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映画

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2022年3月の記事一覧

映画『ザ・バットマン』未公開シーン&続編情報について

※本作は『ザ・バットマン』の内容に触れています。未見の方はご注意ください。3月11日から公開されている映画『ザ・バットマン』。大人気のアメコミキャラクター、バットマンを『クローバーフィールド HAKAISHA』(2008)、『猿の惑星:聖戦記』(2017)を手掛けたマット・リーブス監督が新たに映像化した作品である。 興行収入は現時点で6億ドルを突破し、パンデミック期間中に公開された作品の中では第4位に位置付けるという大ヒットを記録している。日本でも動員50万人を超え、興行収

桜のような僕の恋人

本日映画備忘録です。 観た映画の紹介 制作:2022年 日本 上映時間:129分 2022年3月24日から全世界配信。 この映画を選んだ理由 未読の宇山佳佑による恋愛小説を映画化したことと、松本穂香さんの病気が気になりました。 キャスト・スタッフ キャスト: 中島健人 (朝倉晴人) 松本穂香 (有明美咲) 永山絢斗、桜井ユキ、要潤、眞島秀和、及川光博ほか 監督:深川栄洋 脚本:吉田智子 原作:宇山佳佑 あらすじ 感想 早老病という遺伝子系の難病を患った女性を

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『DC展 スーパーヒーローの誕生』の思い出

いま映画館で鑑賞できるアカデミー"作品賞"ノミネート作!

3月25日(金)より『ナイトメア・アリー』、『ベルファスト』も公開されていよいよアカデミー賞関連作品が出揃って鑑賞できるようになりました。 特にアカデミー賞のメインである「作品賞」ノミネート作品がかなり出揃いましたので、これを書いているのがアカデミー賞直前(3月26日(日))ですが、いま映画館で鑑賞できるアカデミー賞関連作品を今回は紹介してみたいと思います。 ノミネートされてる時点で、かなりの良作なので受賞しなかったとしても映画館で鑑賞されることをおすすめします! 『ベ

現代のアメリカ社会を描く映画監督、ケイリー・ライカートを知っているか?

ケリー・ライカートという映画監督を知っているだろうか? 彼女は現在、映画界で最も注目されてる監督の1人といえるだろう。 日本ではまだ公開されてないが、2020年に製作された『First Cow』はA24 が製作・配給をしているだけでなく、ベルリン国際映画祭で金熊賞にノミネートされるという快挙を遂げている。 ケリー・ライカートは一体どんな人物か? 彼女はアメリカ・フロリダ州マイアミ出身、今年58歳になる映画監督だ。ファイナルカット権(最終的な編集権)を保持するため大手スタジ

映画「レイニーディ・イン・ニューヨーク」

本日は映画鑑賞備忘録です。 観た映画の紹介 原題:A Rainy Day in New York 制作:2019年 アメリカ 上映時間:92分2020年7月3日劇場公開 この映画を選んだ理由 巨匠ウッディ・アレン監督がメガホンをとったロマンティックコメディを公開時は観ることができなかったので。 キャスト・スタッフ キャスト ギャツビー:ティモシー・シャラメアシュレー:エル・ファニングチャン:セレーナ・ゴメステッド・ダヴィドフ:ジェード・ロウ 他 監督・脚本ウッディ

映画「恋する寄生虫」

本日は映画鑑賞備忘録です。 観た映画の紹介 潔癖症に苦しむ孤独な青年と、視線恐怖症の不登校女子高生のはかない恋愛を描いた三秋縋の同名小説が原案の映画 制作:2021年 日本 上映時間:99分 この映画を選んだ理由 潔癖症と視線恐怖症という、難しい設定にどんな映像が描かれるのか興味がありました。 キャスト・スタッフ キャスト 高坂賢吾:林遣都 佐薙ひじり:小松菜奈 その他に井浦新、石橋凌らが共演 監督:柿本ケンサク 脚本:山室有紀子 あらすじ 感想 原作を

