「今日でGW終わりだな」

「ごめん俺明日も休み」

「うざ。終われよ。てか今日って何の日か知ってる？」

「5月5日だろ？そしたら郷ひろみの日か」

「なんだよ郷ひろみの日って。聞いたことねえよ。何すんだよ郷ひろみの日」

「そりゃ各ご家庭で二億四千万の瞳を歌うんじゃん？」

「じゃあ一人暮らしの俺たちはどうすんだよ」

「リモート帰省して歌うんだよ。今の時代は」

「あー嫌な時代に生まれちゃった」

「で、今日は何の日なん」

「こどもの日」

「こどもの日って何すんの」

「うーん、記憶を辿ると鯉のぼりを飾った記憶しかないんだよな」

「まさかこどもの日ってやること少ないイベントなの？」

「たしかに、今日こどもの日だから何するみたいなのあんま聞かんな」

「誰しも誰かの子どものはずなのにな」

「そしたらもうこどもの日は来年から大人の日に変えます」

「勝手に決めた。大人の日って18禁の日ですか？」

「そうだなあ、大人の日は全員大人の日」

「赤ちゃんも？」

「そう赤ちゃんも大人」

「そしたら大人の日は何すんの」

「大人になったなと感じた瞬間のエピソードトーク合戦」

「うわっまさかのトークバラエティ祝日。きつい1日」

「俺が大人になったと感じた瞬間は、過去を経験に昇格できたときかな」

「ださ」

「じゃあお前は」

「未来が愛しく感じたときかな」

「クソださ」

「そもそも大人ってなんだよ」

「知らない。近所のおばさんも、飲み屋のおっちゃんも、おばあちゃんもおじいちゃんもみんなこどもみたい」

「俺たちずっとこども」

「変わらないし、変わっていく」

「あれか、変わらないところをこどもって言って、変わったところを大人って言うのか」

「それだな。でもいいように変わらないことと、いいように変わることだな」

「難しいな」

「まあお前のままでいんじゃん？」

「お前が言うならそれでいいか」