどくさくないことに需要があり、稼げるようになれるかはわかったものでない。というかそう都合良くはいかないことだろう。
しかしどのみちそうするしかないのだから、厳しい成功率は甘受するしかない。

　　＊

僕も①や②を試行錯誤しつつ、この「意味ないことができない病」と付き合っている。
この対策は「めんどくさいことはやらない。めんどくさくないことは大いに励む」というメンドイズムのモットーに基づいていると言えるかもしれない。

✅めんどくさがりの生き方＝メンドイズムについては、下のKindle本でまとめているので、興味がありましたらご覧下さい。Kindle Unlimited対象です。↓