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珈琲道の深淵を旅する

2014年にワールドバリスタチャンピオンになって僕の世界は激変した。年間200日以上、多い時は300日近く世界中を飛び回り、業界のアンバサダーとしてイベント、講演、コンサルティングに従事し続ける日々が続いた。

ワールドバリスタチャンピオンシップは2000年にバリスタの地位向上を目的として始まった業界で最大のバリスタの大会だ。60カ国以上のナショナルチャンピオンが集い、エスプレッソをベースとしたドリンクの味わい、技術、プレゼンテーションを競う。因みに僕はエスプレッソがコーヒー抽出の最高峰だと思っている。一生かかって口説ききれない美女と分かりつつ、延々とあの手この手で口説き続けるドMなプレイ(抽出方法)だと思うので。

プレゼンはもちろん英語。僕が優勝できた一因は、英語を比較的流暢に喋ることができたからだと思う。イギリス留学中に講義そっちのけで異文化交流に勤しんだおかげだろう。

僕に関する詳しい記事は川内イオさんの記事が最もわかりやすい。2015年で独立前の記事だが、世界大会で優勝するまでがわかりやすくまとめてある。

独立後はコンサルタントとして、主にF&Bやコーヒーチェーン / メーカーに向けて、商品開発からマーケティングまで一気通貫したコンサルティングサービスを提供している。Mcdonalds、Luckin Coffee、SPC、Kerry Group、Nestle、不二家、森永などなど、振り返れば自分でもびっくりするほど素晴らしいお客様に囲まれている。

そしてコロナがやってきた

2020年の2月以降、全く海外で仕事ができなくなった。できる仕事はオンラインへ以降、それ以外は収束までサスペンド。僕はマグロみたいなもので、動き続けないと死ぬタイプ。この状況は死活問題だった。

そこで今まで海外に向けていたエネルギーを国内に向けてみることにした。南部鉄器への興味から始まり(これはまた別途noteを書きたい)、茶道、禅、武士道、興味の赴くまま、真っ新な気持ちで学び直してみた。

海外のコーヒーコミュニティで学び続け、共同研究を行ってきた身として、非科学的、非論理的なトンデモ論は大嫌いだったが、もしかすると長い歴史が語る経験や知恵に全く新しいコーヒーの世界が見つかるのではと思い直している。

そう、日本は「道」の国だ。では珈琲における道とは何か、と自問するようになった。日本では何かと「波」がとり立たされているが、それはないだろう。まだ答えは出ていない。

井崎家には「向上の一路に終点なし」と言う家訓がある。カタカナのコーヒーを編集することで「珈琲」となる。この1年はインプットも含めて編集力を磨くための一年となるだろう。

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