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RIVER the joni letters

本日の“こずや”のBGMは、ハービー・ハンコックさんの2007年の名盤『リバー』です。

ジョニ・ミッチェルさんを称えた作品です。

ジョニ・ミッチェルさん本人を含めて、レナード・コーエンさんやティナ・ターナーさんなどのゲストシンガーもみんな素晴らしいのですが、このアルバムはバンドメンバーが凄いです。

何と言ってもマイルス・デイヴィスさんの1969年のエレクトリック作品『イン・ア・サイレント・ウェイ』に参加していたハービー・ハンコックさん(Piano)、ウェイン・ショーターさん(Sax)、デイヴ・ホランドさん(Ba)がアコースティックで濃密な演奏を聴かせています。

そこに当時、若手有望株として名前が知れ渡り始めていたリオーネル・ルエケさんのギターが溶け込みます。

2005年にハービー・ハンコックさんのヘッドハンターズに加入したところから今に至るまで、世界屈指のギタリストとして君臨しています。

そして、ドラマーが亡きトニー・ウィリアムスさんの代わりにジャック・ディジャネットさんではなく、当時50代になったばかりの脂の乗り切っているヴィニー・カリウタさんというのが重要です。

フランク・ザッパさんやスティングさん、ジェフ・ベックさんのバックでプレイして有名な人物です。

特にマイルス・デイヴィスさんの1967年のアコースティック期最後の作品『ネフェルティティ』のタイトルトラックにもなったウェイン・ショーターさん作曲の「ネフェルティティ」の緊張感がヒリヒリピリピリして熱いです。

非の打ち所がない名演で惚れ惚れします。

変拍子や奇数連符、ポリリズムなどの難解なドラミングを難なくこなしてしまうヴィニー・カリウタさんです。

22歳の時、フランク・ザッパさんが持ってきた超難解な楽譜を寿司をつまみ喰いしながら難なく叩いてチェックしたという逸話があります。

その結果、テリー・ボジオさんの後釜としてフランク・ザッパさんのバンドに加入しました。

寿司をつまみ喰いしながらサラッと叩いちゃった超難解な楽譜こそ、数多くのドラマーを挫折させた「ブラックページ」だったという…今や伝説です。

あのテリー・ボジオさんもあんなに皺くちゃな顔して叩いていた超迷曲です。

そして、ヴィニー・カリウタさんが参加した最初のザッパ作品が、あの名盤『ジョーのガレージ』ですから。

ヴィニーさんの凄いのはこの技術力だけではありません。

とてつもなくメロディックなドラムを叩くことも特徴です。

とても歌心のあるドラムで…その中でさり気なく、とんでもない高度なプレイをぶち込んできます。

それを証明しているのがスティングさんの『テン・サマナーズ・テイルズ』と『マーキュリー・フォーリング』です。

難解なドラムというと、“凄いけどよくわからない”なんていうことがありますが、ヴィニーさんの演奏は“凄くてかっこいい”…わけです。

リズムがタイトすぎて少し硬く聴こえることもありますが、それが個性…魅力になっています。

立体感のある音の塊になって殴り掛かってくる感じがたまりません。

そんなヴィニー・カリウタさんの実力が幅広く最大限に発揮されたのが『RIVER the joni letters』です。

あぁ~ステキ ♪

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