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石巻好文館チア部「ピーナッツ」 全力でお別れ公演 3年生8人保護者に披露

 新型コロナウイルスの感染拡大で、発表の場が大幅に失われた石巻好文館高校チアリーディング部「ピーナッツ」のフェアウェル(お別れ)公演が5月30日、同校で開かれた。石巻川開き祭りなど例年出演していた行事が軒並み中止となり、昨秋以降は公での出演機会もなく、3年生8人はこれが最後の発表の場。保護者やOG、恩師ら関係者限定だったが、これまで支えてくれた人たちに感謝を込め、元気な笑顔でパフォーマンスを披露。3年生は次の世代にバトンを渡した。

 同部は、平成5年に応援同好会チアリーディングチームとして発足。「明るく元気よくはじけるような若さ」をスローガンに掲げ、27年には部活動に昇格した。石巻地方唯一の本格的なチアリーディングチームであり、地域イベントではなじみの顔となった。5月の「サン・ファン祭り」は3年生にとって集大成の場だったが、昨年は中止、今年は秋に延期されている。

 公での発表は昨年10月に石巻市内の保育所で行って以来、機会は失われていた。今回のフェアウェル公演は部活動の顧問や保護者らの協力で実現。7カ月ぶりにユニホームに袖を通し、迫力ある演技を披露した。

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昨年まで13年間指導した前顧問の奥山礼一郎教諭も駆け付け、演技前の部員を鼓舞した

 同校賢友館で行った公演は、検温やマスク着用などコロナ対策を万全に実施。13年間にわたり同部を指導してきた恩師で、今春から利府高校で教壇に立つ奥山礼一郎教諭も駆け付けた。ピーナッツは1年生14人、2年生5人、3年生8人の計27人。赤、白、青の特徴的なユニホーム姿で登場し、ダンスを織り交ぜながらアクロバティックな技を展開した。

好文館高ピーナッツさよなら公演 (57)

躍動感と笑顔あふれる演技を会場に届けた

 パフォーマンス後のあいさつで大森萌花部長(3年生)は「コロナで対面練習ができない時期もあったが、この公演をやり切れたことに感謝したい。これまでチアを続けてきて本当に良かった」と涙を拭い、笑顔を見せた。公演後、後輩たちからはサプライズで3年生に写真アルバムや花束が贈られた。

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はじける笑顔はピーナッツのもう一つの魅力

 「チア部に入って良かった」と話す佐藤海莉さん(3年)は、昨夏に3年生8人で実家がある北上町十三浜に合宿し、思い出作りになったという。父親の満利さん(42)も「他の運動部とは違い、見る人がいてこそのチアリーディング。発表の場がなくなってしまったのは本当にかわいそうだった」と最後の演技を目に焼き付けた。

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後輩たちから引退する3年生にサプライズプレゼント。感激のあまり抱き合うシーンも

 顧問の児嶋純輝教諭は「120点をあげたい最高の演技を披露してくれた」と部員をたたえ、奥山教諭も「コロナで先が見えない中でも、努力を続けて公演を実現したことが素晴らしい」と話していた。【渡邊裕紀】


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