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非研究者でありながら、研究機関で働くということ【自己紹介】

はじめまして、みねこです。

私はいま、日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所の広報担当者として仕事しております。もともと、総合職や一般職でも、研究職でもない《研究マネジメント職》という職種で雇われています。

普段の職場では研マネ、研マネと呼ばれています。
私たちに与えられた役割とは何なのだろうか。私たちも日々模索しています。もはや、この「研究マネジメント職」はどんな仕事をするべきなのかを考えることが仕事だ、と言っても過言ではないかもしれない。

事務職員でもなければ研究者でもない。だけど普段の仕事では、時に事務職員でもありながら研究者でもあることを期待されている(気がする)。
前者の仕事をつつがなくこなしながら、後者としての問題関心を持続させながら、さらに研究所にとって新しいことを提案するように求められている(気がする)。

研究所に在籍する私たち《研マネ》は、皆それぞれに、興味関心も、バックグラウンドも、強みも全く異なります。

だけど私たちが対話をすれば、漠然と、でも確かに、問題意識や、普段の悩みや、目指している方向性は、なんとなく共通・共有しているようにも思います。

「研究所・研究者をもっと知ってもらいたい」だったり、「その研究テーマや、生み出された研究成果をもっと発展させたい」だったり。

《研マネ》にしかできない仕事、を私たちはしたいのです。

珍しがられるのですが、幸運にも私は大学院の修士課程を出て、新卒でこのポストに採用して頂きました。今年で社会人5年目です。

大学時代、手当り次第に色々なものに手を出しましたが、その中で最後まで手元に残ったのが、地域研究を深めたいという気持ちでした。大学を変えて修士課程に進学しました(その話はまたいつか)。

その頃から「将来はこのまま研究の道を歩みたい」と口には出していたものの、同時に違和感も感じていました。なぜならば、研究者にならないと研究活動に携われないのか?ということに疑問を抱いていたからです。
今から思い返せば、私の場合、1つの専門分野を持ち、研究者として研究を進めていくというよりかは、いかに研究成果を広く社会に還元するかいかに研究成果をより多くの人に”見せる”かを考えて実践すること、さらに研究成果を生み出す仕組みや環境づくりをやりたいのだ、ということに気づいていたのです。

就活の時にはサイエンスコミュニケーターやURA(University Research Administrator)の採用募集を探したのですが、新卒で応募するようなポストでもなく、しかも条件を見ると任期付きだったりすることも多くありました。そのほか、大学職員とか民間シンクタンクとか、(研究成果を社会に還元するという点で共通点があると思ったので)特許に携わる仕事を探したりもしました。

そうした中で、アジア経済研究所の「研究マネジメント職」という職に出会ったのは本当に奇跡でした。

研究マネージメントとは?
研究業務とマネージメント業務の双方に通じ、研究所に新しい価値を生み出す、これまでにない仕事です。研究所では、政府系機関経験者、民間企業経験者など多様なバックグラウンドを持ち、博士号取得者等、研究者としてのトレーニングも受けた「研究マネージメント職」が、研究プロジェクトの企画・調整、研究所の広報、海外機関との連携などに携わっています。

研究所に新しい価値を生み出す
まだまだ新しい職種のため、分析力、交渉力・調整力、コミュニケーション力に加え、高い目的意識、構想力、行動力、そして独立心やリーダーシップとチームワークとのバランスが求められます。難しい局面と出会うこともありますが、その分やりがいや面白さを感じる場面も多くあります。研究機関をプロデュースするプロフェッショナルとして、研究所内外から活躍が期待されています。

研究マネージメント職 - アジア経済研究所

募集要項を見て飛びつきましたが、現実の厳しさや、自分自身の不甲斐なさを実感する毎日です。
採用されてから今日に至るまで、刺激を受けたり、落ち込んだり、笑ったり、キレたり、泣いたり……だけど、少しは私なりの強みもあるのかなと気を取り直して頑張っています。

非研究者でありながら研究機関で働くこと、気ままに語ります。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


※本記事に書かれていること、このnoteで発信していることは、全て個人の見解に基づくものです。いずれも所属機関の公式見解とは関係ありませんので、どうかご了承ください。

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