編集の仕事をしていて一番嬉しい瞬間は?

~少女漫画誌の編集長がフォロワーさんの質問に答えていく。①~

こんにちは。はじめましての方ははじめまして。少女漫画雑誌「デザート」の編集長をやっている鈴木と申します。初めてのエントリーで書いたとおり、僕のnoteではまずフォロワーさんたちからの質問にお答えしていきたいと思います。

(※先にお断りしておきますが、今後お答えしていくことは、すべて僕なりの個人的な一意見であり、会社や編集部の公式見解ではありません。)


最初にお答えする質問は、沢山いただいた質問の中でも特に数が多かったこちらから。

「お仕事してて一番嬉しいことってなんですか? この仕事してて良かったーと思うことなど」


この質問には、漫画編集者としてお答えしますね。


編集者の仕事をしていて嬉しいこと。 

それはまず読者の皆さんから何かをもらえた時です。作品を世に出す仕事ですから、作品についての反応が何かしらあると嬉しいのです。

特に「面白かった」や「ありがとう」などの言葉をもらえた時は編集者もとても嬉しいです。

今の時代でも直筆のお手紙をくださる方はまだ沢山いるのですが、作品についての感想や感謝などのお手紙をいただける時もとっても嬉しいです

そして、今回noteをやるきっかけになったことですが、色々と質問をしていただけるのもすごく嬉しいです。編集者に、僕に、興味を持っていただけているということですから。本当にありがとうございます。

編集者の仕事では、それ以外にも嬉しいと思うことはいっぱいありますが、中でも「一番」となると何か。いくつかに分けてお答えしてみたいと思います。


漫画編集者をやっていて「一番」嬉しい瞬間




まず「一番」嬉しい瞬間。 

編集者が喜びを感じる瞬間という話になると、よく「一番最初に原稿を読めること」というのが挙がります。

僕もその喜びはいつも感じています。漫画家さんが魂込めて描いた貴重な原稿を真っ先に拝めるのはとても幸せです。いつも原稿を見るたびに「おお!」とか「わああ」とか声が出てしまいます。

だけどあえて言えば。

僕はその原稿が素晴らしいものになるまでに、少しでも役に立ちたいんです。

自分の提案やアドバイス通りに、つまり編集者の言う通りに描いてほしいということではありません。

そんなのはどうでもいいですし、実際に今担当しているろびこさんもあなしんさんも、作品が出来上がるまでの過程で提案や相談はいっぱいしてますが、完成した時に自分の案がそのまま使われていたことはほとんどありません(笑)。

でも、何かのきっかけやヒントを渡せたり、意識やアイディアの幅を広げることができたり、刺激を与えることができたり、知らない世界を知ってもらうことがあったり。

そういうことの繰り返しで漫画家さんとの信頼関係や共通認識が高まっていくと、

漫画家さんが「これこそが自分が描くべきことだ」と確信を持つ瞬間が訪れることがあるのです。

その瞬間が訪れると、漫画家さんの描くものが劇的に変わるんです。

色々と打ち合わせや取材してきたことから飛躍して、予想もしていなかった凄いもの、素敵なものが漫画家さんから生み出される時。

才能の輝きをもっとも感じるその瞬間を味わえる時が、この仕事をしていて「一番」嬉しいし、やりがいを感じる時です。あの瞬間は何度味わってもたまりません。だから未だに担当を手放すことが出来ないのです(笑)。


本が売れた時も嬉しいけど…。

嬉しい時というと、本が「売れた」時が一番嬉しいということもよく挙がります。

「重版決定」「続々重版」そして「大ヒット」へ。

「売れた」ということは、沢山の人が作品に魅力を感じてくれたということですから嬉しいですし、編集者としての評価はほとんど「ヒット作を作ったかどうか」でつけられますから、多くの編集者と同じく僕も「重版」がかかるごとに喜びを感じるし、ヒットしたら超嬉しいです。

だけど、作品を仕上げていくことが漫画家さんとほぼ二人だけで出来るのに対して、「売れて」いくには沢山の人の力が必要になります。

漫画家さんや編集者だけの力で沢山売ることは決してできません。

多くの関係部署のスタッフ、デザイナーさん、関係各社の方や書店員さんたちの努力があって、そしてファンの方たちが広めてくれてこそ、沢山売れていくものだと思っています。

「売れる」ということは、編集者の喜びというよりは作品に関わるすべての人の喜びだと思っています。

それに漫画の場合は「売れる」ことで「連載が続けられる」というケースも多いですから、嬉しいというよりは、ありがたいという感覚でいます。


編集者は作品にもっとも密接に関わる作者以外の人間として、日々できるだけ多くの仲間、そしてファンになってくれる方を増やし続けて、その人たちからの意見や感想を集めて作品に活かして、また世に出したら意見や感想を聞いて、ということの繰り返しを絶えず続けていくことが重要だと思っています。その「継続」自体もとても楽しいことではありますけどね。

作品を漫画家さんと作る楽しさ、喜びを純粋に味わい続けるため、最大限味わうために、これからも頑張りたいと思っています。


以上、まずは「仕事をしていて「一番」嬉しい瞬間」について書いてみました。感想やご意見などありましたら教えていただけるとすごく嬉しいです。

次回は「「一番」嬉しかった体験」について書いてみます。


※「デザート」のことをご存知ない皆さまへ。
実写映画になった『となりの怪物くん』や、今アニメが放送中の『3D彼女 リアルガール』が連載されていた雑誌、というと少しは「ああ、その雑誌か」と思ってくださる方もいるでしょうか? 20歳前後の女の子を対象にした、月刊の少女漫画雑誌です。

よかったら、「デザート」の公式ホームページを見てみてください。
「デザート」のホームページでは全作品1話めを丸ごと無料で読めます!
http://go-dessert.jp/



わーい!ありがとうございます(*^o^*)
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少女漫画誌の編集長がフォロワーさんの質問に答えていく。

「編集者の仕事をしていて一番嬉しかったことは?」「編集者になるのに必要なことは?」など、フォロワーさんたちからいただいた質問に、少女漫画誌「デザート」の編集長をやっている僕がお答えしていくシリーズです。
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