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教育実習記(1)

 高校教員としての経験も10年を超え、これまで様々な経験をしてきたことについて、教育関係者はもとより、これから教員を目指す方、教育に関心のある学生や一般の方、その他いろんな方に発信していきたいと思います。

 更新時期は不定期になるかと思いますが、まずは、番外編(創世記?)として、大学4年生時の「教育実習」について、当時の記録を振り返りながら書いていきたいと思います。

 基本的には、当時のSNS(懐かしのmixi)において、内輪向けに書いていたものを再構成したもので、現段階でのコメントは【 】内に書きました。

 また、写真に特に意味はありません。今後も同様です。


設定

 年代:15年ぐらい前
 教育実習先:某県立高校(母校)
 実習教科:公民科(現代社会。担当:M先生)
 配属HR:1年A組(担任:K先生(英語)。副担任:M先生)
 授業担当:1年A組・B組・C組の現代社会

 大学3年時の教育実習の事前申し込みの時に、『経済学部だから、政経や現社なんかの科目がいい』という希望は出していたものの、「毎年、公民科は実習希望者が多くて、現代社会に配属される確率は低い」と言われていました。教育実習生を受け入れるには、当然、担当教科の教員が必要となるわけで、1人の教員が見れる教育実習生は通常1人なので、公民科を担当している教員よりも公民科実習希望者のほうが多ければ、例えば地歴の担当をするようなことも十分にあり得ます。

 他教科の担当は嫌だなあ、と不安を抱いていたものの、蓋を開けてみれば、現代社会担当になっていました。

 実習担当範囲は、憲法分野の財産権、職業選択の自由、新しい人権あたりでした。

 なお、本文中に出てくる生徒の名前は、記事作成の便宜上、私が中高時代に読んでいた「バトル・ロワイヤル」から拝借したものであって、実際の生徒の氏名やキャラなどには関連がなく、他意はありません。


第1日目

 始業前に、担当HRである1年A組に行ってみると、数名の生徒が「総合学習」のための壁新聞を作成していた。俺が『おはよう』と声をかけると、すがすがしく挨拶してくれたのが黒長君。『僕がこのクラスを担当します』と言うと、「ああ、そうなんですか、よろしくお願いします」と返してくれた。かなり爽やかな印象だった。

 職員室での挨拶の後、A組での自己紹介があった。
 俺は事前に自己紹介書を作成してあったので、それを配布してから話し始めたところ、みんなは俺の話を聞かずにそれを読み出してしまった。プリントを配るタイミングは考えた方が良いと思った。

 教育実習生向けのガイダンスが終わったあとは、教育実習生控室で指導案でも作ろうかと思ったが、保健体育の教育実習生(浪人しているので年は1つ上)らがやたら騒がしいので、作る気にもなれず、授業見学に行くことにした。

 1年A組の情報の授業を見学しに行くと、Wordの実習をしていた。最近の生徒達はITスキルが高いというイメージがあったが、実際にはそういう生徒は少なく、むしろパソコンを扱い慣れていない生徒の方が多かった。

 その次は、A組担任K先生(英語)による、A組の授業を見学した。
 授業は中間テストの返却から始まった。生徒は、高校に入って最初のテストという事もあって、中学校との違いに驚いているようだった。俺が高校生だった頃は、テストの結果が悪くても、せいぜい落胆する程度で、今後に向けて頑張ろうとする意欲が欠けていたようにも思うが、俺の周りにいた高校生を見る限りは、今回のテストでの失敗を次回で挽回しようとする姿勢だったので驚いた。
 K先生の英語の授業は、できる限り日本語を使わない方針(いわゆる「オールイングリッシュ」)だった。俺の横で一緒に授業を見学していた英語科の実習生の紹介をする際にも、英語で紹介していたが、俺の前に座っていた瀬戸君は振り返って、「あれって何て言ったの?」と聞いてきたので、あんまり生徒達には伝わってないのかも知れない。
【 英語ができる生徒にはオールイングリッシュ授業は効果的かも知れませんいが、英語ができない生徒にとっては、説明や解説も含めて全部英語というのは「無意味」な時間になってしまう面があると思います。】

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