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コメントウザ男に菩薩リプライ

コメントウザ男に対する菩薩リプライに、私は毎日目を見張っている。

一から説明します。もうだいぶ下火になってきたなという感のあるFacebook。それでも、今でも毎日毎日飽きもせず頻繁に投稿する友人というのはいるもので、そのごく一部の友人の日常に、意図せずやたらと詳しくなってしまうという感じ。

友人A子は「ここの店のパンケーキ、ふわっふわ!」「この映画、泣けた~!」「ディズニーランド、超楽しい~!」などという感想を、工夫なく頻繁アップするクチだ。私はA子自身に好感を持っているので、「今朝もどうでもいいA子情報を得た」とは思うものの、自分には決して出来ない素直な投稿を微笑ましくチェックしている。

そのうち、A子の投稿に、必ずやコメントを書く見知らぬ男がいることに気づいた。何がすごいって、ここまで投稿主にとってウザいコメントって書けるもんかしら?と感心するほどのウザコメントの才能をお持ちなのだ。

例えば、料理自慢のA子の投稿。
「天ぷら揚げたー!サツマイモが思いがけずホックホクー!」
この投稿に対する正解コメントはきっとこうだ。「家で天ぷら揚げるなんて、すごいねー!サツマイモ、ホックホクになるんだねー、美味しそうー!」
頭弱めのやりとりだが、Facebookなんてそんなもんだ、それでいいんだ。それなのに、ウザ男はこうコメントする。
「天ぷらは外で食べるに限ります。家で揚げると油も飛び散りますし、なにせ火傷の危険がありますからね。ちなみに、天ぷらでは舞茸が一番!」
うるせーな……私なら無視するか、せいぜいコメントにいいねをつけて放置だが、普段から「菩薩」と呼ばれているA子はこう返す。
「そうですよね、揚げ物はお店で食べる方がいいなあと思いつつ、つい家でやっちゃいました。舞茸の天ぷら、私も大好きです!」

またある日の投稿。
「会社帰りに、お一人様ラーメン!」
だから、どしたい!であるが、正解はきっとこうだ。
「お一人様ラーメンなんて、男前!美味しそうー」
だが、ウザ男のコメントはこう。
「ラーメンは元々大勢で食べに行くものではないから、一人でもいいんですよ。しかし残念。その店に行くなら、すぐ近くのあの店の方が美味しいですよ」
菩薩リプライはこう。
「そうですよね、ラーメンはお一人様でもオッケーですよねぇ。えー、近くにそんなお薦めのお店があったんですね。今度はそこに行ってみます!」

「新しく買ったスキーブーツ。ゲレンデに行くまでに慣らしたいから、履いたままクッキング!」
正解コメントはこれ。
「スキーブーツ履いたままクッキングなんて、A子ったら可笑しいー!破天荒!でも、転ばないでネ」
さあ、ウザ男、早くコメントしろ。あ、キタ!
「私の父は、買ったばかりのスキーブーツを履いて一晩寝て、起きた後、転んで捻挫しました。更に、そのすぐ後にスキーに行って骨折しましたから大笑いです。A子さんは、父に比べれば普通ですよ」
うるせーな。でも菩薩リプライはこう。
「わー、お父様、激しいですねぇ。私なんてまだまだですね!」

AIが発達したら、A子に代わって菩薩リプライを発信させるよう、IBMにお願いしたい。それこそ「人間に成り代わり、人間の負担を軽くする」AIの役割でありましょう。

ちなみに今、私は人間ドックの真っ最中。聴力検査が終わり、眼圧・眼底検査の順番を待っている。ウザ男と菩薩に集中しているのに、いちいち「405番!」て呼ばないで!気が散る……。

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