見出し画像

日本のロックビジネスのシステム構築

こんにちは、Hideです♬

杜の都は、真冬の合間の一時の春日和です。

少し前の記事に引き続き、矢沢氏が出演したTV番組から、日本で初めて導入したロックビジネスの展開をもとにお話ししていきたいと思います。

全ての権利を管理 360度ビジネス展開

前回の記事から続きで、ロックビジネスのお話をしていましたが…

昭和の1970年代初頭~中盤は、ロックは世間からの印象も悪く、お金がかかるロックは、日本では全くと言っていいほど商売にならない時代でした。

子供だった私から見ても、世間から見る目が、ロックミュージシャンに対しての扱いが他の歌手達とは違かうなって、いう印象が記憶に残っています。

80年代に入り、世界進出を目指して活動を始めたYAZAWA氏でしたが、もうその頃からビジネスというものを意識していました。

CAROLでのデビュー当時は、レコード(CD)の印税面も、作詞作曲と演奏し歌った矢沢氏を含むキャロルメンバーよりも、事務所やプロデューサー・レコード会社へ入るお金の方が多かったみたいです。

音楽業界の仕組みがわからなかったCAROL(矢沢氏)は、事務所側のお金儲けの素材としてしか扱われていませんでした。

当時の日本のロックミュージシャンは皆そんな扱いしか受けていなかったようです。

なのでロックで成功した人なんて、実際のところあの時代には、存在していませんでした。

しかし、そこで諦めずそれまでの反省を活かし自分の権利を守り、利益の出るビジネスモデルを展開していった矢沢氏はミュージシャンの中でもビジネスマンとして偉い!

と言える人だったのです。

CAROL解散後、ソロ歌手となり個人事務所を立ち上げ、自身の音楽に関わる全ての権利をコントロールできるシステムを作りあげていったのです。

この辺の詳しい話は、今回の番組で私も初めて知りました。

そして井上陽水に続けとばかりに、全ての権利を自分で管理し、がむしゃらに走った矢沢氏は1978年資生堂のCMソング「時間よ止まれ」をヒットさせ後楽園球場(現在の東京ドーム)を満員(5万人収容)にして、長者番付けでも1位になり日本ロック界初の成功者なったのでした。

この話のポイントですが、独立後に全て権利を得る為、個人事務所を立ち上げ、出版と制作といった部門の会社も立ち上げ、著作権や肖像権、原盤権といったミュージシャンとしての全ての権利を自身で管理コントロールするというところです。

利益を産むビジネスモデル


歌手は発売したレコード(CD)の販売枚数や、コンサートの集客数だけで、利益が上がるわけではありません。

作品の権利をレコード会社や大手出版会社が所有していたら、当然の如く歌手の利益つまり取り分は減ってしまいます。

それは、業界全体として、持ちつ持たれつの、業界内での昔からの商法だったのでしょうね、日本は。

まぁ私も業界は違ってもビジネスの世界に身を置いた人間として日本のそういうやり方は、他業種でも同じですね。

要は商品がお金になるまで、つまり作った商品が、エンドユーザーに買われるまでに、何社も間に入っているのです。

わかりやすく言うと、原価が100円で作った品物が、一般に売られるまで、200~300円になってしまう。

なぜかというと生産者から中間業者が何社も入り、それぞれの業者で利益を獲ってしまうからです。

ズバリ言うと無くても良い業者が間に入ることで、価格が上がってしまうのです。

現在ではメーカーと直に取引をして、売価を下げるということをする小売業者が増えましたが、昔ながらの商売をしているところも少なくありません。

音楽業界も同じようなシステムなんでしたね。

関わる周りの各部門で利益を分配する的なシステムが当たり前になっているようですから~

矢沢氏が行ったビジネスモデルは、音楽業界としては、当時衝撃的な出来事だったようです。

今まで、入ってきた収入がなくなってしまう業者も出てくるわけですから。

当時大物歌手として、長者番付けに毎年の様に名を連ねた美空ひばりさんや北島三郎さんなどは、皆個人事務所を持ち多方面とも上手く連携をとりお互いに利益を産み出していたのでしょう。

演歌や歌謡曲は歴史が有り、それなりのビジネスモデルが出来上がっていたのですね。

ジャンルに関わらず、しっかりとしたシステムの構築が出来ていないと、多くの利益を生み出すビジネスは成り立たないのです。

日本のロック歌手が他の有名歌手と同じように稼ぐなんて出来なかった時代に、あらゆる権利面に着目した手腕は、アーティストYAZAWAをよりBIGにしたのです。

音楽家としての才能も、ビジネスマンとしての頭脳も才覚もあり先見の目も持ち合わせていたから成功出来たのですね。

2008年には自らレコード会社も立ち上げました。

インディーズレーベルですが、販売も大手のレコード会社を使わず販売も自ら行いました。

通常インディーズでは、利益を出すのが難しくやはり大手レコード会社に所属していないと、広範囲で販売できないのです。

矢沢氏くらいになると、名前もありますから、インディーズだろうが、販売する側もファンの要望つまり需要がありますから、矢沢氏のCDを扱わないわけにはいきませんよね。

あと、アマゾンや楽天市場といった、ネットでCDやDVDを購入する消費者が増えたという事もあるでしょうね。

これで矢沢氏は、CDやDVDの流通から販売までといったビジネス全てを自らの手で行う事になったのです。

いわゆる360度ビジネスの構築が出来上がったわけですね。

お馴染みのE.YAZAWAロゴ入りタオルやグッズ販売も最初に手掛けたり、ホームページもアーティストの中ではいち早く立ち上げました。

ビジネスとしてあらゆる方面で売り上げを伸ばし利益を出すことを考えていたのですね。

そのビジネスモデルが現在も若いミュージシャン達に受け継がれている事は言うまでも有りません。

今やロックも立派にエンターテイメントビジネスとして定着したと言って良いでしょう。

私も大いに見習っていきたいと思っています。

やはり社会に出て何も知らないと、良くない大人達に財産である才能も権利も搾取されてしまうことになるのですよ!

そうならない為には、自分を取り巻く状況などを勉強していくしかないのです。

学業の勉強とはまた違います。

学歴は選択肢が広がるという意味では、必要かもしれませんが、それだけでは社会に出た時に成功するとは言い切れませんので。

自分が行う事に関して、権利とかお金の事も含めしっかりと勉強していかなければ、ビジネスとしても、本当の成功を手に入れる事は出来ないと思います。

近年はそれまでの、「ロックは商売にならない」はもう昭和の話になりましたね。

これからの時代は、IT関連の産業も伸びていますが、ビジネスはベースとなるシステムの構築が大事になってくると思います。

YouTubeしかりインターネットを活用したビジネスがこれからは売る側からしたら重要な、利益源になってくることは言うまでもないでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?