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イコライザー


アントワン・フークア監督、デンゼル・ワシントンさん主演の映画シリーズです。

弱い人を助けて、間違った強さで弱い人を虐める人を徹底的にやっつける元CIAのロバート・マッコールさんの物語の最終章が公開されています。

なめてかかった相手が実は滅茶苦茶強かった…というタイプの映画は、これまでにもたくさんありましたが、マッコールさんは本当に強い…そして知的です。

普段とお仕置き中の落差が凄いです。

1作目ではホームセンターの従業員、2作目ではタクシー運転手をやりながら、その陰でお仕置きの仕事をしていました。

これまではアメリカのボストンが舞台でしたが、3作目ではイタリアのアマルフィ海岸の小さな街が舞台になっており過去の2作品とは少し雰囲気が違います。

2023年の名作『The EQUALIZER 3』です。

ストーリーとしては…、

ある時訪れていたシチリアで事件に遭遇して負傷したことをきっかけに、肉体的にも精神的にも限界を感じて“イコライザー”引退を考えるマッコール(デンゼル・ワシントン)さんは、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町に辿り着きました。

よそ者にも身内のように看病したり、親しみを持ってロベルトと呼んで接してくれる街の人たちと出会いました。

マッコールさんはこの街を安住の地として、“イコライザー”の仕事をする為に欠かせない腕時計を外しました。

そこで穏やかに余生を暮らそうとしていたのですが、この街にも魔の手が…。

街の人たちが次々と凄惨な事件に遭うのを見て、マッコールさんは再び仕事を再開することになります。

自分を救ってくれた大切な人々、そして街を今度は自分が救う番です。

善良な人々を救うのが“イコライザー”の流儀であり、マッコールさんによる情け容赦ないサイコパスな復讐の始まりです。

しかし、それが引き金になって、事態はイタリア全土を巻き込む爆破テロ事件へと拡大してしまいます。

一度外した腕時計を再び身に着けますが、今回は怒りが頂点に達してしまったマッコールさんなので、必要な時間は19秒ではなく僅か9秒です。

これが最後の仕事…ということです。

…とここまで書きましたが、今はコロナとインフルが蔓延している状況なので、仕事柄、映画館で観るのは諦めてパンフレットの購入だけにすることにしました(泣)。

DVDが出たら買います。

『イコライザー』と言えば、マッコールさんによる悩める若者に対する道徳の講演タイムがあります。

1作目では、マッコールさんはホームセンターで働くしがない中年男性に見せかけた引退したCIA捜査官でした。

しかし、行き付けの喫茶店で出会った娼婦テリー(クロエ・グレース・モレッツ)さんがロシアン・マフィアによって不当に残酷な目に遭っていると知ったマッコールさんは正義の制裁を加えることを決意しました。

圧倒的な強さでロシアン・マフィアを捻り潰して最後はアジトに乗り込み殲滅させます。

テリーに歌手になる夢を追う未来を確保しました。

“君はなりたいものになれる。
自分の目の前の世界を変えろ。”

そして、ラストシーンではマッコールさんが苦しむ若者たちを救う為の活動に乗り出す姿が描かれました。

2作目では、マッコールさんはプライベート・タクシーの運転手になりながら、見聞きした世の不正に制裁を加えていきます。

誘拐された少女を追ってイスタンブールまで行った際には、誘拐犯の組織に優しさを見せます。

“痛みには2種類ある。
身体の痛みと改心の痛みだ。
今どちらかを選べ。”

選択肢を与えてくれました。

結局、選択は自由なので、その敵は身体の痛みを選びましたが…。

そうしているうちに、恩のあるCIAの先輩であり親友のスーザン(メリッサ・レオさん)さんが何者かに殺害されてしまいます。

犯人はCIAを裏切って民間の殺し屋の仕事を請け負っていた4人の元同胞たちであることを知ります。

律義にも殺す前に事前に4人に挨拶に行ってお話をします。

“君らが何になろうが私は興味ない。
この世の中にはクズは大勢いる。
本来は代償を払うはずだが世界は完璧じゃない。
運が良ければ過ちを正す機会もある。
だが大抵の奴は罰を受けずに逃れる。
だが今回は違う…逃げられない。
私の友人を殺したんだ。
だからお前たち全員を殺す。
一度しか殺せないのが残念だ。”

親友を殺されて怒りが爆発してしまいましたが、至って冷静に笑顔で語りかけていました。

目は笑っていませんでしたが…。

普段は凄く優しい善良な人なのですが、相手を葬り去る前は何か殺しを楽しむかのように…相手を弄ぶように結構酷いことをユーモア交えて語りかけます。

その結果、嵐の中の戦いで家具を的確に使って敵を圧倒してしまうマッコールさんでした。

この作品でもマッコールさんは、夢を諦めてギャングになりかけていた芸術的才能を持つ若者マイルズ(アシュトン・サンダースさん)君の人生を正します。

“やるはずとやるは全く違う。
誰でもできるが誰もやらないから皆は怒る。
誰でもできることをやらないからだ。
誰かがやるべきなんだ。”

“生い立ちや環境を言い訳にするな。
誰にでもチャンスはあるんだ。
そのチャンスを生きてる間に使え。”

そして、3作目ではCIAの新人捜査官で正義を執行する立場からイタリアに渦巻く陰謀に立ち向かうことになるエマ・コリンズ(ダコタ・ファニングさん)さんがその立場に当たります。

熟練の余裕に包まれた先輩として見守るマッコールさんと、正義を貫く強い信念を持ち優秀な頭脳も兼ね備えた新人のコリンズさんの関係性は師弟関係のようなものです。

実はコリンズさんは前作で殺された親友のスーザンさんの娘さんです。

マッコールさんが、たまたま目に入った悪党の集団を19秒で始末するといった1つのキッカケで、新たな“イコライザー”としての生き方を見つけたのが1作目でした。

その“イコライザー”な生き方を続ける中で、リスクや更に苦難を知ることになる2作目があり、然るべき結末にマッコールさんが落ち着く為に3作目が『The EQUALIZER 3(イコライザー THE FINAL)』が作られました。

“人生で1番大事な日は2日ある。
それは生まれた日と、なぜ生まれたかを理解した日。”

2014年の第1作目『イコライザー』は、この言葉から始まりました。

“完璧よりも前進を”

マッコールさんの名言です。

昼は穏やかで誰が見ても善良な人ですが、夜は19秒(新作では9秒)で悪を成敗する情け容赦ない必殺仕事人です。

主演の名優デンゼル・ワシントンさんにとって初のシリーズものであり、3作目まで作ってくれました。

作品選びに慎重と言われるアカデミー賞2度の受賞歴を誇る社会派の名優が本格的な“秒殺アクション”をする姿を拝めるのも今回の『THE FINAL』が最後かもしれません。

“イコライザー”は、“均衡を保つ人、装置、システムなど”の意味があります。

他にも“銃器や刃物などの致命的な武器”という意味もあるようです。

この映画シリーズでは、この世の中の不正を抹消し続けるロバート・マッコールさん= “イコライザー”ということです。

暴力的なシーンも多いアクション映画『イコライザー』シリーズですが、こういった生きる上で大事な名言が散りばめられているところも魅力的な、何度でも観返したくなる名作シリーズです…あぁ~ステキ♪

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