お菓子の国の魔法使い

「それっ! おりゃっ! とぅっ!

……やっぱり駄目だなあ」

「うーす。何やってんの?」

「あ、恥ずかしいところをみられちゃったな。実はね、駄菓子の『にんじん』を米粒に変える魔法を習ったんだけど、僕だけ全然うまくいかなくて」

「ほおー、それで学校の裏庭なんかで自主練してたわけだ。マジ真面目だなお前は」

「いくら真面目でも、結局クラスで一番の落ちこぼれだもんな……」

「そんな落ち込むことね

もっとみる

恐竜の生まれ変わり

「あークソ。超うぜぇ。なんでだよマジ」

「……」

「なんでこんな生き物が天下とってんだよ。チビの上にだせぇ図体しやがってよ」

「……」

「おい田島テメェ、トロそうな見た目しやがって。もしここが白亜紀の草っぱらだったら真っ先に食われてるからな」

「近藤さん、今は21世紀の車内です。そしてあなたはチビの上にだせぇ図体をした生物、人間です」

「そんなん、仮の姿に過ぎん。俺の本当の姿はティラノ

もっとみる

現代版おばけ屋敷

「おっそいなー。文化祭委員の会議がこんなに長引くことってあるのかな」

「ヒュードロドロドロ」

「あ、原田。やっと来た」

「おいー。もっと怖がれよ。お前を怖がらすために20分も廊下で考えたんだぞ」

「それで遅くなってたの!?」

「そうだよ。驚かせ甲斐のない奴だなー」

「いやいや、だって古典的すぎて。ヒュードロドロなんて逆に誰もやらないよ今」

「すっごい現代的じゃん。妖怪チーズフォンデュ

もっとみる

ポンコツ会話劇場27「鳩の調教師」

「だからそいつに指摘したんだ。アンパンマンの肉体についてツッコむのが許されるのは、せいぜい小学生までだって」

「それはそうだな。社会人にもなってそのネタで笑い取ろうとする奴は信用できないもん。あ痛っ」

「ついでに、サザエさんの世界の時間がもし現実とリンクしてたら、タラちゃんは現在この年齢ですみたいな話もやめろと言っておいた」

「あちゃー、それもやってたんだ。いたたたた」

「そういえば、ちび

もっとみる

ポンコツ会話劇場26「水道水ドロボウ」

「会社の昼休みに公園散歩するのって気持ちいいなー。
あれ?ハンカチが落ちてる。あの人のかな。すみませーん」

「……!?ガボバ、ゴボゴガバ」

「あっすみません水飲んでる最中に話しかけて!」

「……ップハァ!はあ、はあ」

「すいませんでした、あの」

「申し訳ありませんでした!!警察だけは勘弁してください!!」

「えっ、何かやらかしたんですか!?」

「だって今、あなたも見ていたじゃないです

もっとみる

ポンコツ会話劇場25「小さい秋か、大きい秋か」

「モニタリングとか観てるとさ、自分がドッキリにひっかかったらどういうリアクションしようかとかイメトレしちゃうんだよね」

「わかる。で、スタジオの反応まで妄想したりしてね」

「それと同じでさ、舌切り雀を読んだ当時は、迷わず小さいつづらを選ぶ妄想するじゃん」

「した。選ばせる側が拍子抜けするくらい早く選んでやろーって」

「でも、これは予想してなかったよ」

「してなかったね」

「小さい秋か大

もっとみる

バーにて⑲

「ねぇねぇねぇねぇ」
「あ?何?」
「モテ力を磨く気のない男子ってさ、女子の話に対して、解決策を突きつけるようなことしか言わないよね」
「あ、まあ、そうだな」
「な、の、に!!」
「あ?」
「女子に自分が愚痴って解決策が返ってくると不満なんだよ!!」
「あ…ああ、あー、そう、だな。そういう奴多いかもな」
「おかしくない!?男子流で返してるのに!女子のアドバイスなんかききませーん、って?一方的じゃな

もっとみる

ポンコツ会話劇場24「電車の怒られキャッチ」

―――北千住、北千住、押しあわず前の方に続いてお降りください……

「ちっ、早く進めやコラ」

「痛っ」

「うっせえな、ちょっとぶつかっただけで声出しやがって」

「あ、待ってください、今ぶつかった人」

「なんだ説教か?俺は急いでるんだ、じゃあな」

「貴方、見たところ相当イライラしてらっしゃいますね?」

「ついてくんな。イライラしてんのはテメエのせいだろうがよ」

「あっそうでしたか。でし

もっとみる

ポンコツ会話劇場23「G-SH●CK泥棒」

「ここの公園は人が少なくていいなー」

「……よっしゃ獲ったり!」

「うわ!なにすんだ!」

「あれ!?クソ、絶対いま手首掴んだと思ったのに!」

「触んな!なんだお前、ひったくりか!?」

「……なんだ、G-SHOCK着けてねーじゃん」

「え?ああ、腕時計は着けないからな」

「じゃあお前に用はない。さよなら」

「おいちょっと待て、怪しすぎる。そのデカい手提げバックの中身を見せろ」

「あ

もっとみる

ポンコツ会話劇場22「伝わらない人」

「最近どうなの?」

「ま、ボチボチかな」

「うわー、そりゃ悲惨」

「なんで!?」

「もうお墓に入っちゃうくらいの失敗をしたってことでしょ?しかも二回」

「いや違う、墓地墓地じゃないから!そんなに悪い意味じゃないよ」

「あ、そっか。二回入ってるってことは一回復活してるってことだから、もう世紀レベルの大成功ってことか。凄いな~」

「そうじゃないんだけど……早合点するなよ」

「ちょっと、

もっとみる