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ペイント大全マスターズ:エッジング伝説

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よくぞ来た。エッジングとは、グラデーションをかけたミニチュアの「仕上げハイライト」として、ミニチュアの凸部や面のヘリ(エッジ)をなぞるように、極端に明るいカラーを載せるハイライトの方法だ。多くの場合レイヤリングの仕上げハイライトで使われるけど、ドライブラシをした仕上げに、フチ部分だけをエッジングで仕上げるやり方もある。

いずれにせよエッジングは、ミニチュアのディティールを強調したり、硬質感を出すためになされるテクだ。ここでは、エッジングのおこりと変遷を見た上で、具体的なやり方を紹介しよう。

なお、今回紹介するエッジングは、「ベーシック」ではなく「マスターズ」として書いた。今回は、ブロッキング、ベルトレイヤリング(またはフェザリング)、グレイジング、ライニングなど、様々なテクニックを複合的に使う。また、筆のコントロールにある程度慣れていることも必要だから、マスターズにふさわしいと感じたからだ。

とはいえ、君が初心の友であっても、気後れせず、ぜひチャレンジしてみてほしい。使うテクニックはどれも丁寧に説明しているし、他エントリーで解説済みのテクにはそれぞれリンクも貼ってある。戦国武将の名言「備えあればうれしいな」を胸に刻み、ペイント大全各エントリーの記述を君の案内役にしてくれ。手を動かすことが、ペイント上達の一番の近道。歩き方は、ペイント大全で伝えることができる。だが、実際に歩いて初めて、君のホビージャーニーは進むのだ。一緒に歩いていこうぜ。

前回の「マスターズ:骨(装飾品)」もそうだったけど、「マスターズ」は確かに発展的な内容だ。前回は特定の題材、今回は特定の仕上がりを求めたテクニック。どちらも、練習や研究が必要なところである。でもそれは、難しいとか、ベテラン向きと言う意味じゃない。そもそも、チャレンジしなければ、いつまでたっても達成なんてできないんだ。だからドンドン挑戦してくれ。

それじゃあ、始めようか!


エッジングの登場と変遷:
「クリーン&クリスプ」と「ウェア&ティア」の話

実践にいく前に、ちょっとエッジングについて理解を深めよう。

エッジングが初めてペイントシーンを席巻したのは、80年代の終わり頃。その開祖が、87年にゲームズワークショップに入社し、ペインター集団「ヘヴィメタルチーム」リーダーになったマイク・マクベィである。マイクがホワイトドワーフで発表したミニチュア作例に、趣味人はビビった。ジョン・ブランシェ、シド、コリン・ディクソンらの手で、レイヤリングは少しずつ認知され始めていたが、そこに目の覚めるような明るいハイライトをかけるスタイルが、エクストリーム・ハイライトエッジングとして紹介されたのだ。

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