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艶かしい醤油

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 Pixivで公開してきた小説以外の文章を、
 noteに移して行きます。

 「湯浅」で検索した見出し写真に、
 ついでに雛人形も見てた事を思い出した。

(文字数:約1300文字)


 (色んな所で色んな方が書かれていると思いますし、
  出来ますれば現地に赴かれ体感して頂きたいので、
  施設名等正確な情報はざっくりいきます。)

 和歌山県湯浅(ゆあさ)町は、
 醤油発祥の地であると聞いた。

 いや醤油そのものは、
 魚醤も含めれば世界各国で、
 縄文時代辺りから存在すると思うが、

 どういった次第だろうと、

 国道24号線を、
 湯浅交差点から西に向かうとたどり着く、
 江戸時代の街並みが保存された地区を訪れ、
 知った事を以降ざっくり。

 平安後期のお坊さん、
 宋の国に留学してたけど帰って来て、
 ごはんのおかずになるお味噌(金山寺みそ)の作り方を、
 由良港辺りの人達に伝える。
 
 ↓

 みそ作ってるうちに、
 樽の底に残ってる液体も、
 すっごく美味いぞって気付かれる。

 ↓

 室町辺りから売り始めたら、
 天下を取った後の秀吉に誉められる。

 ↓

 徳川幕府時代も和歌山県は、
 紀州徳川家があったから保護されて繁栄する。

 その後も資料館で、
 製造工程とか昔の道具とか見てたら、
 そりゃ圧倒されちゃって醤油欲しくなっちゃって、

 今でも蔵で仕込んでいると言う、
 「角長」さんの醤油二種類に、
 お隣の味噌屋さんで金山寺みそも買うてしまうという、
 見事な乗せられ観光客っぷりを、
 発揮したわけだけども。

 そこに至ったのも地区内でお昼に食べた、
 醤油ぶっかけうどんと釜揚げしらす。
 うどんも旨かったけどどっちかって言うとしらす。

 普段から食レポには興味が無く、

 と言うより実際には食えもしない視聴者相手に、
 旨さが言葉だけで伝わるはずがない、

 思わず飛び出す「うまい!」以上の、
 コメントなどそうそう存在しないだろう、
 とわりと懐疑的に見ている、
 我ながらいけすかない奴なのだが、

 まずはしらすそのものを何もかけずに食って、
 その時点で充分に美味しいのだが、
 醤油を一滴垂らして改めて口にした時の、

 うわっ、

 って驚きとただ者ではない感じを表現するには、
 ただ「うまい!」ひと言では足りないぞ。

 どう言えば良いんだ、
 と脳内にある語彙を高速検索して、

 うん。「艶かしい」が最適だ。

 と頷いたわけだ。

 通常無機物に使用する形容詞ではないが、
 実のところ酵母菌が活躍している、
 ほぼ生き物と認識しても良いだろう。
 そこはかとなくいかがわしい。

 元は生き物とは言え、
 既に「食べ物」に変わってしまったしらす一匹一匹に、
 さすがに命が戻りまではしないけれども、
 我が身の栄養源となるであろう感じがすごくする。
 元が小麦のうどんよりも、
 生命力の落差を感じやすかったようだな。

 余談だけども「角長」さんの醤油は
 「品質の良い岡山県産の大豆のみを使用」って、
 それは岡山県も称賛しなくては。

 岡山すげえ岡山すげえ!
 品質の良い大豆ありがとう!

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!