発達障害への配慮をどう依頼するか
『リエゾン〜こどものこころ診療所〜』の第11巻では、発達障害の方の就職について扱われています。
しかし、発達障害のある方への合理的配慮は、実際には無理解や職場の余裕の無さでなかなか厳しいのが現状です。どうしたら少しでも配慮に理解を得られるのでしょうか。ASDのある方の架空事例を用いて考え、意見を頂きました。まとめてみます。
投票:周囲に配慮をして欲しいと依頼することは理解を得られるか
『発達障害を言い訳にしないで欲しい』という意見の方が一定数いました。フォロワーさんは教員や教育関係の方が主ですが、それでもこのように感じる方が少なくないことは軽視できないと感じます。
より周囲の理解を得られる伝え方は?
より良い周囲への伝え方に関して、ご意見を頂きました。役立つと感じたアイデアをまとめてみます。
改善例①『こうしてほしい』もセットで伝える
このように『〜してほしい』『〜がありがたい』という具体的な方法もセットで伝えるのは重要でしょう。なぜなら、『何を配慮したらよいか』が明確になり、周囲の負担感が軽減するからです。相手に一方的に押し付けないことにも繋がります。
改善例②『〜が得意』もセットで伝える
一方的にあれこれ相手にお願いするだけでは、現実的にはなかなか厳しいと感じます。どうしてもアンフェア感や負担感が増してしまうからです。自分が周囲に協力し貢献できる点を伝えて、貢献しようとする気持ちを表すのは相手の心情的にも重要だと思われます。
改善例③伝える練習をする
ASDの人は相手の方への配慮をして自分の要望を伝えるのが苦手なことも多いです。『え?障害ありますけど、何か?』みたいな態度だと相手に負担を押し付けるだけで気持ちを逆なでしてしまいかねません。さらに、それに気づかないなんてこともありそうです。
一生懸命伝えていても、『淡白でやる気があまり感じられない』と相手に思われてしまうこともありそうです。苦手を和らげる工夫の方法を学生時代の間に見つけて、周囲にうまく伝える練習をしておくと良いかもしれません。
改善例④『◯◯障害』は必ずしも伝えなくても良い
原因となる障害名は明言しなくても良いのかもしれません。人はだれでも苦手なこと・不得手なことはあります。ASDの診断を伝えることは必ずしも周囲の理解を促すとは限りません。『障害だから許されるべきだ』という雰囲気を意図せずとも醸し出してしまったり、相手が感じてしまったりする恐れがあるからです。また、個人情報を親しくもない人に明らかにすることは、誰しも抵抗感があります。
まとめ
平等が過大な前提となりがちな日本社会では、なかなか配慮や理解が行き届かないのが現実です。また、社会全体に余裕もなかなかありません。しかし、可能ならばすべての人に優しい方が良い、という視点に立ち行動すると、多くの人にとって生きやすい社会になるのではと感じます。
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