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アドレナリンジャンキー

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 Pixivに公開してきた小説以外の文章を、
 noteに移して行きます。

(文字数:約1800文字)


 わりとくり返し話題に出している事ではあるんだが、
 改めて私の前半生に起きていた事を整理しておきたいと思う。

 生まれながらにして極度の貧血だったのだが、
 一般的に貧血と聞いてイメージされるような、
 めまいだの立ちくらみだのはほとんど起きなかった。

 より正確に言えば鉄分の備蓄量が極めて少なかったために、
 正常な大きさの赤血球が作れずにいた。

 例えて言うなら、
 「一週間分のお米を買うお金しか家には残ってないよ(涙)」
 といった状態。

 そうした状態に気付かず実に30年以上を過ごしていたわけだ。

 赤血球の数に関しては問題が無かったので、
 日常生活は支障無く送れていたのだが、
 外に出て身体を動かすとなると、
 幼稚園の時点で同じクラスの子と明らかな能力差があった。

 当時の体育などというものは、
 まぁ根拠も示さず「やれば出来る」の一辺倒。

 出来ないのは努力不足と片付けられ、
 同級生にはなめられるわ、
 体育教師には嫌われるわ、
 親からも「失敗作」と嘆かれる始末。

 自分ではほとんどを諦めていたのだが、
 恥であり劣等感であり、
 そうしたものを通り越しての罪悪感になる。

 貧血に気付いていないとなると、
 責めるべきは自分しかいないのだから。
 明らかに人より出来ないのだから。
 人並みになろうとする努力すら諦めるクズなのだから。

 実は人並みに動けない確たる理由があり、
 血が薄い分心臓が常に猛プッシュしていた。
 そこに更に運動を加えようものなら即座にオーバーヒート。

 しかし血圧や心機能に異常は現れない。
 ここは強調しておきたい。
 心臓が猛プッシュしてようやく正常値だったわけだよ!

 心臓を猛プッシュさせるためにはもちろん、
 アドレナリンにドーパミンが必要になる。
 やる気はあって攻撃性は高まっているのだが、
 身体は動かない。

 となるとマニアックな勉強にハマりこむしかねぇだろう。
 ああ同級生からは笑われるし母からは一層嘆かれるが、
 心臓が猛プッシュしていないと私は日常生活すら送れないんだ!

 人より攻撃性が高い状態にあるものだから、
 ちょっとした軽口も「敵がいる」と受け止める。
 他人に危害は加えたくはないものだから
 (というより危害を加え切れるほど身体は動かないものだから)、
 人知れず自分の頭を殴り首を締め、
 手首をガジガジかじり出したりする。

 と、
 ここまでを説明した上で、
 実はここからが本題だ。

 幸いにして貧血に気付き、
 一年間投薬による造血治療を行い、
 身体も動くようになり、
 有難い事に関連は分からないが、
 生理痛も物凄く楽になった。

 いやピーク日はしんどいけどそれでも昔に比べたら!
 痛み止めもいらないとは何というパラダイスに至った事か!

 それでも生理が来る直前日、
 ふと手首を噛んでいる自分に気付いた。

 「やめたまえ君ぃ」

 途端に私の脳内から、
 山田ルイ53世@髭男爵のごとき金満家が現れ、
 「はっはっは。はーっはっはっは」
 と私の肩を叩くわけだ。

 「もう君は前と比べて豊かになったのだ(血が)。
  どぉんなに体調が優れない日でも、
  うん。身体は以前の平均以上に動けている。
  良いかな。平均以上にだよぉ?

  君はかつての生活における苦境から、
  そう。自分でも気付かないうちに、
  アドレナリンのジャンキーになっていたんだよ。
  う~ん。恐ろしい事にねぇ」

 やたらとクセのある金満家なのは、
 私の脳内における金満家イメージが貧困なためだろう。

 「つまりアドレナリンはもう、いらない。
  出そうとしなくて良い。
  生理直前。頭がにぶい。動く気がしない。
  うんうんうんうん。

  それで良いんだよぉ。動かなくて良いんだよぉ。
  だって直前だからさ。はっはっは。
  直前からの数日以外は、
  貧血を治す前の平均以上に、
  働けちゃっているからさ。はっはっは。

  この際今飲もうとしていたカフェイン、やめちゃおう。
  栄養ドリンクとかも、やめちゃおう。
  あれ切れた途端に飲む前の倍以上疲れるんだよねぇ。
  貧血を治す前は常に疲れていたから助かってたけどねぇ」

 もしかしたら私以外にもこうした情報、
 有益な人もおるかも分からんと思って公開する。


以上
ここまでを読んで下さり有難うございます。

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!