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また、怒る・・・

怒りと悲しみに任せて速攻で書く。
フォーカスしたって何も楽しくないことを書くので、当てられたくない人は読まないか、充分に距離を取ってご覧ください。

今の家に引っ越してきてから、6年程になりますが、隣人(Aさんとします)にまつわる話。
2018年くらいの会社員だった頃、Aさんとたまたま出社タイミングが重なって駅まで一緒に歩き、同じ電車に乗った時、何だか妙に会話のテンションが合うなぁ、って感じて、ついつい当時のわたしの仕事についての相談みたいな話をしてしまったのが最初。

Aさんは誰でも知っている有名な会社の研究開発職みたいな仕事をされていた方で、わたし的には若干変態科学者的な要素を感じて(誉め言葉です)、話していて面白い方でした。多分20歳程年上なのですが、子供みたいなところがあるというか、純粋さを感じて惹かれました。

でも、当時のわたしはあまり人と関わらないようにしていたので、会えばちょっと会話をするくらいで、積極的に何か近所付き合いをするようなことは一切しませんでした。

確か2年程前だったような気がするのですが、癌になりました、と声をかけられて、少し衝撃を受けましたが、何も出来ることもないので(笑いましょう、とか言ったような・・・)やはり会えば少し話をするといった程度のまま・・・

今年3月頃にゴミ出ししている時に声をかけられて、家電等の不用品を処分しようとしているから、もしいるものがあったらあげるよ、と言われたので、ついでに
「処分するなら今から車出すので、買ってくれそうなリサイクルショップへ一緒に行きましょう」
と二人でお出かけをしました。
その時にまた、とりとめもなく話をしたのですが、癌が発覚してから、何度も「あと〇か月の命だ」とか余命宣告をされていて、入退院も何度かしており、持っていた車を
「何かの拍子に車に乗ってどうにかしてしまいそう(突っ込んだり?)だから売った」
と言うくらい精神的に色々な体験を乗り越えてきていたようでした。
(話している時はニコニコしているんです)

それでお互いの死生観とか、案の定というか話が盛り上がってしまって、それをきっかけに6年経ってようやくちょいちょいご近所付き合いが始まりました。
Aさんはもう病気をきっかけに仕事も退職されていて、「暇だからいいんですよ」と、勝手に上がり込んでしまう(!)うちの息子の相手を奥さんとしてくれたり、
「お話がしたいです。」
と家に呼ばれてまたマニアックな話をしているうちに奥さんがご飯を用意してくれて、家族で頂いたりと、一緒に出勤した時から、すぐにこういう関係になっておけば良かった・・・と若干の後悔もありつつ。
息子も、好き勝手をさせてくれるからもあるでしょうが、気が合うようで、おじいちゃんおばあちゃんが増えたみたいに、Aさんちに遊びに行きたい!としょっちゅう言ってて大好きでした。

わたしも何か少しでもからだに良いことが出来ないかなー、と無農薬キャベツで作った自家製ザワークラウトを持って行ったり(癖のあるお裾分けだけど、食べてくれましたww)、押しつけにならないよう細心の注意を払いながらわたしの考える健康についての色々をお話したりしましたが、
ご自身の理系センスに共通するところがあったりするものは
「なるほど!」と取り入れてみたりと、お互いに良い関係性でありつつ楽しく過ごしていました。

んで、、、これまで何度かの余命宣告期間を乗り越えてきていることもあって、徐々に目に見えて容態が悪くなってきて、ついに先週、入院することになったとの事で病院への出発のお見送りをしました。

そして昨日、普段電車とバスでお見舞いに行っているAさんの奥さんを車に乗せて一緒に面会へ行くと、そこにはモルヒネを投与され、苦しそうに息をし、声をかけてもうっすら目を開けるだけのAさんがいました。一週間前の入院時は「行ってきまーす」と自分でタクシーまで歩いて病院へ行っていたのに・・・。

奥さんによると、前々から自宅療養ではなく、入院を勧められていたそうで、奥さんが日本人ではないことを取り上げて
「自宅で何かあった時は、警察沙汰にもなるから」
という言い方をされていた模様・・・。

ついついアンチ西洋医学バイアスがかかってしまいそうなところですが、今まで元気だった事自体が不思議だったということだってあるので、そんな妄想は抑えつつ、奥さんから頼まれて、看護師さんと担当医である院長さんのお話を一緒に聞くことになりました。

内容は、もういつ逝ってもおかしくないという事でした。

そして、普段は面会は一日二人、1時間まで、という例の謎の縛りがあったのですが(Aさんと二人で「まだやってんのかよ」と入院直前に話していました)、こんな状態なので、もう面会制限はなくし、患者本人の希望があれば、肉親以外の人もいつ面会に来てもOKです、と。
で、聞くとわたしのことはAさんから聞いているのでわたしも自由に面会に来ても良いと言われました。
最近は、亡くなるまで誰も面会出来ない、といった話も聞いていたので、良心的だな、と思いつつ、
とそこで、Aさんの事が大好きな息子のことが浮かび、
「わたしには6歳の息子がいます。まだ本人には面会したいかどうか聞いていないですが、息子も面会可能ですか?」と聞くと
看「あっ、えーと、お子さんはちょっと・・・。別の棟で最近クラスターが発生した、ということもありまして、すみませんがお子さんはご遠慮して頂きたく・・・」
「あ、はい、わかりました。」

この瞬間、わたしの左脳が全開でひらき、ぶわーっとフル回転しましたが、わたしは部外者でもあるし、奥さんもいる前なので、黙りました。

一番何の影響を受けない子供が大人より危険視・・・?
相変わらず無症状感染源として扱われているのか・・・?
全部禁止なら逆にロジック的に納得がいくのですが、むしろ大人がフリーなのに子供がNGなのが全く理解出来ない。

