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難しかったリラックス

友達の舞台の手伝いに行った時に

開演前の場内の説明やってよと言われて

いきなりステージ前で話し出したんだけど

初めてのことで緊張で震えてガチガチになってしまった。

あまりの震えように友人の出演者たちが爆笑して

楽屋内が笑いに包まれてしまった。


親友の結婚式で司会をしたことが2度ある。

普段言い慣れていない言葉遣い

もうカミカミなの。

役者仲間のテーブルが盛り上がるほどのカミカミ司会。

自分にとってはリラックスするって

とても大変なことだった。


だからこそ役者の道を歩んでいた時は

どうやったら緊張せずにいられるのか

答えを探そうと必死だった。


それで普段のカラダがもっと緩まっていれば

緊張して強張ってしまっても

緊張度合いを少なくすることが可能なんじゃないかと

身体技法の世界に入っていった。

ボイストレーニング

こんにゃく体操

野口体操

合気道

中国武術

古武術

気功


ある映画監督が浅野忠信さんを評した発言だったか

記憶がうろ覚えなんだけど

褒めていたのは

彼はふだんと同じ在り方

そのままでカメラの前にいられるんですよって。


ほとんどの人は普段と同じ在り方では

そこに居られない。


昔、ピーターの付き人兼運転手をしていたときに

印象に残っている光景がある。


毎週土曜の夜23時からテレビ朝日でオンエアされていた生放送番組。

スマステーション。

MCが香取慎吾さんだった。

六本木のテレビ朝日に入ると

番組のセットが組まれていた。

スタジオの中央にセンターステージ

そのステージに慎吾くんが座ってスタンバイしていた。


もし自分が慎吾くんの状況に居たら

あんな風に自然に居られるだろうか?


大勢の人間に囲まれて

みんなの注意を一身に集めて

しかも舞台と同じように進行が決まっていて

段取りも頭にいれて。


慎吾くんにとっては日常の出来事ではあるけれど

彼はいい意味で

何も考えずに本番前にボーっとそこに座っているように見えた。

それくらい自然体だった。


うわぁ~今の自分には出来ないなって

慎吾くんを見ながら凄いなぁ~って感じ入ってしまった。


舞台などで自然体で在ることの難しさがよく知られていたために

歌舞伎や能、狂言などの

伝統舞台芸能においては

自我意識が芽生える前に舞台に立たせる。

だからこそ3才で舞台に立たせるわけ。


人前に立つことの緊張を大きくなってから克服することの難しさゆえに

生まれた先人たちの知恵なんだよね。


名優と言われるアンソニーホプキンスが

アクターズスタジオの授業に参加してよかったことが

リラックスの技術を学べたことだったと述べている。


人前で緊張しないような感受性だと繊細な表現を生み出せない。

人前で緊張するような感受性だから

人間を豊かに表現できるとも言える。


だからこそリラックスを獲得する

自然体でいられるということが

身体表現をする者にとって長年の課題テーマとして君臨し続けていた。


周囲を気にせず

息深くして

ただ在るって感覚。

背骨に気が通っている状態

下腹に息が入っている状態

ソースと繋がっている状態

内なる神とつながっている状態

リラックス、自然体、

それらはとても心地よい感覚でもある。


エイブラハムのこの説明はとっても参考になる。

【前編】「変な自分」でも緊張しなくなる方法(エイブラハム)


【後編】「変な自分」でも緊張しなくなる方法(エイブラハム)


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