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GREEN for CLEAN

 気候変動を抑制するため、世界の国々は二酸化炭素を減らす取り組もうとしています。気候変動のやり玉に挙がっている石炭は、悪役扱いです。東ヨーロッパにあるポーランドは、エネルギーを自国の豊富な石炭資源に依存していて、全エネルギーの7割が石炭です。今朝のラジオで知りましたが、ポーランドは、2049年までに国内の石炭鉱山をすべて廃止する決断をしました。

 ポーランドは、日本に比べればエネルギーの総量は少ないですが、それでもこれはかなり思い切った決断です。あと20数年で本当にできるのか、と疑問に思いますが、目標が無ければ大きな決断もできません。これは壮大なチャレンジです。ポーランドには、静かな声援を送りたいと思います。

 日本はと言えば、ポーランドのような思い切った決断は出来ていません。一応、『2050年までにカーボンニュートラルを実現する』という目標はありますが、お題目みたいで、実現への道のりは厳しそうです。日本は、石油、天然ガス、石炭、原子力という多様なエネルギー源を使う構想を捨てていません。なので、このままではカーボンニュートラルは難しそうです。

 あまりメジャーではありませんが、日本には純国産で再生可能な地熱エネルギーがあります。地熱エネルギーは、一旦設備ができてしまえば、ベース電源として利用できるほど安定していますが、今のところ全電力の0.2%程度の割合しかありません。日本は火山国で、地熱ポテンシャルはアメリカ、インドネシアに次ぐ世界第三位です。しかし、地熱の発電量は世界10位に留まっています。

 日本は技術が無いわけではありません。例えば、地熱発電に使用するタービンの世界シェアは7割で、日本が断トツです。地熱関連の技術も世界に誇るものがあり、これから地熱開発に本格的に取り組もうとしている世界の国々から、九州大学に研修に来ます。

 日本の地熱が伸びない理由の一つは、開発から発電までにかかる長い時間です。今までの経験上、およそ10年は必要です。これ以外にも、地熱の開発が難しい国立公園内に有望地点が多いことなども挙げられます。これまでの地熱開発は、各地の電力会社や石油会社などが中心でしたが、最近はこれまでと異なる業種からも参入が始まっています。

 新規参入は、ウェルカムです。今までにない視点や考え方は、地熱エネルギーに新風を吹き込むかもしれません。カーボンニュートラルを機に、これまで地熱に興味を示さなかった会社も、少しづつ興味を示しだしています。難しいでしょうが、多くの新しい人の知恵で、地熱エネルギーがメジャーになる日を夢見ています。

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