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街頭での出会いから学んだこと ネガティブキャンペーンは誠実な人に考えさせる

カートに近づいてきた70代の男性

最近のことです。人通りのあまりない晩にカートの奉仕をしていました。皆さんも、いろいろな所でエホバの証人が雑誌やパンフレットを陳列して佇んでいるのをご覧になったことがあるでしょう。ほとんどの人はチラッと見るだけで、すぐに通り過ぎていきます。その時は、少し離れた所で70代の男性が、立ち止まってカートと私の方を見ています。笑顔で
「よかったら、どうぞご覧ください」
と手招きすると、
「あなたたちはどうしてこんなことをしているのですか」
と尋ねられました。ボクは、(あれっ、反対者かな)と思い、
「いろいろご批判もあるでしょうが、出来るだけ多くの人に、聖書に書かれていることを知ってほしいのです」
と答えました。多くの人は、内心 (何のためにこんなことしているのかな?)と思っていても、わざわざ尋ねてきたりしません。でも、そのお爺さんは違いました。
「いや、批判しているのではなくて、素朴な疑問をぶつけてみたんだ」
とその男性は続けます。そして
「すまない。実は少し酔っているんだ。酔った状態でこんな話をしてもいいのか」
と言います。
ボクには、そんな風には見えませんでした。匂いもしないし、話し方や眼差しはふつうです。
「ええ、構わないですよ。実は、わたしは、日中は働いておりまして、自分の時間を調整して、この活動をしております。ですから、すべてボランティアです。私たちは営利目的ではなく、あくまで、聖書に書かれている神様のメッセージを希望する人にお伝えしているのです。そうすることで、神様にいわゆる功徳を積むことになるのです。」
とまず、希望する人にだけ伝えているのだということを説明しました。「功徳を積む」というのは仏教用語で、クリスチャンは普通使わない言葉なのですが、お爺さんの年代なら、そんな表現の方がわすりやすいかなと思ったのです。

エホバとイエスの違いを説明

お爺さんは、ボクの話し方や内容から何か真実味を感じたようで、
「そうか。では、イエス・キリストを神として崇めるのだね」
とさらに尋ねてきました。
「いいえ、実はイエスは神様の子供でして、神様はエホバと言います。エホバは罪と不完全で苦しむ人類を救うために、イエスを地上に遣わされたのです」
と説明しました。このあたりでお孫さんが近づいてきて、「お爺ちゃん。行くよ~」と言います。お爺さんは
「うん、お爺ちゃんはお話しているから、先に行ってていいよ」
と言います。きっと家族連れで散策していたのでしょう。お爺さんは、今朝テレビでエホバの証人のことが扱われていたこと。その内容と、私たちの様子そしてこの話し合いから、自分は何か誤解しているのではないかと思っていると話してくれました。メディアは、たいていエホバの証人に対するネガティブな情報だけを流します。それも、背教者や離れた人たちの意見を取り上げるのです。でも、このお爺さんは、それゆえにカートに近づいて来たのでした。

「聖書を調べてみなくてはいかんな」

そうこうするうちに、お爺さんに電話がかかってきました。先ほどのお孫さんのお母さんでしょうか。お爺さんからすると娘さんですね。
「うん、大丈夫だ。話が終わってから行くから、先に帰ってなさい」
と言います。このあたりで、隣にいたボクの妻が、「幸せにいつまでも暮らせます」という冊子と「目ざめよ!」誌を手渡しくれましたので、そこにボクの名前と携帯番号を書いてお渡しました。お爺さんは、ここからかなり離れた所に住んでいるようです。
「聖書を少し調べてみなくてはいかんな。ところで、教会ではないのだよね。あなたたちは」
と言うので、
「はい『王国会館』と言います」
と答えたら、怪訝な顔をして
「その王国というのが誤解されるんだな」
と言います。
「でも、ぼくがひょっと行ったら、のぞけるの?」
と訊くので、
「ええ、大丈夫ですよ。どこに行ってもボクのような者が対応いたします。案内板が出ていて、どの曜日のどの時間にプログラムがあるのかわかるので、ぜひその時間に行ってみて下さい」
お爺さんは、
「ありがとう」
と言ってかぶっていた帽子を取って頭を下げました。
ボクも
「お時間を取って話を聴いてくださり、ありがとうございました」
と礼をしたのです。

この出来事から学んだこと

この経験から学んだこと。それとメディアがネガティブキャンペーンをすれば、批判する人は増えるでしょうが、それで関心を持つ人、本当のところはどうなんだろうと考え始める人がいることも確かです。このお爺さんがまさにそうでした。テレビで報じていることを鵜呑みにせず、近づいてきてくれたのです。ボクたちに出来ることは、真理に対する信仰を強めること。そして、それを探し求めている人を探すことです。ネガティブキャンペーンも悪いことばかりではありません。


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