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中学生の作文作成にも・・・

先日、授業の合間の時間に生徒が話しているのを聞いて驚いたことが・・・。学校の課題にchatGPTを使って、作文を終わらせようとする中学生。時代が変化したことを感じた瞬間でした。

https://www.ac-illust.com/ より

chatGPT、いろいろなところで活躍するAIツールですが、以前から懸念されていた作文や論文作成への応用が現実として行われていました。AIは学生生活も変えてしまうのかと驚きを隠せない状況です。


chatGPTを使っての作文作成をどう思うか!

chatGPTが開発された段階で、論文やレポートに応用されないかという懸念が広がっていました。chatGPTでの文書の転用はしないように大学などでは規制を入れていました。

しかし、chatGPTが世間で広まる中で、文章生成AIは中学生の作文に使われるようになっています。有名な本であれば読書感想文も作成可能であることも調べて、わかったことです。

chatGPTをどう見るか!

学校課題にchatGPTを使用。私としては使えるツールは使ってもいいのではないかと考えています。ただ、chatGPTの情報を鵜呑みにしていくことがよくないです。

chatGPTも使うバージョンでは回答精度などが変化しますが、概ね欲しい回答を得られていると思います。しかし、「欲しい回答=正確な情報」というわけではありません。

機械学習で少しずつ、正確な情報が出せようになってきたとしても情報の真偽を確かめるかがポイントです。得られた回答の正確さを調べることは大事なことで、得られた回答の内容を高めるとよりよい作品ができます。

https://www.ac-illust.com/ より

chatGPTを使って、作文を書くことが一概に悪いこととは思いません。しかし、情報の真偽なしに文章にするのは間違いです。作文は調べた内容をまとめることを目的とした課題。使い方を正せばchatGPTはいいツールです。

chatGPTをどう使うかが、重要?

中学生たちは便利ツールとしてchatGPTを使っていましたが、作文のタイトルを打ち込むだけの使い方をしていました。当然、chatGPTは指示が適当だとちゃんとした回答が得られません

結果、作文というよりは言葉の意味を調べただけの文章になっていました。作文として成り立たせるためには使う側に、ある程度の知識と指示を正確に伝える技術が必要とされます。

▲chatGPT3.5で作成 税金に関する作文

また、言葉の意味を連ねた文章を課題だから書けばいいの感覚で終わらせるのはいかがなものかと。使い方を知り上手に使い真偽を確かめることをするのであればchatGPTはいいものです。

先ほども言った通り、私はchatGPTを応用することはいいと思っています。ただ、確認することや生成された文章の真偽を確かめることが重要です。これから生成AIは進化していきます。

当然、これらを駆使して生きていくのは子どもたちです。使い方に慣れることや上手く使う方法を知っていくことは「生きる力」になります。作文課題に使うことに賛否はあると思いますが、chatGPTを使うことは勉強です。

生成AIとの付き合い方や上手く使いこなす方法を知っていくことはこれからの社会で必要になるかと思います。そして、それを見せれるように、指導する側も知っていく必要があるのだろうと感じたところです。

作文は読解力を上げる学習でもある?

作文はアウトプットする力を育成するのに重要な学習です。作文を自分で組み上げていくことはコミュニケーションを図る際に必要になってくる力でもあります。

作文を通じて、国語の総合的な力を高めることができるのです。語彙力、構成力、読解力・・・国語で身につけるべき力を高めることができるのは作文での学習だと思います。

作文課題をいかに取り組ませるか!

