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「トレンド変化 = 原点回帰」なのでは、という妄想

こんにちは。
渋谷、大宮、岐阜でパーソナルジムSharezを運営している岡崎秀哉(@hide_sharez)です。

このnoteでは、パーソナルトレーニングに関することや、フィットネス業界に関することなど、メモ的なものから考察まで綴っています。

今回は、昨今のパーソナルトレーニング業界の状況について、個人的な見解をまとめてみたいと思います。
ちなみに、トップ写真はタイトルの「原点回帰」にちなんで、僕がジムを立ち上げた2015年の渋谷店立ち上げ時の写真です。

1.日本におけるパーソナルトレーニング史を振り返る

正確にいうと、パーソナルトレーニング史というよりは、僕にとって印象的だったパーソナルトレーニング業界の出来事にはなりますが、振り返ってみます。
まず、1980年代後半から1990年代にかけて、メジャーなパーソナルトレーナーの資格団体が日本に上陸、あるいは立ち上がっていることを考えると、この辺りが日本のパーソナルトレーニング市場の草分け期と言えると思います。
その後、2000年代になって印象的だったのは、ケビン山﨑氏が清原選手のトレーナーとしてメディアに取り上げられたあたりです。
スポーツ選手やセレブの一部が対象のイメージでしたが、パーソナルトレーナーが少しずつですが、メディアに取り上げられ始め出した印象があります。とはいえ、実際にはフィットネスクラブなどで一般の方々向けにパーソナルトレーニングは行われており、現在50代とかのベテラントレーナーさんが活動し始めた時期に当たると思います。ただ、世の中への浸透率は低かった時期です。
ちなみに、僕自身は、2011年から東京体育館などで少しずつパーソナルトレーニングの活動をし始めた感じです。
その後、2012年に「吉川メソッド」がTVで取り上げられ、同年に「RIZAP」が登場し、CMや広告で話題になり、ということで、世間的にはこの辺りからが黎明期な印象があります。
その後、2010年代後半にいろんなブランドが一気に増えてきました。僕自身も2015年に渋谷に出店しています。それでもまだ早い方だったので、2010年代後半が成長期の入口な印象です。
この辺りで、パーソナルトレーニングサービスの主戦場がフィットネスクラブから、マンションやテナントなどに移った感があります。
料金プランも「短期高額型」が多かったところから、「回数券型」「サブスク型」などが登場してきたり、マシンを使ってパーソナライズする「エクササイズコーチ」や、ミラーデバイスを使ってパーソナライズする「FURDI」、セミパーソナルなど様々な種類が登場しました。
周辺サービスとして、パーソナルトレーナー育成スクールなども増えてきました。
一旦、コロナて成長期にブレーキがかかった感はありましたが、コロナが明け成長期復活といったところでしょうか。
2020年代にかけては「パーソナル+エステ」や「パーソナル+ピラティス」など組み合わせたブランドが増えてきている状況です。

2.パーソナルトレーニング業界の現状

「かたぎり塾」は200店舗を超え、「RIZAP」「リアルワークアウト」「BEYOND」が100店舗超え、「24/7ワークアウト」「ダイエットパートナー」「ファーストクラストレーナーズ」「アップルジム」「グッドライフジム」「FURDI」などが50店舗を超えており、パーソナルトレーニングジムにも大手となる企業が何社かできてきた状況です。
また、個人でもインフルエンサー的にリアル、オンラインでかなり稼ぐ人が出てきています。
この状況はプロダクトライフサイクル的にいえば、まだ成長期なのでは、と思います。ただ、店舗数の増加は一部を除けば確実に鈍化しており、成熟期に入りつつある、と考えて良いと思います。

3.「パーソナルトレーニング=筋トレ指導」という盲目的スタンダード

歴史を辿ると、パーソナルトレーニング業界もトレンドが変化してきているように感じますが、ここに個人的には思うところがあります。
パーソナルトレーニングサービスの主戦場がフィットネスクラブから、マンションやテナントなどに移った2010年代中盤のタイミングで、個室が中心になり、15-30平米のスペースでパーソナルトレーニングを行うことがスタンダードになりました。
道具もパワーラックを中心とし、ダンベルなどを使う「フリーウエイトによる筋トレ」がパーソナルトレーニングのメインコンテンツ化していった印象があります。
同時に流行していたのが、短期集中型のダイエットだったりしたので、ストイックに筋トレし、食事制限をする、といったものがパーソナルトレーニングの定番となっていきました。
この潮流により、筋トレ指導&食事指導のパーソナルトレーナーが量産されたと考えています。しかも、筋トレ指導といっても、狭い空間でパワーラック、ダンベルを中心とした、ある意味狭義の筋トレ指導です。
つまり、トレンドがパーソナルトレーニングのあり方を変化させてしまった、あるいは特殊なパーソナルトレーニングの形を生み出してしまったのではないかと。言葉を変えれば、パーソナルトレーニングのある一種のパターンがやたら流行ってしまったのではないかと。

4.トレンドの変化 = 原点回帰なのでは?