デンマーク映画「その瞳に映るのは」

連日ロシアのウクライナ軍事侵攻のニュースを目にするので、Netflixで気になっていた映画を観ました。 観た映画の紹介 1945年3月21日コペンハーゲンのシェルハウスにあるゲシュタポ本部を英国空軍が襲撃というカルタゴ作戦によって18名のレジスタンスが脱出したものの、爆撃機が誤って学校を空爆、近所の寄宿学校の生徒86名を含む125名の民間人が犠牲となった実話に基づく長編映画。 原題:Skyggen i mit oje 制作:2021年 デンマーク 上映時間:99分 Ne

映画『愛なのに』&『猫は逃げた』、城定秀夫監督×今泉力哉監督のコラボ2作がおもしろい。

これはおもしろい企画でした。 人気監督2人がそれぞれ監督・脚本でタッグを組んで一つは監督を、もう一作品では脚本を担当するという組み方で、2作品を制作するというものです。 企画としてもおもしろいし、作品としてもおもしろかったので今回この2作品を紹介してみたいと思います! 城定秀夫監督、今泉力哉監督とは?城定秀夫監督は、Vシネマやピンク映画を多く手がけてきた監督です。 なので濡れ場などセクシーな演出には定評のある方です。 『性の劇薬』、『恋の豚』などとにかく作品を量産していて

【1人のヴィジランテがヒーローに変わる時】映画『THE BATMAN』感想

2022年3月11日から公開している『THE BATMAN ザ・バットマン』。DCシリーズの人気キャラクターのバットマンを新たに映画化した作品だ。 製作発表の時から楽しみにしていた本作。今回の記事では、筆者の感想と世間一般の評価、本作の参考になっている映画作品との影響を述べています。 ティム・バートン監督やクリストファー・ノーラン監督などの名監督によって、これまでに何度も映像化されてきたバットマン。 今回、マット・リーヴス監督が描いたのは「DC=Detective Com

韓国映画「狩りの時間」

チェ・ウシクさんが出演者の中に入っていて観た映画の備忘録です。 観た映画の紹介 原題:Time to Hunt 制作:2020年 韓国 上映時間:135分 Netflixで2020年4月10日から配信。 この映画を選んだ理由 近未来の荒廃した韓国を舞台に、賭博場を襲撃した若者たちが恐ろしい殺し屋に追われる姿をスリリングに描いた、Netflixオリジナルのクライムスリラー映画との予告で、チェ・ウシクさんだけでなく、出演者皆が今若い俳優で人気も実力もある方なので気になりま

映画「マティアス&マキシム」近すぎて見えなくなるほどの、愛と優しさの物語

これは、同性同士の恋や、何か特別な恋愛物語を描いたものではない。 男や女なども全く関係なく、どこにでもある普遍的な人間の愛の物語だ。 思わぬきっかけで、思わぬ人を好きになる。 そういう経験がわたしにもある。 そして、この作品を観て、グザヴィエ・ドランという監督はきっとすごく優しい人なのだと思った。 ごく個人的な思い入れからこの映画を大切にしたいと感じ、ここに感想を書くことにした。 彼の映画から垣間見える監督としての唯一無二の作家性や、俳優としての繊細さ、人間の感情

東京の休日 #109 〜ミラノとロンドンで「愛」を探る2つのおすすめ映画〜

あす迎えるホワイトデー。 バレンタインデーに続き 愛にあふれる日となることを願います。 さて、近頃鑑賞した映画が そのような日にぴったりでしたので 2つご紹介させていただきます。 『ハウス・オブ・グッチ (House of Gucci)』(2021)と 『ゴヤの名画と優しい泥棒 (The Duke)』(2020)。 どちらも「愛」について 考えさせられる作品でした。 まずは、イタリア・ミラノが舞台の 『ハウス・オブ・グッチ』。 夫婦の愛、家族愛、自己愛が 狂お

【ネタバレ考察】アカデミー賞最多ノミネート作品『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

日本時間で3月28日(月)に発表されるアカデミー賞。 本年度のアカデミー賞で最多ノミネートとなっているのが、ジェーン・カンピオン監督による『パワー・オブ・ザ・ドッグ』です。 ネットフリックスオリジナル作品として配信され一部映画館でも限定公開されていました。 ボクは、自宅のネットフリックスで鑑賞してたんですが正直あまりピンときていなくて、なんかモヤモヤしていたので映画館で再鑑賞したんですが、とんでもない傑作でした笑 初見では分からなかったことを調べたりもしたのですが、作品