学校や教育委員会で夏休みや冬休みの課題は大きく違うと思いますが、私の住んでいる地域は作文や読書感想文は俳句などと併せての選択制となっています。では、学校の授業で作文制作が行われているのか。

小学4年生の自分の子どもや多くの生徒を見ている限り、行われていないことは明白です。ただ、学校や教育委員会によってはそうした学習を多く行っているところもあるかもしれません。

ただ、私が住んでいる地域では行われていないのが現状です。課題だから、◯◯に関する作文を原稿用紙5枚以上書きなさいという課題は横暴のような気がします。

実際、chatGPTで作文を作っていた生徒たちは「保険」について理解していないにも関わらず、作文を書かないといけない。部活動は忙しい、子どもなりの付き合いもあり、塾もある。この中で1から調べるのは厳しいことです。

調べて書くことを否定するわけではありませんが、課題を出す側がどこまでフォローをするかが重要かと思います。何もなしに書きなさいは厳しいかと思います。作文を書く意義をもっと考えた課題を出すべきかと感じます。

私が講師として活動している地域は県立の中高一貫校入試が人気の地域です。入試では作文を書く問題も出題されます。実際に入試対策で作文を書かせますが、如何せん書けない生徒がほとんどです。

試験時間から考えても作文1つを15分以内に書き上げる力は必要ですが、200字の作文を書くのに1時間以上かかる生徒もいます。課題内容が難しいのかというとそうではありません。

学校生活で大事にしていることや感謝を伝える文など、よくあるテーマを使っています。しかし、200字が書ききれない。一概に生徒が言うのは興味がないということ。作文は興味?と思うところも・・・

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手が動かない生徒を見ていると語彙力が弱かったり、言葉の使い方を知らなかったりと思うことはあってもアウトプットできない。実際、作文の書き方を説明してもそれを使いこなす国語力がないのです。

つまり、作文を書く力があると言うことは国語力を高めることができる可能性があります。実際、作文と読解には相互関係があると思います。文章構造がわかっているから作文が書け、作文がわかっているから読み方が見える。

どちらも国語の力を必要とし、高める勉強になります。宿題を何のために出すのか、成績のためなのか、それとも子どもたちの学力をつけるためなのか、それらを考える必要はあるかと思います。

せっかく作文を書く機会を作るのであれば、作文を書くための基本を指導した上で、表現する能力を高めるための指導は必要です。作文を通して、読解力がつくのであれば一生のスキルとして活用することもできます。

作文はSNS時代を生きる上で必要?

SNSは今では大事な情報源です。インフルエンサーと呼ばれる人が流行を作り、SNSを使いこなすことでお金が動くという世界になってきました。かと言う私はSNSには疎い人間です。

最近Instagramを入れてみましたが、見るのは大好きな猫写真。どう発信をするのかがわかっていないのが現状です。そのInstagramを入れた理由は新しく出来上がったThreadsを使用するため。

TwitterやThreads、FacebookとSNSはたくさんありますが、文章の書き方1つで炎上したり、みんなからたくさんの「いいね」がもらえたりと文章術が重要になるのがSNSです。

SNSを批判する気もありませんが、短い文章の中に挙げられた内容を読解する力は重要です。また、文章を通して話し合いや仕事を進めることもあります。ライターの仕事は指示も言葉だけです。

送られてきたマニュアルに従って、記事を執筆していきます。先日もマニュアルで身損ねた部分があり、ミスをしてしまいました。ここでも読解の力が必要だなと感じた瞬間でした。

SNSならなおのこと。挙げる文章を精査して、みんなに伝わりやすい文章を作成することは重要です。そして、受け取る側も読解する力を持って、言いたいことを正確に受け取らないとバトルが始まってしまいます。

争いがなくなるわけではないですが、防ぐのも使い方だといえます。読解する力はこの社会を生き抜くために必要な力なのです。このSNS時代を生きるには書く力と読む力、どちらにも応用する読解力が必要になります。

読解力向上はchatGPTを使いこなす力である?

