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ドイツのジェンダー(法改正で性転換がかんたんにできる!?)

こんにちは。

私は、ドイツで研究をしているものです。

ドイツで生活していると、「性別」について意識することが
日本で生活していた時よりも多いんです。

1つの理由として、「言語」の影響があります。
ドイツ語を学習したことがある方は、ご存じかと思いますが、単語に性別があるのです。
例えば、、犬は「男性」、猫は「女性」、車は「中性」と3種類の性別があるのです。
面白いですよね。
そうした影響もあるのでしょうか?
ドイツはジェンダー問題に関して、とても先進的(?)です。

例えば、道を歩いていると、求人募集の広告がよく見られます。
こんなのです。これは、音楽学校の先生の採用募集をしてます。

(m/w/d)の表示がある広告

注目したいのは(m/w/d)という表示です。
これは、ある3つの単語の省略バージョンです!
m = männlich (男性)
w = weiblich (女性)
d = divers (多様【トランスジェンダーなど】)

を意味しています。
この表示は、人材採用などの広告をみると必ずあります。

このように、ドイツにおける「性別」に対する意識は、世界の国々と比べると高い方だと思います。

そんなドイツで、2022年7月1日に、ある法改正がされました。
簡単にまとめると「公的な書類上の性別を、これまでよりも簡単に変更できるようにする」というものです。

例えば、これまでは「男性」とパスポートに記載されていたけれども
自分は「女性」だと主張したい場合、簡単な手続きで、その記載を「女性」に変更できるというようなものです。

これまで、ドイツでは、トランスジェンダーなどで悩み、自分の性別を公的に変更したいと思った場合、多くの手続きが必要でした。しかし、そうした手続きを簡略化するというのが、今回の法改正で行われたことです。特に注目するべきは、「専門家の診断」を受けなくても手続きを行える点です。

これに対する賛否は、もちろんあります。

賛成意見には
・市民権の変更は、簡略化することが理想的だ
・手続きに多くのお金や時間がかかるのは、間違っている。だから、この法改正に賛成だ

反対意見には
・女性または男性専用としているマンションや施設において、問題が生じる
・スポーツの大会など身体的なものが影響するイベントにおいて運営がしにくくなる

このような意見です。

この法改正で、救われる人もいるでしょうし、ある意味で、マイナスの影響を受ける人もいるでしょう。

ちなみに、日本は、公的な(法的な)性別変更は、かなりハードルが高いです。こんな感じです。

1. 2人以上の医師により性同一性障害であると診断されている
2.20歳以上
3.現在婚姻をしていない
4.現在、未成年の子どもがいない
5.生殖腺がない又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態である
6.他の性別の性器の部分に近似する外観を備えている

個人的な意見として、6の他の性別の性器の部分に近似する外観を備えているは、重要だなと思います。

体は、完全に男性であるが、心は女性ということで、「私は女性だから、更衣室も女性用を使う」と言われても、その方をあまり知らない人からすればパニックですよね、、、、
また、その時も、医師による性同一性障害等の診断がされているなら、納得しやすいですが、自分の判断の場合、どこまで信用していいのか分かりません、、、

難しい問題ですが、変化することは必要です。
この法改正によって、どんなことが起こるのか、、、、
よーく、観察していきたいですね。


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