その後、上記の状況から奥さんは病室に泊まることになり、宿泊準備の為に一度一緒に帰り、再度病院へ送ってあげることになりました。準備を待っている間もずっとひっかかってしまい、何度も「無駄な事だ」と思い返したけれど我慢出来ない。

普段絶対に見ないアレ関連をキーワードで検索実行・・・
もちろん、ほじくればどうとでも情報は出てくるけれど、”検索上位”に出てくる情報には、
子供よりむしろ大人からの感染が多い
だとか、久々に見たけれど相変わらず騒いでいるだけで、10代以下に何ら恐れる要素のある症状なんて出ていない。(例によって胡散臭いやつはあるけれど)
そしてテレビ人間が大好きな太った曰くつき専門家の書いた記事でもそっちよりな情報がある。

もうね、相手にするだけ無駄なのはわかっているんです。息子がもうAさんに会えないのはわかっている。余計に気分が悪くなることもわかっている。全て納得しているつもりだけど、こうやって誰でも見ることの出来る情報と矛盾したことをやっている病院の見解だけは確認しないと気が済まない。(というタチなので・・・)

奥さんと病院へ行くと、病院から連絡を受けたAさんのお兄さんも来ていて挨拶をし、奥さんと交代で面会し、奥さんを病室へ残して帰るお兄さんと出口近くまで行き、
兄「〇〇君(うちの息子)も最後に会えるといいんだけどねぇ。わたしは祖父が亡くなる時に横で寝ていたのだけれど、今は親族が亡くなったことを認識していなかったりする子がいるんだよねぇ」
「あ、そうなんです。先程も面会ルールについて聞いて、子供はダメ、と言われたんです。もう諦めてはいるんですが、個人的にひっかかるところがあるので、この後わたしだけ戻って少し病院の人とお話しようと思っていまして・・」
兄「ふふ・・・。ケンカしないようにね。」
「あ、いえ、ご迷惑になるような言い方はしませんので・・」
兄「いやいや、ひで。さん自身の事を思って言ったのです。」

・・・さすが兄弟。Aさんもよくわたしの怒りに対してそういった姿勢でお話をしてくれました。

そして、お兄さんと別れ、看護師さんのところへ戻り、面会ルールについて確認させて欲しいとお願いをし、以下の趣旨の話をしました。ちなみにわたしが質問をする度、看護師さんはギョッとしたような顔をしたり、困って別の看護師さんを呼んで二人体制になったりしながら、毎回必ず別室へ行ってゴソゴソ確認してからの応対でした。

「大人は面会自由との事ですが、子供がダメ、という根拠についてです。どうしても子供を面会させたい、というワケではなく、病院としての見解を伺いたいと思っています。(スマホの画面を見せて)別にこの情報が絶対だ、というつもりも全くないのですが、一般的にはすぐ出てくる情報としてこのように子供だけを危険視する必要性があると思えないものが出てきます。これと矛盾したルールとする病院の見解、医学的根拠を聞かせて頂きたいです。」
看「医学的根拠!?ですか。少々お待ちください。」
・・・別室へ確認に行く
看「当院では、感染症対策委員長からの指示に従っておりまして、それでこのようなルールとなっています。」
「なるほど。では一般に出回っている医学的な説とは異なる見解をその感染症対策委員長が持っているということなのですね。」
看「えっ、あ、いや・・・」
・・・別室へ確認に行く
看「クラスターも発生していますので、お子さんに感染させてしまうことを心配している面もありまして。」
「ですから、子供にとってのリスクが低いというデータで話しているので、それを心配しているならよりリスクの高い大人だけが自由に面会可能という点が矛盾しています。その矛盾について病院としてどういった判断をされているんですか?」
・・・別室へ確認に行く
看「はい。感染症対策委員長がそういった一般に見られる説と異なった見解を持っている、ということで良いです。」
「そうですか。わかりました。ありがとうございます。」

非常に無駄な行動ですね。わかっているんです。
現場の仕事を増やしてすみません。

でもですね、こんな誰でも気が付けるような矛盾を聞かれてギョッとしてしまう人、わたしは「何でギョッとするの?言われるかもって考えたことないの?」っていつも思ってしまうんです。せめて「あ~、出た出た。わかってますよ。」くらいに応対しないの?
そして、一旦質問の回答を逸らせて、子供の事を案じているテイにしてみて、あなたも子供が感染したら怖いでしょ?って煽るほうに持って行って、それが効かないとわかると、改めて「はい。見解が違うだけです。」って、回答する態度。別室にいたのが昼間会った院長なのか知りませんが、すごく悲しい仕事を平然とやっている。
わかっているんです。じゃあ逆にALLOKにしたら今度は「対策しろ!」って言われる。そんな時こそ医療従事者として一人一人に医学的根拠を以って納得させるだけの説明をすれば良いのだけれど、納得しないだろうし、忙しくて業務が回らないし、そんなことを公にやるとあれやこれやの大変な問題を抱えることになるんでしょ。わかっているんです。

帰りの車中、もう左脳がとじて、気が抜けた状態で上記のようなことを考えながら運転していたら、何だか数十年ぶりのくやし涙?、泣いてしまいました。

わたしの死生観として、死は悲しいものではないので、奥さんが少し取り乱した時も、Aさんの状態を見ても何ともなかったのですが、本当はただただ友人を失う悲しみに泣きたかっただけなのかも知れません。(面倒臭いやつだなぁw)

家に着いて、息子にはAさんがそんな状態だ、ということを話して
「面会について、さっきパパも病院の人と話して来たんだけど、子供は面会には・・」
息「やだ。全部聞く前からやだ。会う。」
「そうだよな・・・。珍しく意見が合うな・・・。」

被せてきてらっしゃる。

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