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フィルムで日々を記録する

カメラが欲しい。
それも、フィルムカメラ。

こんなことを考えたのは、2023年のこと。

だから、2024年が始まる前に挙げた「今年やりたいこと」の中に「フィルムで日々を記録する」という文言が現れたのは、自然なことのように思われました。

フィルムカメラで日々を記録したい。
そう思うようになったきっかけを、今日は少しお話しさせてください。
(最後にフィルムで撮った写真も載せますので、最後までお楽しみいただけると嬉しいです)


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2023年のこと。

ゴールデンウイークに、お盆休み。
どこに行くにも、私はカメラ(以前の記事でご紹介したNikon Zfc)と一緒でした。私はどこへ行っても、いわば家族旅行の記録係のように写真を撮っていました。

「ねぇ、これ撮ってよ」
「ここで、私たちを撮ってもらえない?」

頼まれて嫌だとは言えませんし、「ひばりに任せておけば綺麗な写真が残る」と思ってもらえることは嬉しいしありがたいので、私は、家族に求められるままにシャッターを切りました。でも、何か違和感のようなものが、私の中に少しずつたまっていきました。

私の撮りたい写真って、これだっけ?

と、ふと考え込んでしまう瞬間が増えていったのです。”写真を撮る”という、好きなことをしているはずなのにモヤモヤしていることに、私はモヤモヤし始めました。家族から頼み事をされるのが、そんなに嫌なのかとも思いました。旅行の様子が記録された大量の写真を見返して、満たされた気持ちにもなれるのに、おかしいなと首をひねりながら。

ちょうどその頃、写真だけでなく文章でも同じようなことが起きていました。夏頃、仕事で文章を書く機会が多くありました。電車の中でnoteを書き、会社に行っても文章を書き、また帰りの電車の中でnoteを書く……。幸せな状況のはずなのに、私は嫌気が差している自分に気がついて、困惑していました。

書くことが好きなはずなのに、書くことに疲れている自分がいることに、気がついたからです。私は、何とも悲しくなりました。私の”書くこと”への愛や情熱は、こんなものなのか、と。

好きなはずの写真と、文章。
それは私の思い込みだったのかと肩を落としながらも、私は、写真と文章への向き合い方をもう一度考え直そうとしました。すると、私の中に、こんな言葉が降りてきたのです。

写真も文章も、大量生産したくない。
一枚一枚を、一言一言を、大切にしたい。

そんな自分の本音に気がついてから、私は、noteをスマホで書く時間を減らしました。長い通勤時間ゆえ、スマホで書こうと思えば、いくらでも書けてしまいます。でも、そこをセーブしようと思ったのです。

私はすぐに、小さめのノートを買い、限られた時間の中で、ゆっくり、じっくり、丁寧に書くようにしました。(こうして書いたのは、「【映画】『君たちはどう生きるか』」「世界に変化を起こすのではなく、自分に変化を起こすこと」「季節のような人生を生きて」などです。もちろん、今回の記事も。)

この執筆スタイルは、再び、書く時間を幸せな時間に戻してくれました。

まだPCもスマホもなくて、ただ、ノートに小説やエッセイを書きつけていた、小学生の頃のような純粋な気持ちで、記事が書ける。誰に頼まれたわけでもなく、好きだから書いている。そんな、原点に戻れる書き方だったのです。

写真も同様に、頼まれたからではなく、ただ好きで撮る。そんな時間を持ちたいなと思って目をつけたのがフィルムカメラでした。

私は学生時代に初めてフィルムカメラを使ってから、また撮りたい、また撮りたい、と思いながらも、必ずしも綺麗に残るとは限らない(ピントがずれていたり、構図が完璧に決まらなかったり、時折、中でフィルムが切れる事故が起きる)という点から、あえてフィルムで撮ろうとはしてこなかったのです。

でも、いつでも、どこでも、何枚でも撮れてしまうデジタルではなく、必ずしも思い通りに撮れなくて、撮れる枚数も限られているフィルムカメラで、撮りたい。その思いは、季節が移り変わっても、ずっとあり続けました。

フィルムカメラを買うのは、少しハードルが高かったので、Kodakのフィルムカメラを買い、2024年2月から3月までの日々を記録してみることにしたのです。

長期にわたって持ち歩いたので、
ちょっぴりシールがはがれました。


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最後に、約2ヶ月の間に撮った写真を、少しだけシェアさせていただきます。

下北沢にある、シモキタシマイさん。
最終出勤日の翌日、ここで、一人退職祝いをしました。


友人と散策した、横浜の海。
実際以上に青く写りました。
横浜の元町ショッピングストリートの裏通り。
夕方の光が美しくて撮ったのですが、そのあたたかい光がちゃんと残っていて嬉しい。


掛川城の二の丸茶室。
ここの縁側で40代と60代の知人たちとお喋りしました。
彼女たちからは、今もフィルムで写真を撮るのね! と驚かれました。
浜松のぬくもりの森
テーマパーク的につくられた場所だと思っていたのですが、創業者の方が「こんな建物があったらいいな……」とコツコツ独自につくっていた場所だそう。
理想の場所を自分の手で作り上げてしまうなんてすごいなぁと感心してしまいました。

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