国境の長いトンネルを抜けると以下略

どうも。
東野京(ひがしのみやこ)です。

前職では関東各所を走行することが多く、高速道路等で長いトンネルを通過する度に雪国の冒頭の一節を思い浮かべていました。

今回は気が付いたら思いも寄らない場所に居た時のエピソードを記していきたいと思います。




高校生の頃のアルバイト

高校生の頃、某フライドチキンチェーンでアルバイトをしていたことがあります。

その時はちょうど時間が出来たタイミングで、高校の同級生に声をかけられて働き始めました。

それまではコンビニのアルバイトと家業の飲食店の手伝いで時間が埋まっていたのですが、修学旅行から帰ってきたら家業は畳まれていました。

私以外の収入がないという面白い状況で、空いた時間に別の仕事を入れなければと思っていた私にとっては同級生からの誘いは渡りに船といえる絶好のタイミングでした。

お金欲しさにすぐに食い付き、キッチンでひたすらフライドチキンを揚げ続ける日々が始まりました。

バイト先の先輩には大学生の方が多く、バイト後に遊びに連れていってもらったりしました。

その中でも特にお世話になったのはU1くんという先輩でした。


U1くん

U1くんは大学生でしたが、大学生というよりはフリーターのような様相を呈していました。

アルバイトと遊びが生活の主となり、学業は疎かな方だったと思います。

何年通っていたのかは記憶が曖昧ですが、(学校側の規則的に)もうこれ以上は留年できないと言っていたように思います。

最終的にはちゃんと大学も卒業して就職しているので、思う存分遊んでから社会に出るというのはある意味一つの正解だったのかもしれません。

誰よりもモラトリアムを謳歌していた彼は、フットワークが軽く色んなところに連れて行ってくれたりしました。

当時三重県に住んでいたのですが休みの日に名古屋まで買物に連れて行ってくれたりしたのを思い出します。


ラーメン

U1くんとシフトが被っていたある日のバイト中のことでした。

「終わったらラーメン食べに行かない?」
U1くんから素敵な提案がありました。

「いいですね!」
ラーメンは好きなので断る理由がありませんでした。

そしてバイト後にU1くんの車に乗り込み、ラーメン屋さんに連れていってもらいました。

学校とバイトで疲れていた私はすぐに寝落ちてしまったようです。
(道中の記憶が曖昧なので)

気が付くとラーメン屋さんに着いていました。

なんだか凄く時間が経っているように感じられます。
また、周囲には見覚えのない景色が広がっています。

「何処です……?」
少し遠くのお店まで連れてきてくれたのかなと思いながら、問いました。

「天理だよ。奈良。天理ラーメン知らない?」

奈良……?
プライベートで訪れたことのない地の名前に戸惑いました。

奈良なんて小学校の修学旅行と中学の部活の遠征と高校の遠足でしか訪れたことがありません。

いや、こうやって書いてみると結構来ていますね。
滋賀や和歌山よりも奈良に来た回数の方が多そうです。

食欲よりも眠さが勝ってしまっている状況でしたが、ラーメンは美味しかったです。

お腹いっぱいで帰りも爆睡してしまったような気がします。


ありがたみと凄さ

今思うと本当にありがたかったなと思います。

ガソリン代とかをU1くんから請求されたことがない気がしますし、車内でどれだけ寝ても文句を言われたことはありません。

彼自身運転が好きだったり人と過ごすのが好きなのかもしれませんが、それにしても良くしてもらったなと思います。

自身はすぐ眠くなってしまう方なのでバイト後でもぶっ続けで運転できるU1くんの凄さを大人になってからヒシヒシと感じています。 

私が大学に進学してからはめっきり疎遠になってしまいましたが、今でもたまに当時の先輩方を思い出します。

皆元気で生きていてくれるといいなと思います。


おわりに

川端康成なら雪国よりも伊豆の踊子が好みかもしれません。

新感覚派ではありませんが、宮沢賢治や自然主義文学の田山花袋あたりも好みです。

高校生の頃も大学生の頃も当たり前のようにアルバイトを掛け持ちしたりしていましたが、よくそんな体力があったなと驚いてしまいます。

大学生の頃なんてアルバイトに加えて講義もみっちり詰めて合間にたくさんの本を読んでいたのだから自分じゃないみたいです。

中学〜大学の間に無理をしすぎたツケが今来ていると言えるのかもしれませんね。

最後までお目通し下さった方、ありがとうございます。 

また何処かでお目にかかれたら幸いです。



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