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「ジョブ」と「ニーズ」の違い

スティーブ・ジョブズやアマゾンのジェフ・ベゾスのような世界を変えたイノベーターは、人とは違う目でモノゴトを見て考え続けている。
これを具体的な方法論にしたのが、ジョブ理論なのだ。
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一方でこんな疑問もあるかもしれない。
「よく『ニーズを考えろ』ともいわれるよね。

『ジョブ』と『ニーズ』はどう違うの?」
ニーズは「健康でありたい」とか「何か食べたい」というように漠然としたものだ。解決方法もいろいろある。しかしその解決方法で商品を買うかどうかは、必ずしも確実でない。

ジョブは顧客の具体的で切実な状況で生まれる。
たとえばこんなものだ。
「草ボウボウの庭を、なんとかしたい」
「夕方の忙しい時間に、買い物を短時間で済ませたい」
「よりよい仕事に就くために、立派な学歴がほしい」

こうした切実な状況で生まれた顧客のジョブを解決すれば、顧客は買うのだ。

ジョブ理論で考えると、ライバルは同じ市場にいるライバルだけではなくなる。
映画やドラマをネット配信するネットフリックスのリード・ヘイスティングスCEOは、「ライバルはアマゾンか?」と問われて、こう答えている。

「リラックスするためにすることは、すべてライバルだ。ビデオゲームとも競うし、ワインとも競う。実に手ごわいライバルだね」

ヘイスティングスは「家でリラックスした時間を過ごしたい」という顧客のジョブについて考え抜き、ネットフリックスを成長させている。
徹底的に顧客視点で考え抜くジョブ理論でビジネスを捉え直すと、まったく新しい視点が得られるはずだ。

ジョブ理論は、クリステンセンが著書『イノベーションの解』で紹介した「片づけなければならない用事」を、さらに深掘りしたものだ。クリステンセンはこのために会社を立ち上げ、ジョブ理論を多くの企業で10年以上実践・検証してきた。
その成果をまとめたのが本書である。

「顧客はなぜ商品を買うのか?」という問いに、本書は多くのことを教えてくれる。今の顧客は実に多くの選択肢を持っているので、単にニーズに対応するだけでは買ってくれないのだ。「いい商品なのに売れない」と悩む人は、ぜひ一読をお勧めしたい。

田園都市線スーパーが客離れを起こした「真因」
https://toyokeizai.net/articles/-/283695?page=3