シングルファーザー日記

記憶が蓄積していかない。そのことについてはずいぶん前から気がついていた。日々淡々と生活している。人生には山も谷もあるのだけれど、それに対して感情の起伏がほとんどない。感情の起伏がないから、記憶に残らない。そうしてこの数年を過ごしてきた。これは子ども3人を育てるシングルファーザーの生存戦略でもある。いちいち感情が振れていては疲れ切って身動きが取れなくなってしまう。下の方に振り切って心が折れてしまうかもしれない。何が起こっても飄々とやり過ごす。いつしかそれが自分のスタイルになっていた。

2011年の父子世帯数は22.3万世帯。このうち父子のみの世帯は9.1万世帯。児童のいる世帯全体の約0.8%だ。普通に生活しているとまず出会わない。テレビで時折特集されることもあるが、父子世帯がどのような生活を送っているのかという情報は少ない。当事者である自分が情報を発信しなければという謎の義務感が湧いてくる。ところが前述の通り、日々の記憶が残っていかない。子どもたちの手が離れてからなどと悠長なことは言っていられない。とりあえず筆(キーボード)をとることにする。

社会派ライターでもないし、シングルファーザーとして特別困っていることがあるわけでもない。何かを主張しようだとか問題提起をしようだとかいう気持ちはまったくない。気軽に読める雑記をぼちぼちと書いていければいいかなと思っている。ひとり親家庭の話だけではなく、働くパパやママに関するあれこれも取り上げていくのもよさそうだ。子育てしやすい社会に2センチくらい変わればいいなと思う。

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