生成AIは急速に拡大しています。AIの活用はこれらの社会を生きていくには必須のスキルになると思います。chatGPTでの文書作成は仕事のサポートを行うと同時に時間短縮を促し、生産の効率化が図られています。

chatGPTに限らず、生成AIを活用する力はこれから重要なスキルになるのは必須です。使い方についてはいろいろな研究がなされていますが、指示の出し方で、生成される精度は大きく違います。

指示の出し方や細かな条件など、ある程度制作するのに必要な情報をAIに提供しないと書いてくれないのは事実です。また、作成された文章を読解して再構成することも必要になります。

生成AIを使うにも読解は必須なのです。読解力は裏を返せば表現力につながります。国語で鍛えた表現力があれば、生成AIから欲しいと思える文章や画像を生み出すことができるのです。

https://www.ac-illust.com/ より

生成AIは指示力が重要!

chatGPTもですが、生成AIで望んでいるものを生成させるには言葉による説明する力が必要になります。先の作文の文章もそうですが、書いてある内容が中学生には難しく、完全に税金の仕組みの説明となっていました。

ちゃんとした指示を与えて文章を作らせると自分が欲しいと思う文章を生成してくれます。以下は「税金」について所得税に関する作文をchatGPTに生成してもらいました。

▲chatGPT3.5で作成 指示した内容

税金に関する作文を1200文字という指示よりもより細かい指示を出してみました。中学生が書く作文なので、中学生レベルに落とし込む指示も添えて・・・作成された文章が以下の通りです。

▲chatGPT3.5で作成 1200文字の冒頭部分

指示を細かくすることで書かれる内容の濃さが変化していきます。作文として問題点を考えられた文章になりました。指示を伝える能力はある程度の読解力や語彙力を必要する力です。

chatGPTでは作成した文章の要約を伝えることになりますが、画像生成AIはそうはいきません。作りたい画像を文章で説明しないとならないのです。つまり、生成AIを使用するのであれば言葉で指示する力は必要なのです。

生成された文章を読解する重要性とは?

生成された文章が正しいかは難しいところです。実際に調べる必要はあり、文章表現も直していく必要があります。機械が作成を行った分、人間的な感情を表現するのは難しいです。

例えば、先の文章をよく見ると「経済的に恵まれない人々にとっては、税金の負担が大きくなる」という文面が見えます。所得税には負担が増えないように収入で変化する累進課税制度がありますからここは問題ではないはず。

また、社会不安が広がるならば今の日本は税金で既に暴動が起きているはずです。少し事実と逸れているような気もすれば、無理やりつなげた感もあります。

つまり、少し読むとおかしな点やこのままの表現でいいのかというところが出てきます。私自身もchatGPTを使いこなせているわけではありませんが、質問する力だけではなく、生成された文章をよく見ることが必要です。

簡単に作成ができるからと鵜呑みにするのは良くありません。出来上がった文章を読み返し、表現を変えていくことが大事なのです。当然、chatGPTを使っていた生徒にも良く見返すことは言いました。

そして、生徒も表現を変える工夫や作文として落とし込むときに少し調べると言って、そのまま使用しないように注意していました。すぐに文章は出来上がりますが、それを確認するのは人間しかできないことです。

読解力を持って、AIの文章を確認していくことができるかが大事になります。内容をしっかりと確認するためにも知識を養うと同時に読解するスキルを身につけていく必要があるでしょう。

終わりに

chatGPT使いこなすにもスキルは必要になります。中でも読解スキルは必須なのではないかと・・・国語能力を鍛えることはこれからの社会を生き抜く力になります。

SNSやchatGPTなどの生成AIとパソコンやスマホを使うものは多いですが、基本的な力は意外と学習の中にあるのかもしれません。読解力をどのように養っていくかは今後重要な課題になると思います。

読解スキルを身につけるために何をするか。私自身も読解が弱い人間でした。読解力を高めることで、仕事や人間関係を円滑にすることができます。将来を担う子どもたちに文章を読解する力が高まることを切に願います。

お知らせ

Mr. WAKKYの文系救出窓口
2023年は読解力を合言葉に活動を行っています。
新しく中学3年生や中学受験をする小学6年生向けに短期の読解力講座を行う予定です。出来上がりましたら、以下のSNSで配信予定。
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