6:Dragon Eye
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「ここは……どこ……?」
少女は思考する。
暗闇の中で。
「私……死んじゃったのかな……?」と思考を巡らせていると徐々に体の感覚が戻ってきた。
視界は未だに黒一色だが、体は確かにそこに存在して自分の意志で動いている。
手を自分の顔まで上げてそこに自分の頭や顔があることを確認しようとする。
頬に自分の手が触れる。
「大丈夫!生きてる‼」
次に足の感覚……。地面に体が触れていることがしっかしと感じ取れた。
少女は自分が地面に倒れ込んでいることを理解した。
「…………!」
少女は暗闇が少しずつ、少しずつ薄くなっていることに気が付いた。
「茶色……?土……煙……?」
少女の視界を覆っていた黒色のカーテンはどうやら土煙だったようだ、少しずつ本来の土の色に薄まっていった。
その瞬間生暖かい風が少女の体を撫でるように吹いた‼
視界が一気に晴れた‼
「ドラゴン!」
目の前にドラゴンがいた!
少女の体が緊張で岩のように固まる……。
ドラゴンはただ、少女を見ていた。
ただただ真っ直ぐに……
少女を見ていた。
「なんてきれいな……目なの……」
少女は見蕩れていた。
この世のモノとは思えない美しいその目に、その瞳に……
少女の意識が呑み込まれていく……
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読んでいただいてありがとうございます。面白い作品を作ってお返ししていきたいと考えています。それまで応援していただけると嬉しいです。