そこから、時は流れ、パーソナルトレーニングも多様化してきました。
ドクタートレーニング、弊社もそうですが、個室という形を崩したり、パーソナルトレーニング×◯◯であったり、セミパーソナルであったり・・・
こういった新しいものが登場したり、変化していく様子を見ると「僕も、うちも何か新しいことをした方が良いのかな?」とか思ったり、「あんなのは邪道だ」とか思ってしまうのですが、そもそも、これまで流行していた、いわゆる「マンツーマン個室でのパワーラックを中心とした筋トレ指導」が本当にパーソナルトレーニングのあるべき姿だったのか?といった見方もあるのではないかと思うのです。環境的制限やトレンドに合わせた結果、そこに囚われていただけでは、とも思ったり。
昨今のような市場が成長し、様々な形がある状況こそ、パーソナルトレーニングなのであり、お客様の選択肢が増えることは良いことなのではないかと。もちろん選ぶ側のリテラシーも問われるわけですが・・・
実際、僕自身もパーソナルトレーナー活動を始めた2010年前半と今では指導内容も、良いと思っているものも全く異なります。
でも、そうあって良いと思っています。上記で示したように、パーソナルトレーニング業界にも大手が増え、企業となるとそう簡単にあれこれ変えられないと思うのですが、変化することが必然なのかなと思っています。実際、企業でもリブランディングする会社などもあります。

5.我々はどう生きるか?

映画「君たちはどう生きるか?」みたいな出だしになってしまいましたが、この状況を踏まえて個人的に今後どう生きるか?を考えてみます。
大事なことは、「自分が考えるパーソナルトレーニングとは何か?」を再考すること、あるいは常に考え続けることだと思っています。

この答えは、個人や企業でそれぞれ異なって然るべきです。それぞれお客様も異なるし、環境も異なるし、自分が得意とする部分やこだわりたい部分も違うと思うので。
そんな中自分としては、広い表現ですが、「できる範囲の中で、お客様のニーズに対してベストなものを提供し、しっかり導くこと」だと考えています。
もし仮に似たような答えになる人、企業がいたとしても、その言葉の解釈はまた少しずつ異なると思います。
ですので、昨今のようにパーソナルトレーニングの形が多様化しているのは来るべき潮流だと思う(この流れが「自分が考えるパーソナルトレーニングとは何か?」を追求した結果かどうかは別にして)し、自分なりのパーソナルトレーニングと向き合った結果、新しいハードを導入したり、指導方針が変わったり、セッションの進め方が変わったり、どんどん変化していって良いと思うのです。
そこが曖昧なまま、何となく仕事をするのが一番良くないと思います。

ちなみに、僕なりの解釈を説明するために、「できる範囲の中で、お客様のニーズに対してベストなものを提供し、しっかり導くこと」の文章を分解していくと

・できる範囲を広げること
・ニーズを引き出すこと
・適切な提案していくこと
・しっかり導くこと

の4つのセンテンスに分けられると思っています。これらのスキルが必要であると。もう少し具体的にまとめてみます。

■できる範囲を広げること

できる範囲を広げること、というと、勉強することがすぐ浮かびますが、ハード面も重要です。使う器具によってもできる範囲は変わると思いますし、もっというと「ジムの中である必要があるのか?」という状況もあります。
あるいは、「1人である必要はあるのか?」というケースもあると思います。
枠にとらわれず、できる範囲を広げていきたいと考えています。

■ニーズを引き出すこと

パーソナルトレーニングを受け始めた段階では、ダイエットやどこをどうしたい、などお客様の主訴は明確な場合が多いです。
しかし、ある程度経過すると、それが薄れてしまうケースもあると思います。そこに対しては「ニーズをお客様から引き出す」というよりも「こんなのどうですか?」と「提案により引き出す」ことの方がしっくりくる気がしています。
そのためにも指導の幅は広げておきたいと考えています。

■適切な提案していくこと

目的などに向かってのプランや進め方を理論的に、お客様にとって納得感がある形で、よし!やろう!となる形で提案できることが重要だと考えています。ここも非常に難しい部分ですが、大事にしています。
ここに対しては、知識と経験が重要だと考えています。

■しっかり導くこと

そして、しっかり結果まで導くことです。知識を提供するだけ、適切な情報を提供するだけ、という形も一つのパーソナルトレーニングの形だと思いますが、個人的には情報だけでなく、結果まで二人三脚的に導いていき、達成感などを一緒に味わいたいなと思います。
そのためには、リーダーシップの要素も必要だと思いますし、コーチング的な要素も必要だと思います。

これらは僕個人だけでなく、会社としてメンバーにもそうあって欲しいと考えています。例えば、デビューしたてのトレーナーは現在の指導はミニマムだと考え、どんどん選択肢、引き出しを増やし、お客様をより良い方向に導いて欲しいですし、そうすることで仕事も楽しくなると思います。会社としては、それがしやすい環境づくりを頑張らねばということです。

6.まとめ

ぜひ皆さんにとってのパーソナルトレーニングとは?に向き合い、どんどん深めていって欲しいと思います。
これは自分だけで考えても全然良いのですが、壁打ち的にいろんな人に話し、フィードバックをもらったりすると深まったりするのでそれもぜひ。
気軽に壁打ち相手に僕を使ってもらっても大丈夫です!笑

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