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無料塾の挑戦|第6章-2|皐月秀起

4/19発売予定の出版費用を捻出すべく、クラウドファンディングをやっています。応援のみなら1000円、書籍1冊付きで2000円からとなっています。応援いただければ、幸いです!

④運営の際のポイント

無料塾を始める際の運営のポイントをかいつまんでお伝えしておきます。

・活動資金はどうするか?

これが一番聞かれる質問です。

活動資金ですが、私たちの無料塾のように、講師が無償で教えてくださり、教材を用意しなくてもいい自習型だと、必要な支出は「場所代(教室を借りる費用)」くらいです。週に1回開催するとしたら、月に1万円くらいかかる計算になります。長く続けていると、応援してくださる方やご寄付いただけることもあるかもしれませんが、スタート当初は「自腹」になることがほとんどです。

・こちらが望む生徒が集まるか?

「経済的に困難なご家庭の子ども」ではない生徒さんが来ることはないのか?ということもよく聞かれますが、これまでのところそういったケースはありません。

非定期に発行する生徒募集のチラシなどを除くと、ホームページが唯一の私たちの情報窓口になりますが、そこに趣旨や入会条件などを大きくうたっています。それを見た生徒さんが来られますので、ズレなどはあまりありません。

さらに、最初の面談の時に、生徒さんだけでなく保護者さんにもお越し頂き、こちらの趣旨や入会条件(①経済的に困難なご家庭②有料塾や家庭教師に習っていない③やる気がある)をご説明し、再確認をしています。入会条件①については、ご家庭の正確な収入を聞く、あるいは所得証明の提出を求めるところまではしていません。②についても同様であり、このあたりはお互いの「信頼関係」に頼るところが大きいのが、正直なところです。

・保護者にどう対応するか?

講師ボランティアには生徒さんへの指導に集中してもらい、保護者さんへの対応は私に集約しています。

保護者さんへの対応もケースバイケースで一概に説明できませんが、「すぐに成績をアップさせることは、私たちでは難しいです」とは最初の面談で説明するようにしています。特に中学生のお子さんを持つ保護者さんに最初に言っておかないと、しばらく経ってから「こんなはずじゃなかった」と思われ、保護者さんや生徒本人とのズレや不満に繋がってしまいます。

私たちは週1回の活動で、練られたカリキュラムもなく、こちらから教え込んでいくような指導はしていません。生徒の自主性を育てていきながら、勉強を見ていくスタイルなので、どうしても時間がかかります。もちろん、テストの点数を上げたいですし、それ自体を諦めているわけではありませんが、有料塾などとはアプローチが違うことを最初に説明しておくと、信頼関係が気づきやすくなります。

・講師のモチベーションをいかに保つか?

無料塾を長く続けていくためには、講師のモチベーションが欠かせません。

有料塾の講師のように「お金を稼ぐ」というモチベーションが、無料塾の講師ボランティアにはありません。ですから、講師がやめることになったとしても、残念とは思っても、それ以上にはひきずらないことです。無償奉仕をやるということは、期間の長短に関わらず、尊いことです。「今までありがとう!」と快く送り出してあげてください。

とはいえ、みんながみんな無料塾から離れてしまうと、運営が成り立たなくなってしまいます。講師のモチベーションを保つために、私は二つのことを常に念頭に置いています。

一つは、「生徒たちの話を講師と重ね、講師と一緒に生徒たちの成長を願う」ことです。講師と一緒に、生徒たちの成長というより、「生徒たちの変化を楽しむ」と言った方がいいかもしれません。

無料塾の講師をやりたいという人は、学生・社会人に関わらず、「子どもが好き」な人ばかりです。全員が生徒たちの成長を願っています。生徒に実際に勉強を教えるのは講師のみんなですが、私が講師に勉強の教え方についてあれこれ口出しするのではなく、「○○くん、ちょっと最近集中力が上がってきてない?」とか「○○ちゃん、何か積極的に質問するようになったよね!」など、子どもたちの変化を講師と一緒に共有できれば、週1回の無料塾の時間が、たとえ無償奉仕だとしても楽しんで学習指導をしてくれ、モチベーションの維持に繋がるように思います。

もう一つは、「無料塾に一生懸命向き合っている講師の期待を裏切らない」ということです。例えば、いい加減な態度で生徒たちに接している講師がいたとします。そんな無気力な態度は他の講師や生徒たちに伝染します。実際にそんな態度の講師は1人もいませんが(笑)、連絡もなく2か月以上学習会に参加していない講師がいれば、近況を聞いた上で、講師ボランティアをどう考えているのか? 続ける気はあるのか?を確認するようにしています。大学での勉強や他の活動に比べて、講師ボランティアの優先順位が当初よりも下がってしまったということはよくあることなので、その際は「卒業」を促すことになります。「いい加減な気持ちで子どもに勉強を教えることはできないよ」という空気を作りたいと思っています。

・自分のモチベーションをいかに保つか?

自分のモチベーションが失せてくると、それが講師や生徒に伝わります。ある意味、講師のモチベーション維持以上に大事なポイントかもしれません。無料塾を運営することが義務になってしまうと、だんだん重荷になってしまいます。そうなる前に、できれば早い段階で、「楽しみ」を見つけたいところです。

私の楽しみは、「講師や生徒の変化を見つけること」です。

先ほども書いたような生徒の変化ももちろんですが、講師も観察しています。「おっ、何か先週と教え方のアプローチを変えてきたな」とか、「さすが、声掛けのタイミングが抜群だな」など、講師の工夫を見つけるととてもうれしい気持ちになります。もちろん日によりますが、講師や生徒の変化が見られない日は今まで一日もないので、毎週1回の無料塾の日をとても楽しみにしています。みなさんも何か一つ、自分の楽しみを探してください。

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皐月秀起

NPO法人リーダーズカフェ・代表理事、有限会社サツキ・代表取締役 学生マンションの管理をしながら、大学生と一緒に様々な活動をしています。基本、自分が書いたものはnoteに集約していきます。初めての著書(4/19発売)「無料塾が人をつくる」をnoteで無料公開しています。
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