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「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本を読んだ!!!

昔から「来た見た勝った」と言う。
でも、最近俺外出して無いからどっか行ってないし、映画とか見てねぇし、俺の人生勝ってねえなぁと、ふと思った。
カエサルだのカイザーだのシーザーだのと呼ばれてるこの偉人が残した言葉の高評価は、語感の良さから来るものとどっかで読んだ。
毛信者(少なくとも14億人以上居るのが確定)も毛アンチも認めざるを得ない「政権は銃口から生まれる」と言う、どうせ生まれたなら1回は使ってみたい毛沢東のこの金言も中国語で聞くとまた違って聞こえるのだろうか。

(画像は多分、毛アンチのプリコネのペコリーヌ)

「哲学書は原語版で読め」と衒学をやってるのか哲学をやってるのか分からん嫌な連中(偏見)がしきりにああいうのはそういう事だったのかと思わず膝を打った。
まあ実際は打っていないが、ようやっと気付いた。

(脚気のハンマーって武器にすると渋いよね)

んで、哲学や歴史どころか高校の授業を一切受けてない僕は辛くなってマウント取られない優しい世界に、Amazonに逃げ込んだ。

読み切れない量の本を買って少し読んでまた買う。
この本が薬だったら抜け出すのが大変難しい賽の河原に来ているのは分かってるのだが辞められない。
しかし、この艱難辛苦で興味を惹く本となると余程のものでは無いか。

『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』


著者は山下泰平という草莽の研究者だ。
(草莽ってかっこいいしこの人の本面白かったからリスペクトで使う。用法は知らんし他の人が使ってるかも知らん)

貴方へのオススメでこれを見てギャンブル依存症患者がいくら嫌でも賭場へ来てしまうように値段を一瞥もせず買ってしまった。
(来て見ず買った)

タイトル長いのはなんか好きじゃあない。
こういうのは総じてなろう系とかに多くて、それこそ狂犬病の人が水を怖がるようになんか僕の脳が受け付けない。
世の中がそれに触発されたのか、僕が狂ったのか出版界には長いタイトルが遼来々と跳梁跋扈している。
まあでも案外この辺のクソ長タイトルはキューブリックの『Dr.strange Love』とかからなんかな。知らんけど。


んで、以下は読んでみての感想である。
その長いタイトルの偏見をぶっ壊す程面白い。
なぜ僕は今までこれを読まなかったのだろうかと悔しくなってくる。
明治娯楽物語というジャンルを紹介した本で兎に角(漱石)カオスである。

なんか俺が紹介するとこの本の徳が下がる気がする。

まあ、東海道中膝栗毛の2人が月世界旅行よろしく砲弾に乗って「宗教世界」という所に行ったり、体内を旅したりと色々とぶっ飛んだ作品を紹介した本である。
(これ実は偽書で、この人が考えたにしてもそれはそれで面白い)

(画像は多分、偽書で有名な台湾誌)

奇抜な内容をネタにしながらもこのジャンルに対するリスペクトを忘れず語り、「文化は認めなくては消えてしまう」
「普通の作品の蓄積が文化を向上させる」
といった考えを多量過ぎる歴史の実例を以て証明している。

真田信繁(幸村と書かない奴ムカつく。講談だからいいじゃん別に幸村でも)
その、真田幸村の子真田大助が江戸幕府と論争をする「西国轡物語」と言うのはなかなか面白そうだった。

海底軍艦の押川春浪出てきたのが意外。
海底軍艦と言えば本多円谷コンビの名作映画で、敗戦のパラダイムシフトが認められない熱い武人神宮司大佐、『ゴジラfinal wars』にも登場する轟天号とマンダが活躍する。
そうか、文化って繋がってるんだなぁと自分の知ってる作品を出されると実感する。

(攻めてくるムー帝国に対して、これにドリルが付いたのが無双する)

純文学は授業で覚えさせられるが、研究者でも無いとちゃんと読まんやろ。
今のメインストリームに影響与えてるのはこっちやし、明治娯楽物語を教えた方がいい。(暴論)

他にも桂市兵衛という強烈なキャラが出てきたりと紹介したいのは山ほどあるのだが、書くにはもう少し飲み込むのが必要で、収拾が付かなそうなのでこの辺にする。
(それこそ明治娯楽物語のようになりそう)
なんにせよ明治を見る目が変わった。
俺の曾祖父ちゃんとか歴史で習った人も小さい頃は読んでたのかなぁってなった。

これをリブート(換骨奪胎)すれば面白い話が書けそうかと言われると、微妙。
でも本はかなり面白い。
貧困層なので、2000円台の本は普段買わないけど買ってよかった。
うん。

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