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古墳探訪#3 宮内庁が管理 男狭穂塚古墳・女狭穂塚古墳

 前回の古墳探訪で登場した八女市の岩戸山古墳より大きい前方後円墳が、宮崎県西都市女狭穂塚(めさほづか)古墳です。女狭穂塚古墳の全長は176m、後円部の径は96m、高さが14mの3段築成の墳丘と、両くびれ部に造り出しを持つ九州では珍しい畿内式前方後円墳です。つまり、この古墳が九州最大の前方後円墳で、コノハナサクヤヒメの御陵と伝えられています。

 この女狭穂塚古墳の隣に、男狭穂塚(おさほづか)古墳があります。男狭塚古墳は、全長が154mと女狭穂塚より短いですが、主丘部の径が132mとなっていて女狭穂塚より大規模な古墳です。この墳丘は3段の大円墳状になっていて、2段目の正面には長方形の祭壇が作られ、そこから南に細長い盛り土があるので、それを含めると全長219mになります。また、周囲は幅20mの周溝があり、内側が深く外側が浅い2重壕になっています。男狭穂塚古墳は、日本最大の帆立貝式古墳です。この古墳には、ニニギノミコトが祭られていると伝えられています。

 ここで、”男狭穂塚古墳は帆立貝型古墳”と書きましたが、男狭穂塚は長い間、大きな円墳だと考えられてきました。男狭穂塚が帆立貝型古墳と分かったのは、最近の事なのです。私が加わった遺跡調査の時に、このことが明らかになりました。私は遺跡調査のグループには入っていましたが、男狭穂塚の周辺の調査を担当していたので、残念ながら”帆立貝型”の発見には直接かかわっていません。

 これらの2つの古墳は、宮内庁の陵墓参考地に指定されているので、普段は立ち入ることができません。この調査の時には、宮内庁の特別の許可を頂いて、陵墓内に立ち入ることができました。男狭穂・女狭穂の陵墓の周辺は、柵で囲われていて、普段は施錠されています。我々が遺跡調査をしたときは、宮内庁から委託された管理人さんが解錠して、その管理人さんがいる間だけ調査することができました。


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