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帆に風を受けて。

「あなたの運命を決めるのは、あなたの心に張られた帆であって風ではない」


これはアイルランド出身の宗教者であるジョセフ・マーフィーの残した言葉。

彼は米国で活躍したアイルランド出身の宗教家で、牧師としての活動も行ってきた人物です。
彼は宗教家というよりも「マーフィーの法則」などの自己啓発書の著者としての方が、皆さんにも馴染みがあるのではなかろうか。

「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」という落としたトーストの法則、など。
多数のユーモラスに満ち、ウィットに富んだ、しかも哀愁を感じさせるような数々の経験則をまとめた、彼の著書のページをめくったことのある方は少なくないだろう。

その彼が残した、「あなたの運命を決めるのは、あなたの心に張られた帆であって風ではない」という言葉がある。

素敵な言葉です。

さすがは、自己啓発の第一人者です。
俺も若かりし頃、この彼の言葉にくじけそうな自分を、何度も助けられたことがありました。

でもね、いくら満帆に帆を広げたとしても、その帆に風を受けないことには船は前に進むことは難しい。
船を進めるには、大きく広げた帆も必要だけど、その帆に受ける風も、また不可欠なものなんだと俺は思うんだ。

そして、運命はあらかじめ決めて進むのではなく、自分で決めた進む道のその先に待ち受けているものなんじゃないかと思ったりします。
運命は目標ではなく、結果なんだと。

運命にたどり着くためには、自分で決めた進路と、その進路を進む自分を後押ししてくれる誰かの力が必要で、決して一人だけでは進むことが出来ないんじゃないかな。


「帆に風をいっぱいに受けよう
あなたが選んで進む先にあなたの運命はある」

これは風任せに人生をただ漂ってきた、優柔不断な俺の戯言。

この記事を書きながら、
いつか誰かの追い風になりたいと思っていながらも、

いつも誰かの向かい風になってしまっていたことに気付かされる俺だった。


でもね、向かい風を受けながらも、それでも自分の決めた道にひたすら突き進む。
そのひたむきな姿があって、はじめて誰かが力を貸してくれるんじゃないだろうか。

なんて、今日の寒い秋風に身を縮こませながらも、
心の中では大きな帆を広げて冷たい風を思いっきり受けている俺です。

「一場面小説」という日常の中の一コマを切り取った1分程度で読めるような短い物語を書いています。稚拙な文章や表現でお恥ずかしい限りではありますが、自分なりのジャンルとして綴り続けていきたいと思います。宜しくお願いします。