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日本一の文武両道【都立新宿高校】


「自主・自立」「文武両道」
創立から掲げる伝統を受け継ぎ、東京の中心地から実業家からアーティスト。その他100人を超す著名人を輩出する「都立新宿高校」

映画「君の名は。」より

2016年公開の大ヒット映画「君の名は。」に登場する都立神宮高等学校のモデルとなった同校は新宿駅南口から徒歩5分。新宿三丁目駅から徒歩2分という好立地に校舎を構える。

東京大学を始めとした難関国公立大学への合格者を多数輩出する進学校ながら創立より前出した「自主・自律」「文武両道」に基づき。その精神と伝統を背負いながら各部活動も盛んに日々励んでいる。

だが大都会に校舎を構える高校に共通する悩み。
それは環境である。

都立新宿高校の野球部もその悩みと向き合いながら、しかし悲観せず高い向上心を持ち「文武両道」の白球を追い続けている。

都立新宿高校野球部@@ShinjukuHS_BB Twitterより

2022年春季大会。同校野球部は小さな旋風と話題を呼んだ。

2021年に23年ぶりに秋季東京大会の本大会へと進出した同校であったが名門「早稲田実業」の前に敗れた。

だが確かに手応えと勢いはあったはずだ。

迎えた翌年の春季大会では同じく進学校である「都立西高校」をシーソーゲームの末破り、9年ぶりの都大会勝利を掴み取った。

迎えた2階戦の相手は夏季東京大会において2度の準優勝の他、幾度の上位進出の実績を持つ強豪「東海大高輪台

港区高輪に校舎を置きながら、埼玉県さいたま市に専用球場を持ち60名超の部員数と戦力を誇る。

かたや14名の部員(2名マネージャー・1年生は正式入部前)の新宿高校野球部は7回裏に6点を奪われ、最大6点差を許しながら、8回に6点を奪い追いつくと、9回表に今試合始めてのリードを勝ち取り、そのまま
逃げ切り見事勝利した。

驚異的な粘りと、見事高輪台投手陣を打ち崩した打撃力は東京の高校野球ファンの中で話題を呼んだ。

①「指導陣」

かつては夏に2度のベスト8入りの実績を持つが、それは約30年近く前の話。
2007年に「進学指導特別推進校」に指定されたように近年はさらに学力向上に力を入れている影響もあってか、なかなか勝てずにいた。

だが2014年春。同じく進学校の「都立小山台」の助監督として春の甲子園の舞台を経験した田久保監督が2017年に赴任すると、計3名の指導者のもと(1名は学生コーチとして)改革を推し進めた。

その3人は共に新宿高校のOBであり、同校の伝統を受け継ぎ指導を行っている。

田久保監督

②「新宿三全」

「全員野球」
「全力野球」
「全国野球」

あくまでも学生野球の目的は「人間・人格の成長」である。
新宿高校伝統の「文武両道」は「勉強・部活に100%の力を注ぐ」
事が前提の目標であり、何方とも高い目標を掲げ目指すことこそが人間力の成長につながる。

【二兎を追う者は一兎をも得ず】ということわざがあるが
難関高を目指し甲子園を目指す。彼らには
二兎を追い二兎を得る】挑戦と権利があるだろう。


完全下校は17時。授業を終えて活動できる時間は2時間とない
「練習時間が短い」
「グラウンドが狭い」
どうしても思ってしまう悩みを潰し、新宿高校で出来ることを突き詰め取り組む。
他を見て比較せず、自分達で可能性を追求していく「自主・自律」の精神だ。

「OBのひとりとして、私は10年かけて、本気で甲子園、本気で難関校を狙う文化を作っていきたい」(田久保監督)

100年の伝統を重ね、大都会から聖地を目指す新宿高校の野球部の歴史はまだ始まったばかりだ。